筆記試験対策(SPI試験)
「SPIが決め手になった」 「SPIには苦労した」 先輩たちの合格体験談を聴くと、決まり文句のように『SPI』という言葉が出てきます。また、学内の就職ガイダンスでも、就職情報誌でも、『SPI』が連発されます。書店に行けば、『SPI』対策本、攻略本、問題集のオンパレード…これだけポピュラーに思える『SPI』なのに、毎年『SPI』の被害者が続出するのはなぜなのでしょうか。
どうやら、『SPI』という言葉だけが一人歩きしているようです。『SPI』という言葉だけは知っていたとしてもその内容を知らず、したがって対策のとりようがない、というのが皆さんの実態なのではないでしょうか。このページでは、『SPI』の内容を説明するとともに、失敗しないための対策を考えていきます。
(1) SPIの位置づけ
就職活動のプロセスの中で、ほとんどの企業が1マークシート式の試験→2作文試験→3面接試験の三段階を課してくることでしょう。SPIは、このうちでマークシート式試験の一種です。その意味では、これもまた書店でよく見かける「一般常識試験」と共通のものといえます。
「一般常識試験」というのは、小中学校の基本科目、つまり国語・算数・理科・社会・英語という幅広い科目から四肢または五肢の選択問題 を出題するという試験です。SPIに比べると古典的な就職試験ということができるでしょう(もちろん、現在でも数多くの企業で利用されて います)。
この「一般常識試験」は「知っていれば正解できるが、知らなければどうにもならない」問題で構成されている点に特徴があります。つまり、知識を試す試験であるのです。
(2) SPIの特徴
「自分の会社に採用する人間を知識の有無のみで決定していいのだろうか、考える力=知能を試すような試験はないか」…このような企業の養成を充たすためにリクルートが作成したのが『SPI』です(現在では人事測定研究所が運営しています)。
SPIとは、Synthetic Personality Inventoryの略です。総合人物判定とでも訳すべきでしょう。つまり、『SPI』とは、単に知識の有無だけでなく、「性格」「能力」の両面から人物を判断する試験なのです。この点が、企業に高い評価を受け、一時は一万社を超える企業で採用されている、とまで噂されました。さらに、N‐SPIという言葉も見たことがあるかもしれません。このNはNewの意味、つまり新しいタイプの総合人物判定を意味します。
(3) 何の準備をすればいいのか
採用活動に利用されるマークシート式の試験は、代表的なものだけを見ても、「一般常識試験」「SPI」「N-SPI」の三つがあるわけです。それでは、どの試験に照準を合わせて準備をすればいいのでしょうか。
残念ながらターゲットを絞ることはできません。就職活動では企業が実施している試験をあらかじめ調べて、自分の得意な試験をやっている企業だけを志望する、ということはできないからです。また、その試験が何月何日に実施されるのかも分かりません。だとすると、皆さんは一般常識でも、SPIでも、N-SPIでも、「いつ」「どのタイプの」試験が出現しても対応できるようにしておくしかないことになります。その中でも、最も対策が困難なのが(N)SPIですから、ここでは、その内容を正確に知り、適切な対策をとることを目的にしましょう。
(4) (N)SPIの内容
SPI、そしてN‐SPIの内容を表にまとめました。この表を見ながら、説明していきましょう。(N)SPIは、「性格検査」と「能力検査」とに分かれています。
「自分は積極的な方だ」、「自分は消極的な方だ」というような対極にある答えを設定し、SPIでは二者択一、四肢択一で選択していきます。短時間に大量の質問に回答させる点も特徴といえるでしょう。この回答が心理学的に分析され、行動的側面、意欲的側面、情緒的側面、性格類型の四面から人物判定がなされます。
性格検査についても対策本が数多く出版されています。しかし、専門家である心理学者が長い年月をかけて完成したテストである以上、素人が誤魔化せるはずがありません。姑息な手段では、質問のあちこちで矛盾が出て、特殊な人間と判断されてしまいます。
結局性格検査に対策はありません。ただし、性格を判定する検査である以上、体調・気分が結果に影響します。問題が多いからとめげることなく、明るい気分で受ける。これが唯一の対策でしょう。
SPIの要であり、対策次第で大幅なランク・アップが望めるのがこの能力検査の分野です。「出題パターンが数種類しかないから、多くの企業を受験しているうちに重複した問題に出会う」などという説明を信じていませんか。SPIには四十数種の問題が用意されていますから、なかなか同じ問題に出会うことは考えられません。また、問題の持ち帰りは禁じられていますし、正解も教えてもらえませんから、重複したとしても成績が上昇すると単純に考えることはできません。
ただし、「個々の出題を類型化してみると、意外に出題される項目が少ない」というのも事実です。クイックの分析によれば、国語的能力で十パターン、論理的思考力と数的処理能力を合わせて二十パターンを確実にマスターし、応用ができるようにしておけば、(N)SPI対策は万全です。やみくもに問題を解きまくるだけでなく、「基本出題パターンごとに解法を押さえる」という視点から勉強を効率化する必要があります。それでは、各科目ごとに出題の特徴と対策の方法を見ていきましょう。
A 言語的能力
漢字の読み方や語句の使い分けから長文の読解問題まで、国語・文章理解の能力をきいていきます。国語が特別に苦手という人以外は、解答・時間配分の面で特に困難はありません。ただし、SPI試験特有の出題形式に慣れておく必要がありますから、問題集か模擬試験で問題を解いておくことは必須でしょう。
B 非言語分野(SPI)
算数・数学と若干の理科が出題されます。N-SPIでは、論理的思考力と数的処理能力という二分野に分割され、しかも難易度の上昇が図られています。したがって、N-SPI試験をターゲットに勉強しなければなりません。
C 論理的思考力
与えられた条件から、論理的に(筋道立てて)推論し、結論を導くという出題分野です。例えば、フローチャート、経路図などが典型です。問題を解くだけでは、時間内に確実に正解する力はつきませんから、解法の基礎的理論を押さえることを考えましょう。特に、良く出題される典型的なパターンは押さえておくことが必要です。
D 数的処理能力
確率の計算、仕事算、道のりと時間など、加減乗除・分数の計算を駆使して正解することが求められています。時間無制限であれば正解できる問題ばかりですが、数学から長い年月離れた人にとっては、時間切れが心配です。出題パターンを正確に理解した上で、問題演習を繰り返し、スピードアップを図りましょう。