
| ”目に忌まわしく、脳に有害で、肺に危険な習慣。悪臭を放つ黒煙は底無しの穴からの恐ろしい地獄に似る”‥英国王ジェームスI世『たばこ排撃論』(1604年) 400年もの昔からたばこの害は指摘されています。にもかかわらず日本での喫煙率の著明な減少は見られません。1995年日本における喫煙関連死は95000人にのぼり、さらに増加しています。1998年厚生省人口動態統計によると喫煙と関係の深い肺癌の死亡者数が50867人となり胃癌を抜き癌死の1位になりました。1999年厚生省は日本の15歳以上の喫煙人口は3300万人以上で、1800万人がたばこ依存症になっていると指摘しています。 一人でも多くの人にたばこの恐ろしさを知って頂き、たばこから訣別していただきたいと思いこのコーナーを設けました。 |
T.たばこと病気
| 1.たばこの煙にはどのような有害物質が含まれるのですか? | @たばこの煙は、喫煙者が口元へ吸引する主流煙とたばこの燃焼部から立ち上がる副流煙に分けられる。主流煙はフィルターにより濾過されるが、 副流煙は直接鼻から吸引し、発癌物質の濃度が非常に高い。また副流煙は周囲の非喫煙者も吸引することとなり(受動喫煙)、社会的問題となっている。A煙のガス成分は種々のニトロソアミン類、ベンゼン、ブタジエンなどの発癌物質が含まれており、その濃度は副流煙に10-100倍多く含まれている。B煙の固形成分にはニコチンの他、発癌物質として2−ナフチルアミン、ベンツピレン、4-アミノビフェニールなどが含まれており、その濃度は副流煙に2倍から30倍多く含まれている。 |
| 2.喫煙と関係すると病気にはどのようなものがありますか? | @肺癌、喉頭癌、口腔癌、咽頭癌、食道癌、副鼻腔癌をはじめとする種々の癌、A狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症(ASO)、バージャー病(TAO)などの循環器系疾患、B肺気腫などの閉塞性肺疾患、C胃十二指腸潰瘍などの消化器疾患、D脳卒中などの危険性が増加します。 E妊婦が喫煙した場合には低出生体重児、早産、流産、妊婦合併症の危険性が高くなります。さらに胎児死亡、新生児死亡、乳児死亡率が優位に増大します。 |
| 3.英米では喫煙率は著名に低下していますが日本の喫煙率は低下しているのでしょうか? | 日本では、1990年代に入り、男性では、若年者の喫煙率の増加のため、喫煙率の低下は鈍り、女性では、やや増加傾向にあります。 |
| .4.喫煙状況を他の欧米諸国と比較するとどのようになりますか? | ![]() 先進国の中でわが国の男性の喫煙率hは不名誉なトップであり、わが国での肺癌の増加の一因とされています。 |
| 5.たばこ対策の現状はどのようになっているのでしょうか? |
厚生省では平成10年2月から”21世紀のたばこ対策検討会”を開催し、有害物質かつ依存性物質を含むたばこに対しの本格的な対策を検討している。 1.未成年の喫煙防止 2.受動喫煙の害を排除、減少させるための環境づくり(分煙) 3.禁煙希望者に対する禁煙サポート(支援)および喫煙継続者の節度ある喫煙(禁煙支援、節煙) しかし、十分な成果を上げているとは言い難い様に思います。特に、若者、女性の喫煙率の増加傾向に対して早急に歯止めをつける必要があるでしょう。 |
| 6.子供たちを守る禁煙指導、支援 |
1998年世界禁煙デーにあたってのWHO事務総長メッセージ 50年以上にわたり、わたしたちはたばこが間違いなく人の命を奪うという証拠をつかんできました。それなのに、毎日世界中で何千人もの子供たちが喫煙を始め、彼らの多くがニコチン依存症のまま一生を送り、いずれたばこによって殺される運命の扉を叩いているのです。また受動喫煙が危険である証拠は明白なのに、世界中の子供たちがたばこの煙にまみれて生活している状況が続いています。 私たちの使命は、世界中の人々の健康を守り、何よりこどもたちの健康を守ることにあることを思い起こす必要があります。 こどもたちの喫煙開始の動機は複雑です。家族や映画スター、スポーツ選手などの大人の喫煙にも左右されます。教師や医師、看護婦は子供たちの手本であるべきなのに、その喫煙率が非常に高い国が数多くあります。子供たちの喫煙を本当に減らそうと思うなら、大人は手本を示す責任があります。 たばこで早死にした喫煙者に代わる新たな喫煙者で穴埋めをしなければ、たばこ会社の存立が危うくなります。こうした新たな喫煙者の大部分は十代の子供たちです。 毎日世界中で約1万人がたばこで殺されています。この災厄を防ぐたばこ規制政策は、@強力な禁煙教育プログラム Aたばこ税の増額 Bたばこの宣伝広告の全面禁止 C法令による学校と公共施設の禁煙化 などです。 子供たちが決してたばこに手を出さず、誘惑に負けない意志と知識を持たせることが私たちの責務です。私たちはいかなる抵抗があろうとも、世界中の子供たちの健康を守るために立ち上がらなければなりません。今こそ私たちはこぞって、子供たちが文字どおり「無煙世代(Growing up without tabacco)」として成長するように断固たる決断をすべき時です。(「現代たばこ戦争」:伊佐山芳郎著および日本医師連盟通信1998年別冊付録より) |
| 7.何度も禁煙しようとしているのですが、途中で挫折してしまいます。 |
@ニコチン依存と習慣依存…喫煙には2つの依存があるといわれています。 ◆ニコチン依存とは、たばこに含まれるニコチンに対する薬物依存であり、ニコチンが切れるとニコチン離脱症状(イライラ、集中力低下 、虚脱感、不穏)が出現するようになります。 ◆習慣依存とは、手持ち無沙汰、口寂しさ、気づいたらたばこを口にくわえていたというように喫煙が1日の生活に完全にリズムとして組み込まれてしまった状態をいう。 Aニコチン置換療法の登場…禁煙の継続を困難にするニコチン離脱症状に対して、ニコチンをたばこ以外の形で補給して苦痛を柔らげ、禁煙 の継続を補助してゆく方法です。ニコチンの補給としてニコチンガム、ニコチンパッチ(貼付剤)があります。 B禁煙専門外来が全国の病院で開始されています。当科でもご相談に応じます。 Cインターネットによる禁煙の支援 禁煙マラソンホームページ…http://www.kinen-marathon.org/ @)禁煙に関する知識を得て、心構えを作ろう A)定期アドバイスメール…禁煙の経過にあわせて実際に実行すべきポイントを解説してくれます B)メーリングリストによる相互援助…ランナー同士や卒業生との強い連帯感と相互援助ができ、ニコチン切れの苦しい時に暖かい支援が得られます。 |
| 1.一日の喫煙本数と肺癌死亡の関係の関係はどのようになっているのでしょうか? | ![]() |
| 2.喫煙開始年齢と肺癌の関係 |
喫煙開始年齢が早いほど、肺癌になりやすい。早く喫煙を開始すると、総喫煙本数が多くなるだけでなく、開始年齢独自の影響があると思われる。未成熟の細胞が多い発育期には、いろいろな発癌物質に感受性が高いと考えられ、さらにたばこを吸うことにより発癌物質活性化酵素を誘導してくる作用があり、動物が若年であればその作用も強いとの観察もある。![]() |
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