初心者&ペーパーライダーのための

運転の極意(ちょっとしたコツ)

教えちゃいます


MINのコーナリングテクニック

MINさんに原稿依頼しました。

実は、ずっとMINさんのブレーキングに憬れておりました(はぁと)
って言うか、エンジンブレーキを多用し、十分減速してから前ブレーキだけで停車する。

これが日常出来ると言うことは、走りに無理がないということです。
決してノロノロ運転でなく、十分なゆとりを持って、クルージング、そして
滑らかに、静かにブレーキング。これこそが大人の運転だと信じるところです。

こう言う運転をしていれば、急ブレーキでタイヤがロックし転倒なんて起きないわけです。
シティコミューターの本来有るべき姿だと思っています。

バイクが、趣味的で若者の特権のような存在で居る限り、こういった運転は歓迎されない
かもしれませんが、BSがもっと広く普及するにはMINさんのような走り方がスタンダードに
ならなければならないと信じています。(そうだ!)

正に21世紀の走り、新世紀のブレーキングと言って差し支えないでしょう。
私は広めたいのです。「MINのブレーキング教」を!

 


 

 

私はフュージョンに4万6000キロほど乗っていますが、その長い付き合いの中で

自然と身に付いてきたコーナーリングについて、ちょっと書いてみようかと思います。

フュージョンは、ホイールベースが長く、フレームがヤワく、タイヤが小さいと、

三重苦が揃っています。そのため、強引に押さえ込んだり、フロントに荷重をかけて

ハンドルで曲がろうとしても、フレームが捩れて後ろが付いてきませんし、タイヤに

無理をさせるとあっさりスリップします。そのため、私のコーナーリングは、

・車体を押さえつけない
・旋回はリアタイヤで行う
・リアブレーキはほとんど使わない

という特徴があります。

というわけで、車種によっては参考にならないと思いますが……それでもいいんです

よね、あさのさん?(私信)

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

では、始めます。

乗っているのはフュージョン。両足は腰の真下、リアステップの上にあります。

知らない道を走っていたら、前方に右コーナーが見えてきた、という下の図のような

状況を、6つに分けて書いていきます。


1.左に寄る

 まず、左に車体を寄せます。コーナーに、アウト側から進入するためです。  

  

2.ブレーキング

 アクセルオフ。ほぼ同時に、フロントブレーキング開始(赤い波線)。

 重要なのは、身体を下半身で支えること。減速Gに負けて、ハンドルを両腕で突っ張

 ってしまうと、スムーズに旋回に入れません。ブレーキはジワッと掛け、徐々に制動

 力を強めていきます。直進している間に充分に減速することが、何よりも重要です。


3.ターンイン

 旋回を始める直前に、二つの動作を行います。

 一つは、右足に荷重を掛けること。

 もう一つは、フロントブレーキをほんのちょっとだけ強めることです。

 ブレーキを強めると、減速のトラクション(駆動力)が強くなり、車体は直立しよう

 とします。というわけで、この時点ではまだ車体は傾きません。

 旋回開始の瞬間に、フロントブレーキを緩めます(完全には離しません・赤線)。

 すでに重心は右に移っていますから、スクーターは傾きます。傾きはじめたところで、

 腰の重心も右に移せば、バンク角はあっさりと深くなります。

 姿勢はリーンアウト。身体より車体を大きく傾けます。理由は二つありまして、

 一つは確実に曲がるため。フュージョンはリーンアウトのほうが容易にコーナーリング

 できるからです。もう一つの理由は視界確保のため。車体と一緒に傾いていると、視界

 のほぼ全部を屋根に塞がれてしまうからです……が、こんな心配をしなきゃいけない人

 はほとんどいませんね(笑)。

 さて。車体をバタッと倒すと、ハンドルはグイッと右に曲がります。重要なのは、

 曲げるわけではなく、勝手に曲がるのだという点です。リーンアウトの姿勢ですから、

 左手をちょっと引いて、曲がりすぎないようにセーブすることになります。

 コーナーリングフォース(旋回力)は、傾いたリアタイヤが発生させます。

 前輪はセルフステアの機能で、自然とそれに付いてきます。

 体重はそのほぼ全てを尻に乗せます。上半身も下半身も力を抜いて、ダラッとさせます。

 スクーターは勝手に曲がる、人はその上に乗ってるだけ、というイメージです。

 この瞬間、一連のコーナーリングの中で、最も角度の大きな進路変更が行われます。

 コーナーに入る前から見えている範囲内ですから、大胆に曲がることができます。


4.走行ライン想定
 ターンインを終えると、視界にコーナーのほぼ真ん中から出口までが入ってきます(ヘア

 ピンでもないかぎり)。ここで、今後の走行ラインをイメージします。

 現在位置から、コーナーの真ん中でセンターラインを掠めて、車線のほぼ中央に向けて

 脱出していく架空のラインを、路上に引くわけです。円を描くような一定のラインではなく、

 徐々に緩やかになるラインを想定してください。

 コーナーリングの基本はアウト・イン・アウトだとは言いますが、ここは知らない道です。

 直後に左コーナーがあったりすると、インベタからの苦しいアプローチをせざるを得なく

 なってしまいますから、余裕を見て車線の中央を目指します。もちろん、その先が見えて

 いる状況で、かつ問題がなければ、アウト側を目指しても構いません。


5.旋回

 ここで、僅かに残していたフロントブレーキを完全にリリースし、アクセルを開け始めます

(赤線→青線)。

 加速するほど開けるわけでもなく、エンジンブレーキが掛かるほど閉じるわけでもない、

 いわゆる「パーシャル状態」にします。コーナーリングを通じて、一番不安定な瞬間です。

 できるだけ短くしたいものですが、状況がそれを許さないことも多いです。


6.立ち上がり

 アクセルを開ければ、トラクションが掛かって、車体は起きあがりはじめます(青い波線)。

 徐々に緩やかになるラインに沿って走るわけですから、アクセルもそれに応じて徐々に開け

 ます。アクセル開度が増える→トラクションが増える→車体が起き上がる→旋回率が減る、

 というわけです。ただフュージョンは非力なのでいきなり全開にしてしまう場合もあります。

 その時は、左足(外足)に掛ける荷重を調整して、車体の起きあがりかたを制御します。

 あとはそのまま、コーナーを脱出するだけ。次のコーナーは目の前かもしれません。


■まとめ

 ……というのが、私のコーナーリングです。

 お気づきになった人もいるでしょうが、両足はリアステップに乗ったままです。

 つまり、リアブレーキは一切使っていません。

 小さいリアタイヤに、旋回以外の仕事をさせたくない、というのがその理由です。以前、

 コーナーリング中にリアブレーキを掛けて、いきなりズルッと滑った経験がありまして……。

 という訳で、リアブレーキはコーナー進入前に減速が間に合わないと感じた時だけ使います。

 直進時(赤い波線)限定です。この辺りが、教習所で習う正しいバイクの乗り方と、

 一番異なる点です。またアクセルとブレーキのどちらかを常に使い続けるのもポイントです。

 二輪車は惰性で走っているときが一番不安定ですから、加速トラクションか減速トラクショ

 ンのどちらかを常に掛け続けるように意識します。

 そのため、私のコーナーリングには、5に挙げた旋回がほとんどありません。ブレーキを離

 した瞬間には、すでに立ち上がりを開始していることが多いですね。

 ヘアピンだと無理ですけど。


■おまけ

ヘアピンカーブ等では、ターンインを複数回行います。

ブレーキング→ターンイン→立ち上がり→ブレーキング→ターンイン→立ち上がり、

と繰り返すわけです。

 これは、先が見えない長いコーナーでは、どんな障害物があるか分からないためです。

今見えている範囲内で大きく曲がっておけば、その先での余裕ができるので、安全性が

向上すると思います。 

では、安全なツーリングを。

BY MIN

 

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