MINさんに原稿依頼しました。
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では、始めます。 乗っているのはフュージョン。両足は腰の真下、リアステップの上にあります。 知らない道を走っていたら、前方に右コーナーが見えてきた、という下の図のような 状況を、6つに分けて書いていきます。
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| 1.左に寄る まず、左に車体を寄せます。コーナーに、アウト側から進入するためです。
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| 2.ブレーキング アクセルオフ。ほぼ同時に、フロントブレーキング開始(赤い波線)。 重要なのは、身体を下半身で支えること。減速Gに負けて、ハンドルを両腕で突っ張 ってしまうと、スムーズに旋回に入れません。ブレーキはジワッと掛け、徐々に制動 力を強めていきます。直進している間に充分に減速することが、何よりも重要です。 |
| 3.ターンイン 旋回を始める直前に、二つの動作を行います。 一つは、右足に荷重を掛けること。 もう一つは、フロントブレーキをほんのちょっとだけ強めることです。 ブレーキを強めると、減速のトラクション(駆動力)が強くなり、車体は直立しよう とします。というわけで、この時点ではまだ車体は傾きません。 旋回開始の瞬間に、フロントブレーキを緩めます(完全には離しません・赤線)。 すでに重心は右に移っていますから、スクーターは傾きます。傾きはじめたところで、 腰の重心も右に移せば、バンク角はあっさりと深くなります。 姿勢はリーンアウト。身体より車体を大きく傾けます。理由は二つありまして、 一つは確実に曲がるため。フュージョンはリーンアウトのほうが容易にコーナーリング できるからです。もう一つの理由は視界確保のため。車体と一緒に傾いていると、視界 のほぼ全部を屋根に塞がれてしまうからです……が、こんな心配をしなきゃいけない人 はほとんどいませんね(笑)。 さて。車体をバタッと倒すと、ハンドルはグイッと右に曲がります。重要なのは、 曲げるわけではなく、勝手に曲がるのだという点です。リーンアウトの姿勢ですから、 左手をちょっと引いて、曲がりすぎないようにセーブすることになります。 コーナーリングフォース(旋回力)は、傾いたリアタイヤが発生させます。 前輪はセルフステアの機能で、自然とそれに付いてきます。 体重はそのほぼ全てを尻に乗せます。上半身も下半身も力を抜いて、ダラッとさせます。 スクーターは勝手に曲がる、人はその上に乗ってるだけ、というイメージです。 この瞬間、一連のコーナーリングの中で、最も角度の大きな進路変更が行われます。 コーナーに入る前から見えている範囲内ですから、大胆に曲がることができます。 |
| 4.走行ライン想定 ターンインを終えると、視界にコーナーのほぼ真ん中から出口までが入ってきます(ヘア ピンでもないかぎり)。ここで、今後の走行ラインをイメージします。 現在位置から、コーナーの真ん中でセンターラインを掠めて、車線のほぼ中央に向けて 脱出していく架空のラインを、路上に引くわけです。円を描くような一定のラインではなく、 徐々に緩やかになるラインを想定してください。 コーナーリングの基本はアウト・イン・アウトだとは言いますが、ここは知らない道です。 直後に左コーナーがあったりすると、インベタからの苦しいアプローチをせざるを得なく なってしまいますから、余裕を見て車線の中央を目指します。もちろん、その先が見えて いる状況で、かつ問題がなければ、アウト側を目指しても構いません。 |
| 5.旋回 ここで、僅かに残していたフロントブレーキを完全にリリースし、アクセルを開け始めます (赤線→青線)。 加速するほど開けるわけでもなく、エンジンブレーキが掛かるほど閉じるわけでもない、 いわゆる「パーシャル状態」にします。コーナーリングを通じて、一番不安定な瞬間です。 できるだけ短くしたいものですが、状況がそれを許さないことも多いです。 |
| 6.立ち上がり アクセルを開ければ、トラクションが掛かって、車体は起きあがりはじめます(青い波線)。 徐々に緩やかになるラインに沿って走るわけですから、アクセルもそれに応じて徐々に開け ます。アクセル開度が増える→トラクションが増える→車体が起き上がる→旋回率が減る、 というわけです。ただフュージョンは非力なのでいきなり全開にしてしまう場合もあります。 その時は、左足(外足)に掛ける荷重を調整して、車体の起きあがりかたを制御します。 あとはそのまま、コーナーを脱出するだけ。次のコーナーは目の前かもしれません。 |
| ■まとめ ……というのが、私のコーナーリングです。 お気づきになった人もいるでしょうが、両足はリアステップに乗ったままです。 つまり、リアブレーキは一切使っていません。 小さいリアタイヤに、旋回以外の仕事をさせたくない、というのがその理由です。以前、 コーナーリング中にリアブレーキを掛けて、いきなりズルッと滑った経験がありまして……。 という訳で、リアブレーキはコーナー進入前に減速が間に合わないと感じた時だけ使います。 直進時(赤い波線)限定です。この辺りが、教習所で習う正しいバイクの乗り方と、 一番異なる点です。またアクセルとブレーキのどちらかを常に使い続けるのもポイントです。 二輪車は惰性で走っているときが一番不安定ですから、加速トラクションか減速トラクショ ンのどちらかを常に掛け続けるように意識します。 そのため、私のコーナーリングには、5に挙げた旋回がほとんどありません。ブレーキを離 した瞬間には、すでに立ち上がりを開始していることが多いですね。 ヘアピンだと無理ですけど。 |
| ■おまけ ヘアピンカーブ等では、ターンインを複数回行います。
ブレーキング→ターンイン→立ち上がり→ブレーキング→ターンイン→立ち上がり、 と繰り返すわけです。 これは、先が見えない長いコーナーでは、どんな障害物があるか分からないためです。 今見えている範囲内で大きく曲がっておけば、その先での余裕ができるので、安全性が 向上すると思います。 では、安全なツーリングを。 BY MIN |