Mountain Trekking編

第8日目('97.5.14)
ゴレパニからシカ、ガーラを経てタトパニへ

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フィッシュテールの形の
マチャプチャレ

  AM4:50起床。AM5:00プーンヒルへ出発。kanaが先頭。日が昇りそうなのでハイペースで登っていく。足と心臓は7日間の山の生活でかなり鍛えられている。既に10〜20人は前にいる。それにしても、高度3198mがプーンヒル=丘である。規模が違う。プーンヒルまでは200m登り、約40分で頂上についた。昨日であった、アメリカンカップルは既に来ている。まだ日の出前。日の光の一本が8167mのダウラギリのてっぺんを僅かに照らしている。山は左からダウラギリV、U、T、ダンプスピーク(5951m)、ニルギリ(6940m)、そしてお馴染みのアンナプルナT、サウス、ヒウンチュウリ、そして一番右手にマチャプチャレのフィッシュテールが見える。逆光のため、日が少しずつ昇るにつれ、マチャプチャレがかすんでくる。
 AM6:00頃、太陽がマチャプチャレの右手から顔を出し、マチャプチャレは霞の中にその姿を消し完全に見えなくなる。それに対して、ダウラギリはその全体を輝かせ、アンアプルナも光り出す。日の光に照らされた山々のピークからは水蒸気が立ち始めた。やがてこれらが雲となる。私たちは写真を一通り撮った後、再び、明けていく空と山々の景色に吸い込まれ、じっと眺めた。ふと気がつくとツーリストはかなり増えている。台湾か香港人と思われる5〜6人の家族は、山をバックに一生懸命ポーズを取っている。ガイドがよいポイントを指示すると、女の子は座り手をあごに当ててポーズを取る。国に帰ったら修正してお見合い写真にするのか。(台湾の写真修正技術は凄い。私も女優になれる!?)まあ人のことはいいとして、私たちも二人で記念撮影。モデルがいいので修正不要。

プーンヒルから山をバックに
 周りをもう一度じっくり眺め、下りようとしてまた立ち止まりながら、AM6:45、下り始めることにした。あたりはすっかり明るくなり、日は昇り、一日が始まった。起きたときは寒かったが、下りは暑い。しかし、ぽんぽん飛びながら降りていくので、他のトレッカーに、マウンテンゴートの様といわれる。kenは20kgの重い荷物がないのでおおはしゃぎ。AM7:00ロッジ着。朝食を取る。ミルクティーとポリージュで軽くすませる。今日はタトパニまで、2900m→1200mの下り。そんなに大変ではないようだ。
 AM8:00お世話になったおじさんに手を振って出発。村と村の間をぬって下っていく。牛の糞に気をつけながら進む。空は快晴、正面に見えるダウラギリは徐々に雲に隠されていく。AM8:45CHILAの村にはいる。これを抜けていくと、AM9:00PHALANTE DANDAの集落。昨日デューレリからまっすぐ抜けていればここに着いたはず。かなり大きい。今までは、村といってもせいぜい4,5件のロッジがあるだけだったが、ここは、通り抜けるのに20分かかる。たまに登りながら、道は更に下る。暑くなってきた。ここしばらく雨が降っていないらしく道はからから。崖崩れの跡もあり、太陽に照らされて熱くなった石からの熱が下からサウナのようにこみ上げてくる。村の水飲み場は必ず立ち寄り、顔と手を洗いタオルを濡らして首にかける。次の水飲み場に着く頃にはタオルはからからに乾いている。
 AM10:00SHIKAの村にはいる。立派な村だ。ロッジも村もたくさんある。AM10:30SHIKAの村を抜けた茶屋(1800m)で一休み。ミルクティーとジンジャーティーを頼む。ジンジャーティーは熱く辛い、胃が燃えてくる。12,3才の女の子が店を任されている様に見える。英語を話せるからか。

ガーラの集落
約30分休み、AM11:00出発。気温は更に上昇しているよう。更に下り続け、AM11:30GHALA集落にはいる。結構な密集地帯。ここを超えひたすら下る。崖崩れの跡の上を歩きながら"無事通してね"と祈る。太陽と石の照り返しの中、焼け焦げそうになりながら歩く。二人とも無言になる。これが下りで良かったと言い聞かせて頑張る。  そうこうしていると、やっと、PM0:30タトパニへ行く川の合流点に着く(1150m)。タトパニへ向かうパスへ行くには、吊り橋を二つ渡らなくてはならない。一つは短いが穴があいていて穴の上に石が置いてある。もう一つは、作りはましだが長く、下の川は汚くて深そうなので怖い。これらの橋の上には馬の糞があり、よけるのも怖かったが、糞をするほどの余裕があったとは馬にはあっぱれと思う。吊り橋を渡ると直ぐそこと思っていたが、なかなかタトパニの集落は見えなかった。
 粘土色の土の上を蒸発しそうになりながら20分ほど歩くと、やっと町の中にはいる。町にはいって直ぐのところにチェックポストがあるので、パーミッションを見せる。その後宿探しをしたが、なかなか良いのが無く、結局町の一番奥にあるナマステロッジに泊まることにした。ここに決めた最大のポイントは、hot springs の看板が出ていて、近くにありそうだったこと。ツーリストが多く宿泊していて、離れの方の部屋しか無くいまいちだった。しかし、疲れを癒やしてくれるには充分。まずはスタミナを付けようとランチを取ることにした。
 レストランでは、現地のポーター達が、オセロのような版を囲んで遊んでいる。一人は白のスーツにカンカン帽の伊達者。ヴェジ・フライドヌードルとヴェジ・フライドライス。野菜も多く、ソースの効き方など日本で食べる焼きそばとチャーハンに似ていておいしかった。またミルクティーは、暖めたたっぷりの牛乳にティーパックを入れたものだったが、ミルクが新鮮なのかほのかな甘みとこくがあり、チョムロンのキャプテンロッジに次いでおいしかった。
 食後は温泉にはいることにした。水着に着替え、ホテルのレストランを通り抜け、川に下り、5分ほど歩いたところにある温泉に行く。人工的に石で四角く囲みそこにお湯を引き入れている。お湯もよどんでいてきれいとは言えない。入浴料は5ルピー。人も多く人工的な感じで、川に足を入れ温泉に手を入れ・・と開放的な気分を味わえたJINUのhot springs とは大違い。興ざめする。でも、そこは温泉好きな日本人、気温が高く温泉に入る気分ではないのに、やっぱり入ってしまった。ぬるめで丁度いい。筋肉の疲れがほぐれていく。多少期待外れだったけどやっぱり温泉はいい。
 温泉に入ったり出たりしながらくつろぐ。夕方になり涼しくなると人が多くなる。真っ赤に日焼けし、ひげぼうぼうのオーストラリア人はまさに温泉で見るニホンザル。そのうち、ボスザルやらコザルやらいろいろなサルが入ってくる。こちらに向かって"こんにちは"と言ってくる人もいる。体はがりがりで、ひげに入れ墨に極めつけの黒いふんどし。見かけはとうていそう思えないが、日本人らしい。インド帰り。インドで肝炎にかかり苦労したらしいが、インドは大好き。アンナプルナ1週中でソロン峠をあっさり2日で越えた強者。しばらく話をした後、"ガンジャを吸ってくる"と言って去っていった。
 そうこうしていると、また日本語で声がかかってくる。今度ばかりはどう転んでも日本人ではない。恰幅が良く、彫りの深いインド系の顔に、黄色く長いターバンまで巻いている。彼はカトマンズ在住のネパール人で、ネパールダンスの師匠でもあり日本語学校の学生でもある。踊りのショーのために日本の津図浦々を回っている。オックスフォード大学で学んだこともあるエリートで、結局英語でいろいろ話したが、日本人の若者はストレス過多の生活を送って疲れているが、老人は明るいので大好きだと言っていた。彼はムスタン王国からタトパニに来たらしい。彼と一緒に旅をしているのは、5〜7才の3人の子連れのフランス人ドクター。カトマンズ在住で、そこで知り合ったフランス人女性と結婚し、子どもをもうけている。フランスに帰る前の記念にトレッキングをしている。5人の子供と共に来、2人はジョムソンからポカラへ飛行機で戻ったが、3人の子ども達は一緒に歩いている。抱いて歩いたこともあるが、ほとんど自分で歩いているとのこと。子ども達は、温泉の中でもあちこち動き回り、やんちゃ。髪も長く、ターザンの子役モーグルを思い出させる。これらの子どもを連れて歩くのはさぞ大変だろうが、子ども達にとってはこれ以上の楽しみはないだろう。帰ってからフランスの生活になじめるのか、養育費はどうするのか、という心配もしたが、将来が楽しみというのは言うまでもない。つくづく、色々なライフスタイルがあるものだと思う。
 温泉に入り、その横で洗濯及び体洗いをし、人と話をしながら、いつの間にか時間が過ぎていった。贅沢な時間だった。筋肉もほぐれ、疲れもとれ、これ以上いるとふやけそうなので、hot springs から出る。レストラン横の hot shower をただで使わせてもらう。一人がシャワーを浴びている間は、ミルクティーを飲む。さっき、hot springs で出会ったオーストラリアンの集団は、テーブルを囲み、凄いなまりで話している。飲み食いも豪快。キッチンを借りて半自炊の様子。
 二人一緒に部屋に戻り、いつものように場所を見つけて洗濯ひもを縛り付け、洗濯物を干す。一休みしてから夕食を取ることにする。ここのレストランは、川沿いにあり適度な風が吹いて、シャワーを浴びてさっぱりしたからだには心地よい。kenはカレー&ライス、kanaはチーズマカロニ。マカロニはかりかりチーズで変わっている。カレーは日本のレトルトかと思わせるほど日本で食べる味にそっくり。昼食と同様。ライスはお変わり自由だったので、二人でぱくぱく食べた。どこにいても、食べ放題に弱い二人である。いつの間にか、バナナケーキが出てくる。オーダーしたと考えられる人は、一人しかいない。昨日のアップルパイの味が忘れられずにオーダーしたに違いない、とkanaは思う。チョコレート味でちょっと甘いがいける。何故か私たちのテーブルのローソクの火がよく消えたが、風に吹かれながらの夕食は心地よかった。

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