Mountain Trekking編

第7日目('97.5.13)
タラパニからゴレパニへ

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 いつもより少しゆっくりでAM6:00起床。山は既に霞がかかっていて、かつ、逆光のためはっきり見えない。ただ、アンナプルナサウスとマチャプチャレだけははっきり見えた。フレンチとマルタスキンは既にテーブルについていた。女の子は一人しかいなかったので聞いてみると、もう一人はダウンして部屋で寝ていた。これからインドへ行くというが、果たしてもつのか。kenが漢方胃腸薬を渡すと、フレンチは"Chinese medicine is good."と絶賛していた。フレンチとマルタスキンは、ホットシャワーが使えるようになるまで1時間待つと言っていた。朝食は、チベッタンブレッドとチーズオムレツそしてミルクティーで軽く済ませた。ゴレパニで会おうといって、AM8:00に出発した。



タラパニ付近の道

 今日の予定は、高度2700mのタラパニから一気に谷間へ下りまた登るもの。まずは、400m下り、谷底の吊り橋を渡り、向かいの坂を400m登り、尾根上に立つ。尾根上に立ったのはAM9:00頃。そこからは、尾根上の崖っぷちを行く。生命力の豊かな木々の間を行く。一度倒れ、地面についた地点から更に太く生えている木もある。ダンスをしているようでもあり、今にも動きそうで気味が悪いという感じもある。途中、ガイド付き日本人若男性にすれ違う。髪を振り乱しへとへとのよう。ファイトッ!
 やがて下って2500mのバンタンティへ。バンタンティから川沿いにひたすら登っていく。川は澄んでいて冷たい。思わず水浴びをしたくなる。時に滝もあり、周りの木々と調和して、涼やかな景観を見せる。川に沿って300m登った。すると、シンガポールと書いた大きな袋をもったポーター達の集団が駆け足で下ってくる。どの荷物も身の丈以上。その迫力とパワーに呆気にとられていると、必要最低限の荷物(貴重品とカメラという感じ)を持った、高校生ぐらいのシンガーポール人が次から次へと下ってくる。4〜50人はいたと思われる。疲れ果てている人たちもいて、降りるのに時間がかかる。細い道で待っている私たちには暑さが身にしみたが、修学旅行なのか、カメラ片手に楽しんでいるようだった。そんな彼らとすれ違いながら、汗みどろになりながらひたすら進んでいった。
 やがて、AM10:30、谷をひとしきり登り切ったところで一軒の茶店に到着(2700m)。デューレリと書いてある。ここはデューレリの一番下で、本当の町はもう少し上にある。2m位の高さの木に、大きな赤い花が咲いている。椿のようにも見える。ネパールの国花らしい。それが、茶屋を囲んでいて美しい。その時気付かなかったが、その花はツツジだったようだ。日本の違うのでわかりにくかった。ここでミルクティーを飲み、15分休憩後、再び上へ登る。15分後デューレリの町に到着。高度3000m。ここにもシンガポール人らしい集団とそのポーターが休憩している。かなりの団体のよう。先程であった集団の第2団か。そんな彼らを見ながら、デューレリの分岐点をゴレパニの方へ取り、再び山の中へ登っていく。約30分ほど歩いただろうか、高度3100mに達し、突如林と雲の間からダウラギリが見えるようになった。アンナプルナで見たように高い山並が連なっているのではなく、中程度の山々の中に形美しいダウラギリがどっしりと立っているという感じ。頂上は雲に覆われているが、こんな美しい山を見ながらのトレッキングは非常に心地よい。パノラマロードとでも呼ぼうか。
 そうして歩を進めていたが、林を抜けると、360度山々を見渡せる展望台についた。バックパックを置き休もうとすると、展望台の上に体が白く顔だけ黒い小柄なサルがいる。kana親しげに近づき、やはり"ウィー アー ジャパニーズツーリスト"なので写真を撮ろうとしたが、あっさり逃げられる。結局、サルをどかした形になってその場所を陣取りゆっくりと周りを眺めた。真北の方角にはアンアプルナ、東にはマチャプチャレ、西にはダウラギリ、眼下にゴレパニの集落、背後にプーンヒル、後ろを振り返ると遙かポカラまで続く山、山、山であった。アンナプルナベースキャンプまで行かず、比較的簡単に最高の景色を見られるのは、このコースだと思う。

ダウラギリ
  30分ほどここで景色を楽しんだ後、ゴレパニの村へ向かって下り始めた。ゴレパニは2900m位だからほんの200mほど下るだけなのに道はどんどん下っていく。やがて、村は目の高さになり、真上になった。下るだけと思っていたが、もう一回谷を越え山を登らなくてはならないのだ。結局、400m下り、200m登る羽目になった。村の入り口に、ABCで会ったオーストラリアンに教えてもらったSEE YOU ゲストハウスがある。アップルパイがおいしいとのことだったが、ここは村の一番下であり、明日のプーンヒルの登りは楽ではない。よだれ滴るkenに思いを断ち切らせ、腕を引っ張って前へ進む。10分ほど進むとにぎやかな村の中心に出る。ここにチェックポストがあったので、パーミッションを見せる。私たちの前にはイスラエル人カップルがいた。彼らは、チェック後、他のイスラエル人らと同様、片っ端から宿探しをしていた。彼らの宿探しへの情熱はすごい。


見晴らしのよい展望台
 ゴレパニは、ポカラ〜ガンドルン〜タトパニを結ぶトレッキングの中心の峠であり、プーンヒルという比較的手軽に山を眺められる観光ポイントもあって、かなりにぎやか、と言うよりは騒がしい。祭りでもありそうな喧噪だった。宿をいくつかみながらプーンヒルの方向へ向かって更に5分ほど登っていくと、SKY VIEW LODGEにたどり着く。気むずかしいのか人がよいのか判らないおじさんが出てきて泊まるように勧めた。名前通り高台にあり、眺望が素晴らしい。雲がなければ山々を見渡すことが出来る。角の景色の良い部屋を見せてくれ、気に入り、100ルピーと高かったが、ゴレパニは全て同じということだったので、ここに泊まることにした。ただ、このホテル、立地条件も良く、内装もきれいだが、何せ立て付けが非常に悪い。今にも2階の床が抜けそうで、風で揺れていた。
 荷物をおくと、泥と汗にまみれ汚かったので、シャワーを浴びることにした。ホットシャワーはお金がかかると聞き、水シャワーにはいることにした。日中は熱かったが、日が沈むと山の上にあるため寒い。余程お金に困っていると見えたのか、kanaの笑顔が良かったのか、そのオーナー(さっきのおじさん)は、他の人に内緒でホットシャワーを使いなさい、といってくれた。お湯を節約して入ったが、お陰で風邪をひかずにすんだ。シャワーを浴びた後、ミルクティー、チベッタンブレッドを頼み、持ってきた缶詰を挟んで食べた。外にあるテーブルで心地よい風に吹かれ、時折雲間から垣間見られるダウラギリを見ながら、この日記を書いた。いつの間にか、チェックポストで出会い、必死に宿探しをしていたイスラエル人もこの宿に来ていた。私たちの目は正しかったようだ。
 そうしていると、タラパニで出会ったフレンチ&マルタスキンが宿を探してここへもやってきた。汗だくである。フレンチが部屋をチェックしたが、おじさんと気があわず、最後には口論のようになり、"He is bad attitude. "という捨てぜりふを残して出ていった。おじさんは、"He speaks too much. "といい、kenも、"Because he is French. "とフランス人に対して失礼なことを言った。しかし、kanaもその考えに洗脳されているため、同意した。マルタ君も仕方なく後からついていった。明日の朝には会えるだろう。オランダガールズは、もう一人の女の子の病状が回復せず、そこに残してきたらしい。

 一旦中に入ったが、再び外に出て書き始める。すると、今度は、目の前に座っていたカップルと話し始めることになった。彼らはL.A.から来ていて、スペイン語教師&デザイナー。ポーター連れで、ジョムソンまで飛行機で来、そこから下ってきて今日ゴレパニについたとのこと。これからガンドルンへ行くとのことだが、既に疲れたといい、疲れるのは嫌いだといっていたので、果たして無事着けるであろうかと心配した。疲れるのが嫌いとはアメリカ人らしいとkenは言い、マインドコントロールされたkanaも同意した。でも、トップ・オブ・ザ・ワールドの、広いアメリカから外国へ来たというのは凄い。インドへ行くといっていた。私たちがこの後タイそしてアメリカへ行くという話をすると、ヨセミテではホテルを予約することを勧めてくれた。シーズンなので泊まれない可能性もあるとのこと。good infomationだ。その後、少し上まで登って、翌朝行くプーンヒルのルートを下見した。原っぱでは、黒い山羊を囲んで10数人の人々が何かしていた。いけにえの儀式かとゾッとし近くに寄れなかったが、その後山羊は無事に帰ってきた。ネパールでは山羊のいけにえが今だに行われているが、人々は、捧げられた山羊は、来世に、より高い地位に生まれ変わると信じているため、残酷とは思っていないらしい。

 帰ってきてから食事をとる。kenはマカロニ、kanaはフライドヌードル。kenは、ABCでマカロニを食べて以来気に入っている。ここのは、香辛料特にニンニクが利いて、かつ、具がたっぷりでおいしかった。食後に、おじさんにアップルパイを勧められ、ホットシャワーのこともあるので注文した。カスタードが少し粉っぽかったが、リンゴの酸味とシナモンが利いていて、かつボリュームもありおいしかった。あまりにおいしくて、勢いよく食べすぎたので、少し休憩して最後の一口を楽しみにしていると、おじさんが心配そうにのぞき込む。私達が"good."というと、余程嬉しかったのか、腕を腰に回し口笛を吹いて歩いていった。
  その後、いつものように、暗闇の中懐中電灯を持って外に出て歯を磨き、星を見た。おじさんが、"寝袋は持っているか。"と聞き、"うん"と答えると、"それは質の良い寝袋か。"と聞いてきて、"寒いから毛布を持って行きなさい"と言って渡してくれた。久々の毛布は有り難かった。おじさんは優しかった。この立て付けでも、来年までちゃんと残っていることを祈る。町の方からにぎやかな歌声が聞こえた。祭りかそれともいけにえ・・・?


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