<1/100 MG リック・ディアス制作記 >
9.2 頭部を更新
8.15 フロントアーマーをUP
8.7 太ももをUP
7.31 スネを更新
7.5 腰をUP
5.18 足首をUP
5.8 スネを更新
5.2 前腕を更新。スネをUP
4.29 頭部を更新。肩をUP
4.24 制作開始:頭部、前腕をUP
<始めに>
リック・ディアスと言えば、数あるMSの中でも特に「立体化が難しいMS」であるというのが俺の持論だ。
まず、当時描かれた画稿で俺の手元にあるものとしては、
・初期稿(永野)
・前面パース(永野)
・背面パース(永野)
・スーパーディティール画(永野)
・頭部、武器、手などの細部画(永野)
・モデルグラフィックス(以下「モデグラ」と表記)誌 ’85年月号掲載のプラモディティールアップ用解説画稿(永野)=別冊「プロジェクトZ」に再録
・上方パース(前・背)、腕、脚(ややこしいことに、これらは藤田一己画)
が挙げられる。
ハッキリ言って永野護の当時の画力にも問題はあると思うが、どのパーツをとっても解釈が困難で、しかも画稿によって形状、バランスが異なっている部分も多く、その上に既存MSと形状の似た部分が皆無であるという、モデラーにとっては正に鬼門なMSである。
また、前面パースに見られる、「重MSだけど、決して肥えている訳でも大柄な訳でもない」バランスと、スーパーディティール画での重量感タップリの背面の両方を、いかに模型上で再現できるかが腕の見せ所となるだろう。
では、模型作例の歴史ではいかにこの難物MSに取り組んできたかというと、実は作例として登場した回数に比して、完成度の高い作例はほとんど無いというのが現状であったりする。
私見でその「見るべきものがある」作例を挙げていくと、
・モデグラ(掲載号確認できず。後報)の中沢博之作、1/100 リック・ディアス(プロジェクトZに再録)
・モデグラ88年4月号、葉山貴之による、ヒストリー・メーカーズ 1/100 シュツルム・ディアス
・モデグラ(掲載号確認できず。後報)の、1/144 HGUC リック・ディアス改造 シュツルム・ディアス
くらいだ。うわ、全部モデグラだ。
上記以外の作例でも良く出来ているものはもちろん沢山あるのだが、前記したようなこの難物MSの立体化に永野稿を準拠枠として挑み、結果的に成功したのは、俺の知る限りではこの3つだけ。その中でも、葉山作のシュツルム・ディアスはいまだに最高峰であると言っても過言ではないだろう。
そういえば、B−CLUBからも1/100と1/144でレジンキットが発売されていて、どちらもまあそれなりの出来ではあったのだが、正直作家性や永野画への接近度としては物足りない感は否めなかった。
<キットについて>
以前に当サイトの日記でクドクド書いたのだが、このMGキットでは先行したHGUCの反省を踏まえて、開発画稿にはカトキハジメによるかなり踏み込んだコメントが書かれているにも拘らず、いざ当のキットを見るとビックリするほどそれが反映されていない。と言っても別に犯人探しや開発者の糾弾をするつもりは毛頭なくて、まあそれくらい難しいMSだということなのだ。
で、素組みしてみると、実にスマートで「分かりやすい」格好良さを持ったキットであるので、これはこれで良いかとも思っていたのだが、ある時知人がウチに来た際、彼はその素組みを見てやはり、「格好良いねー。このキット出来が良いねー」とのたまったのだ。そうなるとへそ曲りな俺としては、「君は何も分かっとらん。このキットはココもアソコもとにかく解釈間違いばかりで、とても褒められたもんじゃない。リファインとしては大失敗なのだ」と言いたくなってしまうのだな。
それではということで、しばらくの間キットを弄んで改修箇所や方法について模索していたのがようやく方針が固まったので、この度制作を開始しましたという次第。
俺としては常々、「HOW TO BUILD GUNDAM 2」における、小田雅弘氏の1/144
ジオング作例に見られるアプローチに憧れていたこともあって、このページにて、「ジックリと対象を突き詰める」面白さを皆様に紹介できれば、と思う。自分の腕の拙さは棚に上げて。とは言うものの、画稿を読み解く能力についてはそれなりに自信が無い訳ではないので、このアプローチを模型批評の方法論の一つとして楽しんでいただけると幸いである。
最後に付け加えると、キットを完全否定してしまうと結局スクラッチした方が早いということになってしまうので、あくまで「実制作によるキットの批評を目的とし、永野画稿を準拠枠としながらもキットを活かす部分は活かす、MGのキットをより深く楽しむための制作である」ということは分かって欲しい。今回も制作期間は長くなるよ。
<制作編>
<頭部>
('05.4.24)
キットでは前から見たときに左右が膨らんでいるが、ここはゲッソリと抉りこまれるのが正しい。よって、パテで裏打ちした後にモーターツールで削り倒す。上の写真は、とりあえず荒削りしてみた状態。
頭頂部カバーは、穴の部分がなぜか台形になっているので長方形に直す。本来は、スリムな頭部と無骨なカバーの対照的な組み合わせが映えるデザインなのだ。
('05.4.29)
横から見るとこんな感じ。ラインが切り替わる部分の頂点をキットより低くして、スムーズかつシャープに。
あと、カバーの後端もキットでは後ろに倒れ気味なので、削り込んで直角に近くしてやる。
('05.9.2)
キットではモノアイが大きすぎて顔つきがイメージと違う。測ってみたらキットのパーツは直径6ミリだったので、5ミリのLEDの先を切り取って付けてみた。これでイイ感じになったと思う。
しかしこれをやると、新しく作ったモノアイに+モールドを彫るという作業を強いられてしまう。俺はこういう作業が苦手な上に、当然クリアーパーツなので失敗したらやり直しが効かない。不安だ。
<肩>
('05.4.29)
スラスター部分は、キットでは「肩アーマーの中から出ている」解釈だが、ここはハッキリと分離しておりアーマーから浮いた位置にスラスターが付くのが本当。
で、とりあえずスラスターを切り離す。4つもあるので面倒くさい。アーマーはご存知の通り変な位置に分割線があるので、これもしっかり消してやらないと。
<前腕>
('05.4.24)
袖口外側がなぜか下に行くほど広がっているので、裏打ちしてから一直線になるように削り込む。また○モールドはキットではスジ彫りだが、ここは凹になるのが正しい。パイプが付く側も、キットはグニャグニャしたラインで変なので、ここも直線的に処理。前腕自体は、案外シンプルな形状なのだ。
('05.5.2)
ひじ関節部は、キットでは可動優先で形状が改変されている。今回は固定ポーズでいくので、旧設定画(この部分は永野画稿がないので、藤田画稿に準じるしかない)に沿った解釈に変更。ついでにボックス部の変な段差やエッジも無くしてしまう。
<腰>
('05.7.5)
ココが難問。
まずチ○コカバーの横幅が足りない。あと、下端はチョロっと下にはみ出るのがチャームポイントなので、そのように直す。ついでに上部も削ったりで微妙にライン修正。キットではスリムでシャープな感じだが、もっと泥臭くもったりさせたいところ。
そして腰にあたる部分。キットは明らかに面取りの解釈がおかしい。しかし永野画もかなり不可解なので大苦戦中。誰か助けてくれ。
フロントアーマーの取付け方がイマイチ格好悪いので、ココも埋めてしまい、後でまた考えることに。
<フロントアーマー>
('05.8.15)
大型化&厚みUPの方向にイジってる人が多いようだが、俺は逆に小型化する。当時の設定画を見るに意外なほど小さいのだ。それが単なる重MSらしからぬ軽快さを演出している……ような気がする。
上写真でいうところの上部は斜めの角度を強くして、腰部分にフィットするようにする。また、下部分は緩やかな弧を描くのが正しい。更にキットのままではサイド&下部のフチの角度が寝過ぎなので、より直角に近くなるようにする。
<太もも>
('05.8.7)
今風の解釈というやつか可動範囲確保のためか(実際ヒザは良く曲がる)、ヒザ関節がムーバブル・フレーム的処理になっている。ここが俺的ディアスのイメージと合わずちょっと気に入らなかったので、旧キットのようにモノコック構造っぽく退化させる。といってもフレームが入る部分を埋めて、下端の妙に複雑なカットでカクカクした部分をスムーズにならしてやるだけだけど。
ついでに、キットではパーツの継ぎ目をごまかすために中央部が軽く段になっているので、ここも削ってツライチにしてしまう。
太ももの形状自体は特に気になる部分は無かった。というか、完成時にはあまり目立たない部分なので、ムキになって手を入れる気も無いのだ。
<スネ>
('05.5.2)
ここはリック・ディアスのキモとなる部分なので、工作は大変だがもうやるしかない。
まず、スソの部分を大幅にカット。特に外側はキットのように単純ではなく、何とも難しい角度が付く。次にヒザに変な角度が付いているので、垂直になるようにパテを盛る。更にスネ前部のアーマーの角度が倒れ過ぎなので、グッと前に突き出すように。
ここまでが工作の第一段階。まだまだやることは多い。
('05.5.8)
第二段階。前装甲の角度を決めて隙間を埋める。そして大工事、後面がキットでは角ばってるので丸みをつける。ついでに内側の膨らんでる部分のラインもツライチにしてしまう。一番下の断面図を見てもらうと分かりやすいと思う。 最初はパテ盛りだけで処理しようとしたが、後ろに長くなりすぎてしまい大失敗。盛る部分は最低限に抑えて、ひたすら削り込むことで丸くする方向に変更した。モーターツールでガリガリやった後に、100番の超荒い布ヤスリで面を出していく。この傷だらけの部品を表面処理することを考えると頭が痛いよ。
('05.7.31)
イジリすぎて自分でも訳が分からなくなってきたので、スソの断面を作ってから全面パーパーがけ。サフを吹いて様子を見てみることにした。上下が大幅に短縮され、前後のボリュームがUPしている。差が分かり易いよう、写真映りを考慮して比較対照もクワトロ版の赤整形パーツに交替。
上面(太ももの付く辺りのこと)にあるエッジも削り落として丸くしている。
3つ目の写真。キットではひざ裏のムーバブル・フレームが収まる部分に切り欠きがあるが、ここも埋めてしまう。全体的にいかにも鋳造であるという塊っぽい一体感のある造形にしたいところだが。
<足首>
('05.5.18)
キットのはとにかくデカイ。デカすぎるのでまずは前半分をイジる。つま先をざっくりカットしたら、先細りになるように左右幅を詰める。後部と接する面の幅・角度は変えないように注意しつつすり合わせをしたら接着。その後に地面に接する面を数ミリカットして上下高も減らす。
しかしこれをやったがために、足の裏は完全に自作することを強いられてしまう。どうしよか……。
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