bP08
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調(+The Noonday Witch)
クラウディオ・アバド指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(SONY)
DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN
「REPORT FROM IRON MOUNTAIN 」(P-VINE)
いやいや、すっかり更新が滞ってしもうた。
しかしまあ、KDMがHPを開設してから数えてすでに2年半以上経過しちゃいました。
KDMのHP開設以前からネットで緩やかに結びつき始める音楽ファンという形はあったわけですが、当時はネットと音楽生活が「日常」としてある現在とは少々肌触りが異なっていました。社会一般として、みたいなことは置いといて、ここで語るのは音楽ファンのことです。(誤解せんでくだされや)
インターネットが徐々に浸透してきて、グングンとユーザーを増やしているような時期の音楽ファンは元気でした。それまで一部のジャーナリストやクソみたいな評論家たちだけのものだった、「音楽を聴いて何かを語る」という行為をHPや掲示板でそれこそ初心者から胡散臭いマニアまでが連日連夜繰り広げていました。どこへ行っても喧々諤々の議論や企画の意欲みたいなものが見られたものです。
しかし、最近はかなり雰囲気が変わりました。それは最終的には自立した(あるいは自立すべき)個人があるだけだ、みたいな普通のことをよきにつけ悪しきにつけ確認し合ったからだと思っています。
結局嫌な奴は嫌だし、気持ちのいい言動はやっぱり好まれるというようなことは、ネットというツールや仮想現実とかいう議論では乗り越えられないということがわかった。クラシックファンは友達少ないし暗いし臭いし偉そうだし(笑)、ネットというツールで結びついてようやく同好の士を見つけてかなりはしゃいでいたんだと思うんですよね。それが、やっぱりそういう奴は嫌われるし、嫌われ者同士集まってまた傷つけあったりしちゃってて、別に実生活とあんまり変わんないんだってことを理解して、ネット上でも根暗になっている気がします。
まあ、KDMの印象をいえば、ネットを通してはしゃいだ音楽ファンがやっていたことは、通な音楽ファンは貶すと相場が決まっている(^^;)レコ芸とかでやってることを延々と再生産してたわけで、そういうのはもはや現在ほとんど意味が無くなってるんじゃないでしょうか。
むしろネットを通してすごい数の趣味嗜好、考え方、楽しみ方、けなし方が解き放たれて、常識とか通念とか世評とかもなし崩しでへべれけになってしまいました。そういうものに頼ってきた人間は少々途方にくれているのではないかとさえ思う今日この頃です。アンチ何々、という在り方も含めて。
でもKDMは現状が嫌いじゃないです。「昔はよかった」的なことはほとんど考えません。無意味だし、同じ常識がずっと通用すると思い込んでいるような人とそれを是とする状況で生きていてもつまらないだけです。常識とか通念とか世評とかが崩れるということは、戦略が立たないとか想像もつかないということとほぼ同義で、それはとてもしんどいことですが、全部想像できてしまうより遥かに面白いです。
正直、「音楽」はいろんなことがやり尽くされていて、現在では幻想の体現者としてのアーティストの存在がもう意味を失っています。音楽において、聴き手の意識がこれほどまでに重要視されている時代はありませんでした。もはや「さあさあ、バイロイトの第九です。みなさん感動しましょう。いっせーのせっ!」みたいなことは無理だってことです。
閑話休題。
ここのところ、KDMのHPもかなり趣が変わってきてます。初期の「尖ったとこ」がなくなってきてます。尖ってやろうとは思うんですが、方向が、敵が見えないんですよね。それでも、やはり尖ってる人間は面白いので、尖る意欲みたいなもんは最近改めて発生してきつつあるんですわ。
更新再開記念で、ちょっとだけ尖ります(笑)
アバドをけなす奴!ちゃんと音楽を聴けや、と言いたい。ベルリンフィルの監督になったあたりから、アバドは聴き手に対して集中力を必要とする音楽を作っています。それが現場レベルでどのような作業の結果生まれるのかはちょっとわかりませんが、アバドはものすごく刺激的な音楽をやっています。
今日、ちょっとドヴォルザーク気分になってアバドのCDを聴いていたんですが、すんごいです。聴き手として積極的になることができるかどうかをアバド指揮するCDは試しますね。当然ですがCDを鬼のように収集するとか、そういう積極性じゃないですよ。
無論ですが、集中力や積極性は結構訓練が必要な場合があります。KDMはいろんなジャンルを意識的に聴くことで積んだ経験値でアバドのすごさも最近身に染みてきました。
いろんなジャンルというか、一人の音楽家、あるいは音楽集団が持つポテンシャルの高さは多様な技巧と知識によって支えられることを再確認したという意味で、DCPRGのアルバムは聴き応えがあります。菊地成孔、大友良英などの超豪華メンバーが揃っているバンドですが、各個人の活動をフォローしている人間としては、彼らの演奏家としての抽斗の多さと質の高さには感服しきりでございます。
メンバーのクレジットから予想したものより、遥かにストレートアヘッドで楽しめる内容でしたが、大友良英は言うに及ばず、菊地成孔さんの東京ザヴィヌルバッハ、スパンクハッピーなどの活動を知っていると更に興奮します。
久々の更新ですが、KDMの音楽的日常とは、こういう感じです。やっぱ、尖るなら日常的に尖らにゃ〜〜
ワイ、もっと更新がんばるだ!
(2002.10.29)