ワーグナー:「AN ORCHESTRAL ADVENTURE」

  エト・デ・ワールト 指揮 NETHERLANDS RADIO PHILHARMONIC(RCA VICTER)

マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調

  ユッカ・ペッカ・サラステ 指揮 フィンランド放送交響楽団(Virgin)

ジミー・スミス:「ザ・キャット」(VERVE)

ローランド・カーク:「リーズ&ディーズ」、「ローランド・カーク・カルテットmeetsザ・ベニー・ゴルソン・オーケストラ」(MERCURY)

ハンク・モブレー:「ディッピン」(BLUE NOTE)

 

いやー、W杯が終わって、今日からJリーグも再開するというような時期になっちゃいましたね。サッカーというのはボールはひとつですが、常に22人がそれぞれの意図と戦略・戦術のもとに動いており、また個人対個人の細かな機微もあり、ベンチの動きも重要といった具合に、単位時間あたりの情報量がとても多いスポーツです。サッカーを骨まで楽しみ尽くしたい人間にとっては、観る者であっても90分間集中力がいります。

というわけで、W杯の最中は音楽もまともに聴く気にならず、この頃ようやく音楽生活がもとの調子に戻りつつあるという感じなのです。

 

で、ここのところ気に入って聴いているCDを紹介せんや、と思います。

 

まずワールトとオランダ放響(でいいんですよね?ネーデルラントだし・・・)のワーグナー作品。とはいっても楽劇から見せ場を抜粋してきて編曲したもので、いいとこ取りしつつサクサク進行していくディスクになってますね。リング、トリスタンとイゾルデ、パルジファルといったシリーズがあります。

ジャケットがもうデカダンスっぷりK点越えで、ロックのアルバムでももっとマシなんじゃねえかというくらいなもんです。クラシック売り場がこういうジャケットで埋め尽くされたらさぞかし壮観でしょう。(本気)

ワールトも後述するサラステも、ここのHPによくいらしていただくしょうごさんなども注目しておられますね。実力の割には不遇を囲っている類のマエストロということになるんでしょうか。KDMもふとしたことで本格的に興味が沸いて、最近いくつか聴いたんですが両人ともすんげー実力者です。

KDMが音楽家を量るときの重要なポイント、すなわち「現代音楽を主要レパートリーとして持っているか」という点でも申し分なし。

ワールトはKDMお気に入りのハイティンクを、音楽性と知識、感性を一世代ほど若くしたって感じなんですかね。でもまあもう60歳超えてますが。演奏のどこを切り取っても、過不足というものがありません。これは過剰であることよりもずっと卓越した才能が必要で、その過不足なさを表出しえる才能の大きさというのは充分すぎるほど過剰なもんなんですな。聴いているとオーケストラともども、「HEY!YO!いい仕事してるNE〜!」という充実感でいっぱいです。シドニー響との録音がいくつか出ているようなので、今度入手してみるつもりっす。

 

サラステはサロネンの盟友としてカッコイイプロジェクトを推進してきたヒゲ男。ヒゲの分だけ(?)サロネンよりもガッチリした音楽作りをしてます。この人もプロコフィエフやムソルグスキーでちょっと変なことやったり、面白い人ですね。

中古でお安かったこのマーラーも響きに透明感を持ちつつ(北欧的?)、推進力を持っていていい感じ。金管の強奏部分の力感はサロネンよりも直截にプリッと出てくるのでかえってとっつき易いかもしれません。とくに弦と木管に顕著な北欧のオケっぽい清貧な質感(ステロタイプな発想ですが)と、金管群が表出する力感が同時に体験できて、これはなかなかどうして面白い演奏になってるですよ。シベリウス、ニールセンもぜひ聴いてみたくなりました。この音で不滅とかシベ1とか聴きてえです。チャイコフスキーとかやってもなかなか面白いもんになるんじゃないかな〜。CDは出ないだろうけど・・・。

 

ジミー・スミスはジャズ・オルガンの代名詞みたいな人ッスね。ちょっとハモンド・オルガンの音に飢えていたので購入してみました。ノリノリファンキー!俺っちみたいなファッキンイエローモンキーでもケツ振って踊りだしちゃう。ハモンドオルガンは最高です。

 

ローランド・カークは半額セールの棚から発掘したもの。マンゼロとテナーサックスを一緒にくわえてガボーと鳴らしてしまう見た目変な人なんですが、出てくる音楽はすばらしいですね。この二枚もフォーマット自体はオーソドックスな感じのモダンジャズですが、カークが吹くとエネルギーみたいなもんが塊でズンとくるんです。結果として過激っていう。ちょっと風変わりな演奏スタイルも、出てくる音を聴くとかえって説得力感じちゃったりします。

 

ハンク・モブレーのはもう快楽原則だけで構成されてるみたいなご機嫌ファンキーアルバムですな。これは誰が聴いても楽しい気分になれるんじゃないかな、と。モブレーのテナーとリー・モーガンのペットの音の対比もなかなかいいアクセントになってます。

 

(2002.7.13)

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