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武満徹:夢の時
細川俊夫:オーケストラのための《遠景U》
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68
高関健 指揮 群馬交響楽団(ALM・コジマ録音)
最近、KAIROSレーベルから高関健指揮ベルリン・ドイツ交響楽団の演奏を含む細川俊夫作品集が発売されました。サックスとオケのための曲などすごくお気に入り。
このシリーズはギーレン指揮のラッヘンマンやカンブルラン指揮のグリゼイなどなど錚々たるラインナップを誇るもので、KDMも注目しています。
で、加えて興味をそそるのが高関健の存在です。細川俊夫作品の録音が多いことは知ってましたが、最近彼のことが気になって仕方がなかったんですわ。惜しむべきことに聴き逃してしまったんですが、都響とシェーンベルグを集めた定期をやったり、群馬交響楽団や大阪センチュリー響を指揮して現代音楽を巧みにプログラミングしていること、ブルックナーの演奏が絶賛されていること、ノーノに誉められてることなど、情報だけでKDMのツボをくすぐり続けていた存在なんですわい。
細川俊夫作品集に続き、好奇心に耐えかねてのCD購入です。こ、これはイイ!!
何気に、群馬交響楽団っていう団体は日本でも2番目か3番目くらいに歴史のあるオケらしいです。ライヴ録音なんですが、ライヴということも考慮に入れればN響あたりよりも安定しているように感じます。上手い。
武満、細川、ブラームスという、コジマ録音的にも「オケもの進出の顔見せ」っぽいごった煮CDですが、ロマン派ポピュラーレパートリーと現代曲あるいはマイナー曲を組み合わせる方針は、ライヴ、CD問わず好きです。もっとやるべきですね。しかもこのCD、どれもめっちゃ演奏レベル高し!!
1981年作の武満作品は、晩年の優しい曲風と70年代の硬質な美との中間に位置しているような感じ。演奏も曖昧な音響で誤魔化さないでちゃんと集中してやってます。武満作品はドビュッシーなどと同じでそういう細部の徹底こそが抽象的な美しさを保証するんだと思います。まあ、なんでもそうですが。
細川作品はKAIROSの作品集にも収録された曲です。群馬交響楽団創立50周年記念の委嘱作品。「梵鐘形式」という発想で書かれた曲だそうです。日本的ミニマリズムのバリエーションとして聴くのは邪道ッスかね?「ミニマルじゃないやんけ!」というミニマル発想。そういやアルヴォ・ペルトも鐘云々の書法を実践していましたが、細川作品はもう少し複雑な感じです。だれずに、最後まで飽きることなく聴けます。作曲家にとって、緊張感を維持するものを作るのって難しいんでしょうね〜。形式感やライトモティーフだけでなんとかなるもんでもないし。
んで、ブラ1。ブラームスの1番ってKDM的にあまり燃える曲じゃないんですが、こういう演奏なら大歓迎ですわ。終楽章コーダにしっかりと頂点を設定してオケをコントロールしきってます。リハで細部をきちんと詰めてあるんでしょう、そのおかげでコーダでのエンジン全開モードのときにオケが余裕を持って対応できてます。
ブラームスに限らず、見事にオケを訓練しているし、オケも高いレベルでそれに応えています。日本の指揮者、日本のオケの組み合わせでKDMが聴いたCDのなかでも出色の出来です、これ。最高。
何処かで誰かが「熱いだけの音楽を聴きたい人じゃないなら、高関健のことを気に入るはず」という発言をしていたように記憶しているんですが、宣なる哉!こんな真摯に音楽に向き合う指揮者はなかなかいないッスよ!
21世紀の日本の楽壇は彼のような音楽家が牽引するものであってほしいと真剣に思いました。朝比奈隆的巨匠(それは同時に保守性の中心としても機能しうる)でもなく、コバケン的カリスマ(朝比奈的巨匠と同時に展開することで保守性を補完する)でもない。
こういう言い方が適当かどうかはまだ判断しきれませんが、ラトルがバーミンガム市響などと展開した活動と似たような存在感を高関さんからは感じます。2002年の地方オーケストラフェスティバルでは群馬交響楽団とベリオ「シンフォニア」、マーラー交響曲第4番という曲目を披露するようです。これはラトルとベルリン・フィルが演奏したプログラミングと同じですね。
うーん、高関健!これから本格的に追ってみます。
(2002.2.11)