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ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調op.10
ラヴェル:弦楽四重奏曲へ長調
ケラー弦楽四重奏団(WARNER)
ヒンデミット:室内音楽集
Markus Stenz指揮 アンサンブル・モデルン(BMG)
ディスタンス、距離という言葉は武満徹さんなんかが曲名に好んで用いる言葉ですが、KDMも何故か引かれる言葉です。一般にスタンスとか呼ばれる、その人の感性とか趣味とか態度とか姿勢とか、そういった諸々の距離によって個性みたいなものが判別されているわけですが、そういう「個」性は他者のスタンスとの距離感であるということもできます。
聴き手同士の距離、演奏家同士の距離、聴き手と演奏家の距離、作曲者と演奏家の距離、作曲者と聴き手の距離、作曲者同士の距離・・・とまあいくらでもそれぞれの立場のスタンス間のギャップ(=ディスタンス?)が発生するわけですが、もうそりゃあ「こいつらのスタンスはたまらんッス!」という間柄というのは幸福なものです。
聴き手にとって幸福なのは、演奏を批判して優越感に浸ることではなく、共感出来る彼我の距離を持つ音楽と多く出会うこと、見付けることです。「ドホナーニよりクルト・ザンデルリンクとかの方が上だよね」とか言われたことありますが、「ぷ(ワラ」てな感じでしたね。そんなくだらねえ上下関係で音楽を聴く奴の気が知れないゼー。
それはともかく、今回取り上げたのは、そんな幸福な距離をKDMが感じるアーティストたちです。
突然ですが、ワーナー!あんた方は偉い!
輸入盤でも入手できなくなっていたケラー四重奏団のラヴェル&ドビュッシーを1000円なんてゆー破格で再発してくれるんだから、全国の貧乏人に代りまして、感謝するぜマジで!
ケラー四重奏団はECMから出たバッハ「フーガの技法」を聴いて以来、レパートリーといい演奏といいKDMが幸福な距離を感じる団体のひとつです。音が豪華すぎず、どこか素朴な感じとでも言えばいいのかなあ???でも超絶技巧集団っていう・・・。まあ室内楽にはそんなに拘りもなく、情報もそんなに多いわけではないKDMですが、イザイ、ハーゲンと並んで最もお気に入りの弦楽四重奏団なんす。フンガロトンに「ます」とかの録音があるらしいが、ECMとかでも再録音して欲しいぞ!!
アンサンブル・モデルンは几帳面な感じが好き。エトヴェシュとのベートーヴェンではかなりバギバギいわしてたが(話によると、小編成のオケとホールとPA音響のコラボみたいなものを模索したとかしないとか。興味はあるが、CDからだといまいちよく分からん)、そこでもやっぱり几帳面に全部の音を鳴らしましょみたいな意図は感じられた。ジョン・ケージとかハイナー・ゲッベルスとかバリバリの現代音楽を演奏してもそういう傾向あって、「なんか可愛い(はぁと)」みたいな。・・・それじゃ変態か。
ヒンデミットの室内音楽集ってアバドとかシャイーとか現代音楽好きには興味をそそられるレパートリーみたいですねぇ。なんかディスコグラフィーがやたら豪華です。実際、KDMはアンサンブル・モデルンのCD収集の一環としてこの曲集をはじめて聴くことになったんですが、こりゃおもしれえです。サイレンとか鳴っちゃったりして、かっこいい。7番のオルガンなんてほんとに鼻血もんだ!
アンサンブル・モデルンの面々はともかく書いてある音符はあやまたずきっちりと鳴らすのが当然ッスみたいな勢いでガッチリ演奏してます。フィーチャーされているソリストたちも上手い。(アバドやシャイーのものも聴いてみたくなってきている今日この頃です。)
(2002.2.2)