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菅野よう子:「COWBOY BEBOP」OST1、2、3&「FUTURE BLUES」(Victor)
「COWBOY BEBOP」のファンってもしかして結構いるのかもしれません。TVのバラエティやドキュメントなどで音楽が使われることもあるし、タワレコでも時折試聴機で見掛けるし。
最近、暇に任せてレンタルビデオ屋で借りて見た作品の方も、クールでハードボイルドでディティールもよく作ってあって、こりゃサウンドトラックだけでなく本編のファンも多いでしょう。脚本は数人が持ち回りみたいにして書いてますが、それぞれに趣向が凝らしてあって面白いです。とくに横手なんとかさんという女性の脚本家はなんか他の作品でも関心して、名前を見たような気がするんですが・・・。(今度ネットで検索かけてみるッス)
まだ半分くらいしか見てないですが、最近めっきり「ドラえもん」みたいな子供騙しの「ルパン3世」に納得いかない人はむしろこっちを見るべきですな!昔の「ルパン」みたいなこだわりを感じさせてくれるし、ヲタク的な安直さとは無縁のいい作品ですぜ。(実際パロディ、というかリスペクトみたいな演出もある。)
さて、音楽です。KDMも何度かHPに書いた菅野よう子の手によるものです。
TVシリーズの3つのサウンドトラック、劇場版のサウンドトラックの4つを所有してます。ほかにもミニアルバムやリミックスアルバムなどがいくつかある様ですが、すべては把握してません。まあどれかを選ぶんなら一番まとまりのあるOST1か劇場版「FUTRE BLUES」だと思いますが、それぞれ面白いトラックがあるので、どれ買っても楽しめます。
KDMは先にOSTの方から入った人なので、レンタルビデオを見た現在からすると、「ほー、こういう場面で使われてたもんなのかぁ」という感じです。それが先入観になるのはあまり好ましくありませんが、少々雑多な印象を受けるOST2「NO DISC」とOST3「BLUE」が素直に楽しめるようになったのは収穫です。
ビバップというだけあって、ジャズを基調に考えられているようですが、菅野よう子の作品をいくつか聴くと分かりますが、彼女はモダンジャズ的な感覚からは結構遠いところにいる人です。アドリブとかインプロヴィゼーションとか、あまり信じてないような気がします。「COWBOY・・・」もブローしているようで、これは作曲されたものが基本となっていることはおそらく確実です。(確証はないんですけど・・・)
菅野よう子の多彩さは何度も言及している通りですが、クラシック的、ロック的、ジャズ的、現代音楽的、どれもこれも「的」なものであるという点で、批判される余地があるようですが、これは確信犯というべきです。菅野よう子自身「大人が本気で遊ぶとすごいんだぞ!」という言葉を残している(死んでない死んでない)くらいですからね。KDMはこのスタンスが気に入ってます。本気で遊んでも全然つまらん音楽家だって多いんですから、これだけ遊べればもうほんとに御立派!あっぱれ!ハラーショ!というもんでしょ。
そんじゃ、それぞれお気に入りを列挙します。
OST1から。
トラック1「Tank!」これを聴いて「COWBOY・・」&菅野にハマッタ人も多いはず。良い曲だ。入れ変わり立ち変わり鳴るブラスとガチャガチャギターがカッコイイ。トラック2「RUSH」も同じノリでいけてる。
トラック4「BAD DOG NO BISCUITS」もドタバタ感がいいネ!曲相が交代するときの感触がたまらん。
トラック7「SPACE LION」これもいい仕上がり。シンセとサックスソロによる爽やかでどこか切ないメロディのあと、打楽器と声明(東洋的というかネイティヴアメリカン的というか)が重なってくる。本編での使われ方もめちゃめちゃクールだった。打楽器的にはトラック13「The EGG and I」もいい。
トラック9「PIANO BLACK」はシーケンサーによる機械的なリズムに乗ってくすんだピアノとサックスとドラムとベースが鳴る。こういうアイディアは少なくないが、やっぱりイカす。
トラック11「TOO GOOD TOO BAD」バストロンボーン(だと思う)がイイ!
トラック15「RAIN」ハモンドオルガンの前奏、なんちゃってエアロスミスなヴォーカル。サビはパイプオルガン的な荘厳な音。うんうん。
トラック17「MEMORY」で、オルゴールで締め。
OST2。
トラック2「Fantaisie Sign」フレンチポップな感じ。正直、菅野よう子の本領はこういうヴォーカル曲で出るような気もする。
トラック5「LIVE in Baghdad」菅野流へヴィメタ。あるあるこういうの!という感じ。へヴィメタって結構几帳面な感じしません?
トラック7「Want it all back」ファンキー。
トラック11「Green Bird」ヨーロッパにこういう童謡ありそうだな。ウィーン少年合唱団とかこういうの歌いそう。菅野よう子はこういう曲を自在に操る力も持ってるから、アルバムにアクセントがつきます。
トラック14「Gateway」は往年のビッグバンド、トラック15「The Singing Sea」は往年のジャズシンガーぽい。マニアには嫌われるかもしれんが、それぞれ手慣れた演奏だと思うッス。
トラック18は「Tank!」のリミックス。好き。「アディオス・・・」で痺れた。
OST3。これも良トラック揃いの名盤。
トラック1「BLUE」少年合唱の聖歌(っぽいやつ)からハスキー女性シンガー山根麻衣(字あってたかな・・)へ。そして後半は聖歌隊と一緒になる。萌え。
トラック2「WORDS THAT WE COULDN’T SAY」スペイン風アコースティックギター、マリンバによる前奏で持ってかれます。ヴォーカルの物憂いメロディも良き哉良き哉。
トラック3「MUSHROOM HUNTING」冒頭のMCに合わせて増殖していくリズムトラックでKOやね。
トラック7「THE REAL MAN」おっつ!なんでトーンクラスターが?!とか思ってたらいきなりドラムンベースに。
トラック9「ADIEU」、トラック16「FAREWELL BLUES」なんかはジャズ。トラック10「CALL ME CALL ME」(ストリングの使い方とか)、トラック13「FLYING TEAPOT」なんかは洋楽フレイバー。
トラック14「WO QUI NON COIN」こういう曲も楽しい。「僕は乾いた涙で」「雨の日も風の日も」のとこ、のっぺらと上昇し推移するメロディが何故かツボ。後半はフランス語。
「FUTURE BLUES」。ほとんどすべてのトラックが好き。
トラック2「Pushing the sky」ロックしてます。
トラック3「Time to know〜Be waltz」フルートがいい。途中でラップが入るのが完全にツボ。しかも嫌らしくない。
トラック5「MUSAWA」アフリカ〜ン。トラック6「Yo pumpkin head」ビッグバンド。トラック7「Diggin’」カントリー。トラック12「Powder」ライヒ風味。飽きさせませんぞ。
トラック9「What planet is this?!」熱帯ジャズ楽団みたい!
トラック10「7minutes」テクノのちへヴィメタときどきストリングスところにより合唱。いいミックスっぷり。
トラック11「Fingers」断片的なピアノが泣かせるゼ・・・。
トラック13「Butterfly」ヴォーカルを導くヴァイブみたいなシンセがいいね。
トラック14「No reply」寄せては返すシンセのリズムとまたまたエアロスミスみたいなサビ。
隠しトラックには「Rain」の山根麻衣バージョン。デモらしい。OST1のものよりオルガンの音に迫力があるような気が。エフェクトのせいかもしれんが。
(2002.1.24)