| さよなら、小津先生 オリジナルサウンドトラック |
ポニーキャニオン
PCCR-00338
2001年にフジテレビで放送されたテレビドラマ「さよなら、小津先生」のサウンドトラック。
会社の命令に従った故に法を犯し、すべてを失った元銀行員、小津南兵(田村正和)は、高校教師の職を見つける……生徒・教師ともに多くの問題を抱えた高校で起きる様々な事件を通じ、それを乗り越えていくことで、「子供と大人」という枠を越えた人間の成長を描いた作品です。
ドラマの登場人物が、作中でぶつかり合いを演じているのと同様、音楽も、ドラマの本質に対して真っ正面に全力でぶつかっていこうという姿勢が聞き手にひしひしと伝わってきます。
Track1"クオリティ・オブ・ライフ"は、大島さんのドラマ音楽によく見られる行進曲風のメインテーマです。他人や会社の言いなりになってきた今までの自分を捨て、自分の信じた道を進もうという力強い決意を感じることができます。
もうひとつのメインテーマとも言えるTrack2"希望を乗せた船"のホルンが奏でる雄大なメロディーは、ドラマの枠を越えて「いつかきっといいことがある」という勇気を聞く者に与えてくれます。
Track3"勝利への志"は、バスケットボールの試合などで流れる曲。目標の達成に向かって前進する選手たちの成長を、伸びやかなメロディーで表現しています。その他にも、Track7"突き抜ける!"や、Track13"漂う想い、未練から来る行動"などに代表されるダイナミックなオーケストラ曲は、本作の聞き所です。曲中の構成の巧みさにも注目してみましょう。
Track10"激戦の汗"は「これって本当にテレビドラマの音楽?」と思うほどに圧倒される迫力。ハリウッド超大作のクライマックスシーンに流れていても全く違和感を感じない曲です。
この後、Track11"心休まる場所がある"やTrack12"ワーキングマン"といった、「コメディの大島」らしい音楽が入っていると、なんだかほっとします(笑)。
ドラマの本質をきちんと読みとった上で丁寧かつ大胆に表現し、なおかつ音楽単体としても非常にレベルの高い本作は、大島ミチルのドラマ音楽の、一つの転機とも言えるかもしれません。この後、「ごくせん」や「九龍で会いましょう」といった傑作を世に出したことからも分かるように、「さよなら小津先生」を境に、大島音楽はさらなる成長を遂げたように思えます。