| 「もも子、かえるの歌がきこえるよ。」オリジナル・サウンドトラック |
AMGエンタテインメント/AMG MUSIC
AMG・M-0001
障害を持ちながらも力強く生きる少女の姿を描いた長編アニメーション作品のサウンドトラック。2004年8月からは一般のCDショップでも取り扱いが開始され、入手しやすくなりました。
全編を通じ、情緒的なメロディーと美しいストリングスが印象的な作品となっています。おそらく、金管楽器は一切用いられていないのではないでしょうか。
Track1のタイトルは"もも子、力の誕生"。最初、「力の誕生」というフレーズに含まれている生命感に感心したのですが、よく調べて見ると「力」というのはもも子のお兄さんの名前でした(^^;)。もっとも、これは意図的なものかもしれませんね。壮大でかつ優しさを感じる曲になっています。
Track2"もも子"は、本作のメインテーマ。他のトラックでも、変奏されて何回も登場します。一度聞けばメロディを覚えてしまう、シンプルで印象的なメインテーマを創り出す大島マジックはこの作品でも健在です。
Track10"リレー"他の曲とは一線を画した緊張感あふれる曲です。低い音で鳴らされるピアノが、重さを感じさせながらもティンパニでは出せない透き通った雰囲気を作り出しているように感じました。
Track11"悲報"は、30秒の曲ながらも、流れるストリングスの起伏が非常に物語性に富んだ曲。前曲の「リレー」と合わせ、聴く人の心の琴線に触れ、感情をかき立てる力を持った曲と言えるでしょうか。
Track14"ナチュラル"は、「もも子」のボーカルアレンジバージョン。「シャ・リオン」のような技巧的なアレンジの歌を世に送り出す一方、この歌のように、学校唱歌として使われそうな素朴な作品も作ることができる。アーティストとしての才能はもちろん、作品に合った的確な音楽を提供できることが、大島ミチルが高い評価を得ている大きな理由ではないでしょうか。
全曲合わせても20分強の作品ながら、非常に丁寧に作られている作品だと感じることができました。世の中には「何となく雰囲気さえ出ればいい」という姿勢で作られた劇判音楽も多い中、そのジャンルの第一人者として、安易な姿勢に対するアンチテーゼを投げかけた作品であると言えます。