| 石井一孝 アコースティックコンサート'03−Woody Session− レポート |
2003年8月10日、TOKYO FMホールにて、ミュージカル等で活躍されている舞台俳優でありシンガーソングライターの石井一孝さんのコンサート「アコースティックコンサート'03−Woody Session−」が行われました。
このコンサートで演奏された曲の編曲を、大島さんがご担当されました。それだけではなく、当日は、実際にステージに登場され、ピアノの演奏を披露されました。
「作曲もできる演奏家」によるコンサートは珍しくありませんが、作曲活動を中心にされている大島さんが、コンサートの最初から最後まで奏者として出演される機会はとても珍しいのではないでしょうか。
さらに、このコンサートには、大島さんと一緒に数多くの仕事をされている演奏家の方が、演奏に参加されました。バイオリン奏者の篠崎正嗣さんです。
篠崎さんと言えば、過去に大島さんとユニット「式部」を作り、「大英博物館」「ドキュメント〜太平洋戦争」などの作品を世に送り出した方です。「式部」以外でも、大島さんが手掛けたほとんどの作品で、ストリングスのパートを演奏されています。大島ファンであれば、大島さんと篠崎さんの生演奏を聴いてみたいという夢を持っていると思いますが、その夢が実現してしまった訳です。
また、篠崎さんは、コンサートの中で「しゃべるバイオリン」を披露されました。大きな犬と小さな犬の喧嘩、近くを通り過ぎた救急車(ドップラー効果付き)が事故を起こす音、帰宅が遅い夫と家で待っている妻との夫婦喧嘩の音(仲直りのシーン付き)の3つのシチュエーション。いずれもバイオリンの音から、効果音や台詞がきちんと想像できてしまうところがすごいです。
コンサートは、ミュージカルナンバーを中心に進行して行きました。
演奏は、大島さんがピアノ、篠崎さんがバイオリン、ウッドベースが斎藤純さん、パーカッションが長谷川友紀さんでした。また、ゲストとして、女優の堀内敬子さんが出演され、石井さんとのデュエットをされました。
演目は、オペラ座の怪人、南北戦争、ジキルとハイド、レ・ミゼラブルなど、ミュージカルに詳しい人ならおなじみのナンバーが……と言いたいところですが、私は恥ずかしながらミュージカルにはてんで疎いので、それぞれの歌に対して、個別にコメントすることはおこがましくてできません(^^;)。
石井さんの歌声は、ミュージカルに出演されている方らしい、コシのある力強い声でした。また、歌う時のジェスチャーにもミュージカルの演技を取り入れたのは、ミュージカル好きの方にはたまらない演出だったのではないでしょうか。ステージの進行もとてもうまく、さすが舞台役者だと思わせてくれました。
石井さんは、ミュージカルでの活躍だけでなく、ご自分で作曲もこなされ、ソロアルバムも2枚リリースされています。ファンサイトの記載によると、シンガーソングライターを目指されているとのこと。コンサートでは、ソロアルバムに収録されている曲目も披露されました。
前述の通り、これらの曲のアレンジは、大島さんがご担当されています。現曲を知らない曲のアレンジの評価をするのは大変難しいのですが、全体的な感想としては、特定の楽器がでしゃばることがなく、石井さんの歌声と楽器が協調して一つの音楽として完成させるという、大島さんの音楽そのものに通じるとても丁寧なアレンジが印象に残りました。
このコンサートでは、ミュージカルナンバーや石井さんの作品だけでなく、大島さんが作曲された曲も何曲か演奏されました。
まずは、大島さんの代表作であるNHKの朝の連続テレビ小説「あすか」のテーマ曲と、映画「失楽園」のテーマ曲が、4人の奏者により演奏されました。大島さんの作品が、大島さんと篠崎正嗣さんの生演奏で聞けるまたとない機会。一音一音聞き逃さないよう、大切に聞かせていただきました。篠崎さんのバイオリンの艶やかな響きが特に印象に残っています。
そして、大島さんが音楽を担当されたミュージカル「ローマの休日」のナンバーも演奏。この曲では、石井さんのピアノの演奏&歌に合わせ、大島さんがピアニカの演奏を披露してくれました。
さらに、大島さんの才能を観客に知ってもらおうと、石井さんから即興作曲のリクエストが。「目覚まし時計を3つもセットしたのに寝坊して慌てて出勤するサラリーマン」のシーンの音楽をその場で作曲、演奏されました。
即興で作られた曲にも関わらず、テレビドラマなどにそのまま使われても全く違和感がないクオリティになっていたのはただただ驚きです。非常に多くの曲を作られてきただけに、様々な場面に合う音楽のレシピを豊富に持っているのでしょう。
石井一孝さんのコンサートであるににもかかわらず、大島さんの存在が大きく扱われていたのは、ファンとしては嬉しかったです。石井さんのファンクラブの方には、わざわざ「大島さんシート」まで作っていただき、感謝に堪えません。私自身にとっても、これまであまり関心がなかったミュージカルへの興味を抱かせてくれたコンサートでした。