| 漂流 オリジナルサウンドトラック |
発売:東芝EMI
ETP-90060
1981年(昭和56年)劇場公開の東宝映画「漂流」のオリジナルサウンドトラック 。この映画の原作は吉村昭の実話に基づいた同名の長編小説。
監督:森谷司郎
キャスト:北大路欣也、坂上二郎、高橋長英、三田佳子、鷹巣豊子(新人)、他
。
音楽は、COSMOS。
COSMOSとは、土居慶子、大島ミチル、海江田ろまん、 椙山有美、田中裕美子、平部やよいの6人を中心としたヤマハのネム音楽院の音楽集団で、この映画ではこの中心となる6人が作曲、編曲、演奏を担当している。
命をテーマとしているだけに、音楽もさぞかし重厚なサウンド・・かと思いきや
、伸び伸びと柔軟な旋律、場面の要所々を的確に捉えたアレンジがすばらしく、当
時平均年齢20歳の若い才能の凄さを感じさせられる。
さらにこのサントラ盤には、劇中の効果音、セリフも収録されていて映画の感動
を再び楽しむことができる。
全体の楽器編成は、小編成のオーケストラと、シンセサイザー、エレクトリックピアノ、ドラム、エレキベース、エレキギター、アコースティックギター(ガット弦、ス チール弦)、など。
それぞれの曲は、リズム隊にドラム、エレキベースを使用し、シンセサイザーがソロをとり、バックをオーケストラが支えている、わりとポップなアレンジの曲が多いようだ
。
特記しておくが、当時のシンセサイザーは現在ののデジタル音源、サンプリング音源とは違い、アナログ音源の温かみのある音色だ。
大島ミチルさんが作曲、編曲の「7.土佐遍路旅〜母と別れて」は、場面的にしっとりと叙情的なところで、ドラムやベースを使わず、ストリングスのアルペジオ(ピッチカート奏法)がリズムを受け持ち、フルートがレガートにメロディを奏でている。
所々で打楽器(金属系)、エレクトリック・ピアノ(グロッケンかと思ったが、おそらくローズ・ピアノであろう)が効果的に使われている。この曲のアレンジは面白く、曲のなかばでストリングス編成がシンセサイザー・アンサンブルに入れ替わり、フルートの旋律をシンセサイザー(ここの音色が見事)が受け持ち、場面が変わると、さらに2台のギター(ガット、スチール)とピアノとストリングスのアンサンブルになる。
そして曲の後半で、木管のスタッカートが(感情の高ぶりを含むかのように〜)和音を支え、再びオーケストラが盛り上がりを見せる。
レコードでこの曲の部分は映画の役者のセリフがそのまま入っているので、まさに映画の場面そのものである。