2.肥料はなぜ必要か (4)

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単肥と複合肥料

単肥
チッ素、リン酸、カリの三要素のうちひとつの成分しか含まれていないものを単肥といいます。
単肥は複合肥料の原料としたり特定の成分を補う時に使用します。

複合肥料
チッ素、リン酸、カリの三要素のうちふたつ以上の成分を含むものを複合肥料といいます。
化成肥料や配合肥料などに分けることができます。 有機質肥料、単肥、化成肥料を組み合わせや配合の割合はともかく単純に混ぜ合わせた物は複合肥料となります。

・化成肥料
数種類の肥料に何かの科学的な工程を加えて製造された肥料を指します。特長は様々な形状(固体、粒状、粉、液体)に加工しやすいこと、肥効期間の調整ができることなどがあります。 化成肥料の表面を樹脂やワックス・紙などで覆った肥料を被覆複合肥料といい、成分が一度に溶け出さない工夫がされています。

・配合肥料
数種類の肥料を科学的な工程を加えないで単に混ぜ合わせた肥料のことで、混合するだけで使用目的に合わせ簡単に作ることができます。

肥料の効き方

速効性肥料
肥料を与えるとすぐに効果が現れますが持続性に劣ります。一般的に無機質肥料の単肥、液体、粒状や粉状の化成肥料などがあります。
速効性肥料の使い方としては、追肥やお礼肥として使用します。

緩効性肥料
与えた後比較的早くから効き始め、徐々に肥料成分が溶け出し長い間肥料効果の持続があります。元肥や追肥として使います。 粒状の被覆複合肥料やスッティク状の肥料がこのタイプです。

遅効性肥料
このタイプは与えてもすぐに効果が現れません。土壌中の微生物や水分などにより分解されてから徐々に効果を現します。 有機質肥料やこれらを元にした配合肥料がこの種にあたります。元肥としてや土壌改良の方法として使用されます。

 

活力剤

アンプル状やボトル状になって市販されており、薄めずに使うことが多いのですが中には希釈して使う物やスプレー式で直接葉面に散布するものもあります。 しかし、これらは肥料ではありません。 植物の活性を高めることを目的にしており、成分は微量要素を主としたものがほとんどです。 中にはチッ素、リン酸、カリの三要素の成分を含んでいるものがありますが、それらの含有量はわずかであるため肥料とはいえません。 日光不足や耐寒性の強化、葉や花の色が悪いなどの場合に使用すると効果があり、人間でいう栄養ドリンク剤と考えれば良いと思います。

 

肥料の与え方

肥料を与える時期

人間は自分の意志で食事をし栄養を補給できますが、植物の場合は自分で栄養を自由に得ることができません。 そのため、我々人間が適当なタイミングで栄養を与える必要があり、そのタイミングを間違えると植物に悪影響を与えることになります。 肥料やりには植物を植える前に与える「元肥(もとごえ)」と生育期に与える「追肥(おいごえ)」とに大別されます。 しかし、植物には生育期と休眠期がありますので、原則として生育期に与えます。 洋らんなどは開花期が休眠期であるため開花期には肥料を与えません。 休眠期は気温の低下する冬季であることが一般的ですが、夏季に休眠する植物もあります。 休眠期は生長を停止しますので肥料を与えても植物は吸収しません。 鉢やプランターで栽培をしている場合は休眠期に肥料を与えると土中の肥料濃度が高くなり「肥料の不足、過剰」の項にあるように植物に対して悪影響を与えます。

元肥と追肥

元肥(待ち肥、肌肥)
種蒔き前や植物を植える際にあらかじめ与える肥料で、発芽後や植付け後の初期生長をサポートします。 遅効性や緩効性の肥料を使用します。 一般的に屋外では三要素のバランスが取れた有機肥料ベースの配合肥料を施し、室内に置く鉢植えやプランターには臭いが少なくて比較的長期間効果の続く粒状の緩効性化成肥料や被覆複合配合肥料を使用しますが、実際はこの通りに使い分けする必要はなく使い易いものを使えば良いと思います。

☆待ち肥
苗を植え付ける際に根が伸びるだろうと思われる場所に施す肥料のことです。
☆肌肥
種と一緒に混ぜて与える肥料のことです。

追肥
植物の生長過程で元肥だけでは不足する肥料分を補うものです。植物の状態に合わせて施しますが、速効性の液肥と緩効性の固形肥料を組み合わせて使用すると効果的です。

☆お礼肥
花の開花後や果実の収穫後にお礼の意味で消耗した植物の回復を図るために与える肥料で、速効性のある液肥等を使用します。
☆芽だし肥
春先に新しい芽が出る直前から少し芽が出た頃に与える肥料を言います。芽だしの頃に多くの肥料分を欲しがる植物に与えます。 やはり速効性のある液体肥料や粉状のものを通常よりは低めの濃度で与えます。
☆寒肥
花木、庭木や果樹などの休眠期(冬から春先)にこれから迎える生長期に先立って施す肥料です。効果が長く続く元肥と同種の肥料を与えます。

有機質肥料の与え方

有機肥料やこれらをベースにした配合肥料を与える時は一度に大量に与えないようにします。 有機質が発酵分解する際に熱やガスを発生させて根を傷めるからです。 また、有機質は微生物などで分解されてから効果を良く発揮するようになる為、種蒔きや植物を植える1週間から10日前位に土と良く混ぜておくか、植え穴の下に埋め込んでおきます。 直接根に触れないようにしておくのもポイントです。 寒肥として庭木などに使用する場合は、樹形の一番広がった場所の下の地面を木を囲むように等間隔で少し掘り施します。 肥料分が土中で流出してしまう分があるので、有機質の肥料などの遅効性の肥料は少し多めに与えるようにします。 肥料は休眠期には与えませんが寒肥は休眠期に与えてもかまいません。 これは、有機質が土中で分解しながら穏やかに効果を出しますので、樹木の生長に合わせた吸収ができるからです。

無機質肥料の与え方

元肥としての場合
粒状のものは土と良く混ぜ合わせて一ヶ所にかたよらないようにします。 栄養分を全体にバランス良く行き渡らせる為で、速効性の液肥などは使用しません。

追肥としての場合
一度に大量に与えると肥料焼けを起こすことがあります。原液を薄めて使うような液体肥料は特に注意が必要で、規定の濃度を超えると与えすぎになり植物に障害を与えることになります。 濃ければよく効く訳ではありませんので、製品の決められた濃度以下で使います。 一般的に7〜10日間隔位で生育期間中に与えますが、植物により必要とする成分比率が異なります。 花や果実、葉の色を出すなどの目的によっても異なりますので、肥料分をチェックし目的に合った肥料を選んで使用します。

肥料成分の見方

市販されている肥料は含まれている成分がパッケージに記載されていますので、これらを確かめて目的に合う肥料をえらびます。 よくパッケージに N-P−K と表示されていますが、チッ素・リン酸・カリを表しておりこの並びは世界共通です。 また、表示されている数字はその製品100gあたりに含まれる成分重量を表しています。 また、肥料は肥料取締法の制限を受けており、その中の規格登録制度に基づき包装資材に保証票の添付・表示が義務づけられており、この保証票を見ることで製品に含まれる肥料成分を知ることができます。 保証票に表示される成分は、チッ素・リン酸・カリ・アルカリ分・マグネシウム・マンガン・ケイ酸・ホウ素の8成分だけですが、含まれない成分は表示されません。

成分比からみた使い分け

市販の複合肥料には三要素がすべて含まれていますが、N-P-Kの数値を見ることでその肥料の特長がわかります。三要素の成分比率はいくつかのパターンをもっており植物に合わせた使い分けが必要となります。

水平型
三要素がすべて同量のタイプで、生長期であるほとんどの植物に使用する事ができます。

山型タイプ
開花、結実を促進するリン酸分が多く果樹や花、鉢花、果菜類に適してます。

谷型タイプ
幹や葉、根などの生育を促進するチッ素・カリが多くリン酸は少なく、水耕栽培などに適します。

右下がりタイプ
チッ素・リン酸・カリの順で比率の下がるタイプやチッ素・リン酸が同量でカリが少ないタイプ、チッ素が多くリン酸・カリが同量のタイプがありますが葉や根の発育を促進しますので、庭木や幼苗、葉菜類、植付け直後の芝などに適してます。

右上がりタイプ
カリが多く含まれるタイプで右下がり同様に3タイプあり、根の発育を促進させる為、根菜類や球根類に適します。

 

土の酸度と肥料効果

植物に合わせた調整

植物の生長にとって土壌酸度(pH)も考える必要があります。 肥料効果と密接な関係があり、土壌がアルカリ性にかたよるとチッ素・リン酸・カリなどが他の成分と結びつき吸収されにくくなってしまいます。 肥料を与えても効果が無ければ意味がないので、植物の生長条件に合った土壌酸度に合わせる必要があります。
日本の土は一部の特定地域を除き、ほとんどが酸性から弱酸性です。 これは降雨などにより土中のアルカリ分(石灰)が流されることによります。 大多数の植物はpH6位の弱酸性を好み酸性の土壌は好みません。そこで土壌酸度を調整する必要があります。土壌酸度を調整するには石灰質肥料を使います。

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