2.肥料はなぜ必要か (2)

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主な成分の働き

各肥料成分はそれぞれ特有の働きをしています。 単独で作用しているわけではなく、多くの成分が助け合ってそれぞれの役目をはたしていますが、代表的な成分の働きや過剰・欠乏症状は以下の通りです。

大量要素

 ■チッ素
  チッ素(N)は葉や茎を大きくし葉の色を濃くするため「葉肥」といわれます。
  植物のタンパク質や葉緑素などをつくるために必要となります。

  ・働き   葉や茎や根の生育を促進します。
  ・欠乏   生育が悪くなる。緑色が薄くなり葉が薄黄色になる。
  ・過剰   花や実が付きにくくなる。生育は良いが全体的に軟弱になり病害虫にかかりやすくなる。

 ■リン酸
  リン酸(P)は開花・結実に役立つため「実肥」とよばれます。
  植物の細胞を構成する成分で、細胞分裂の盛んな茎や根の先端部に多く含まれています。
  リン酸は他の二要素と違い多く吸収しても過剰障害がありません。 したがって、必要量より少し多めに与えるようにします。

  ・働き   開花・結実を促進する。
  ・欠乏   花の数が減り、開花や結実が遅れる。 古い葉の縁が黒味がかったり紫色になる。 根の伸長が悪くなる。
  ・過剰   障害は出難いが成長が止まり成熟が促進して収量が低下する。

 ■カリ
  カリ(K)は根の発育を促進するため「根肥」といわれています。
  植物の生理作用を円滑に行う働きをして生長促進をはかっています。 病気や寒さなどに対する抵抗力をつける作用もあります。

  ・働き   根や茎を強くし病気にかかりにくくする。
  ・欠乏   果実の味や外見が悪くなる。 葉の縁から変色したりする。 根の生育が悪くなり根腐れを起こしやすい。
  ・過剰   カルシウム、マグネシウムの吸収が悪くなる。

中量要素

 ■マグネシウム
  マグネシウム(Mg)は植物が光合成するとき必要な葉緑素の重要な構成成分です。
  脂肪の生成にも関わっています。

  ・働き   光合成をする葉緑体の構成成分として不可欠。 リン酸の働きを助ける。
  ・欠乏   古い葉の縁や葉脈の間が黄色になる。 ひどい場合は葉脈を残し全体的に黄色化する。
  ・過剰   ホウ素、マンガン、亜鉛の欠乏が出やすい。

 ■カルシウム
  カルシウム(Ca)は植物の細胞と細胞とを強固に結びつける働きや、根の正常な発育にとって欠かせない成分です。
  土の中では酸度(ph)を中和して酸性の土を中性にします。

  ・働き   細胞と細胞の結びつきを強くする。 根の正常な発育を促す。 土壌酸度を調整する。
  ・欠乏   新しい葉の先や縁から黄色になり枯れる。
  ・過剰   マンガン、鉄、亜鉛、ホウ素の欠乏がでやすい。

 ■硫黄
  硫黄(S)は植物体中の酸化・還元や生長の調整などの整理作用に関与します。
  硫黄が不足すると植物は十分に生育できなくなります。

  ・働き   生長の調整。タンパク質を作るアミノ酸には硫黄が不可欠なものもあり、酸化・還元に関与する。
  ・欠乏   葉の黄色化、特に古い葉が多く黄色化する。
  ・過剰   土壌が酸性化する。

微量要素

 ■残りの6成分
  鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素の必要量はごく微量ですが、それぞれの働きを持っています。
  不足すると、葉の黄変、褐変、白色化やわん曲、変形などを起こし生育が悪くなります。

 

植物にも効くビタミン剤

肥料成分とは違いますが、ビタミン類を植物に与えると生育が良くなったり、悪い生育環境のもとでも耐えられる事が確認されたそうです。 特にビタミンB1は葉面散布でも効果があり、吸収されたビタミンB1は生育の盛んな場所に集まり細根の発生や伸長に効果を現します。 また、光合成量も増加し全体の生育も良くなり、開花時期が早まったり開花数・結実数の増加もあるそうです。 アンプル活力剤などとして市販されていたり、液体肥料や固形の肥料にもビタミンを含むものがあります。

 

■肥料成分の働きと不足、過剰症状の一覧

  成分 主な働き 不足すると 過剰になると


炭素
水素
酸素
光合成によってデンプンを作り、植物の生育のもとになる。 生育が悪くなり、欠乏すると枯れてしまう。 特になし

チッ素 葉・茎・根の生育を促進する。 生長が悪くなる。 葉が黄色味をおびてくる。 葉や茎が伸び過ぎ、軟弱な形になる。 花や実が付きにくくなる。
リン酸 開花・結実を促進する。 花の数が減少する。 葉が黒ずみ、発根不良を起こす。 結実が遅れる。 特になし
カリ 根の発育を促進。 病害虫や寒さに対しての抵抗力をつける。 根腐れが発生しやすく、葉の縁から変色する。 果実の味や形が悪くなる。 カルシウム・マグネシウムの吸収が悪くなる。



カルシウム 組織細胞を強くし、根の発育を促進する。 土壌酸度を調整する。 新芽や根の発育が悪くなる。 新葉の先が枯れる。 マンガン・鉄・亜鉛・ホウ素の欠乏が出やすくなる。
マグネシウム 葉緑素を作る。 リン酸の働きを助ける。 葉が黄色くなる。 ホウ素・マンガン・亜鉛の欠乏になりやすい。
硫黄 タンパク質を作る。 古い葉が黄色くなる。 土壌が酸性化する。

葉緑素を作る。 葉が黄色や白くなる。 リン酸の吸収をわるくする。
マンガン 葉緑素やビタミンの合成にかかわる。 葉に黄色や茶色の斑点がでる。 根が枯れ、葉が白くなる。
ホウ素 新芽や根の生育を促進する。 新芽や根の生育が悪くなる。 葉が黄色や茶色になる。
亜鉛 新しい葉を作るのに役立つ。 葉が小さくなったり、変形する。 新葉が黄色くなり、茶色の斑点がでる。
モリブデン ビタミンの合成にかかわる。 葉に黄色の斑点がでてわん曲する。 特になし
葉緑素を作る。 葉が黄色や白くなりわん曲する。 根の生育が悪くなる。
塩素 光合成にかかわる。 葉の先端から枯れる。 根が枯れる。

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