2.肥料はなぜ必要か (1)

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自然界の植物と栽培植物

自然界の物質循環

森林や野原には特に肥料を与えなくても様々な植物が生育しています。 これは自然界では植物が環境にあった場所で自生していると共に、物質循環によって植物の生育に必要な栄養分がいつも供給されているからです。 自然界の植物は、根から水分や栄養分を葉・茎からは日光と二酸化炭素(炭酸ガス)をそれぞれ吸収して生長しています。 その生長過程で落葉や枯死があり、落ち葉や枯れ枝などの有機物が地表に落ちこれが土中の微生物によって分解され植物の生育に必要な栄養分となります。 微生物や小動物の死骸、フンなども同様でこうして出来た栄養分が再び植物に吸収されるという循環(物質循環)をくりかえします。

栽培植物の栄養源

私達が栽培する植物の場合は、この物質循環が必ずしも機能していません。 落葉や枯葉、枝などは取り除きますし、もちろん動物の死骸などはあるはずもありません。 畑などであってもこれは同じで人の手が入る事で循環が行われる事は少なくなります。 管理された環境の中では不足する栄養分がでてきますし、鉢やプランターの栽培ではもともとの土の量に限りがある為、不足する栄養分量は畑などの比ではありません。ですから栄養分の不足を補う為に肥料を与える(施肥)事が必要となります。

 

植物の生長に欠かせない栄養分

生育に必要な成分

私達人間と同様に植物も常に栄養分を必要とします。(ほとんど必要としない時期、休眠期をもつ植物もあります)植物の場合約90%が水と言われています。 残りの10%の内、9.6%が酸素・水素・炭素でさらに残りの0.4%の中に微量ではありますが数多くの成分が含まれています。
植物を構成する成分の内、生育に必要なものは、酸素・水素・炭素・チッ素・リン酸・カリ・カルシウム・マグネシウム・硫黄・鉄・マンガン・ホウ素・亜鉛・モリブデン・銅・塩素の16成分です。
ごく微量でそれぞれの必要量にも多い物少ない物がありますが、ひとつでも欠けたり十分な量が無いと植物の正常な生育が出来なくなります。 これらの内、炭素・水素・酸素の3成分は二酸化炭素(空気)や水として根や葉・茎から吸収され、他の成分は主として根から吸収されます。 そして、光合成を行いながら植物は生長していきます。

補給が必要な成分

16成分中の炭素・水素・酸素は水や空気として自然界から得られますが、他の13成分は肥料として与える必要があります。
チッ素・リン酸・カリの3成分は人間の三大栄養素(たんぱく質・炭水化物・脂肪)にあたる物で植物にとっては必要量も多く大量要素(肥料の3要素)と呼ばれ、肥料のパッケージなどにはN-P-K:10-5-10などと表示されています。(この場合100gあたり、Nが10gPが5gKが10g含まれている事を表します)
その他の成分は人間のビタミン・ミネラルに相当する物で、その必要量によって中量要素・微量要素と呼ばれます。 植物を正常に生育する為には、これらの成分をバランス良く与える事が必要になります。

 

肥料の不足・過剰

様々な症状

肥料成分が不足すると、植物に様々な症状が現れます。 不足する成分によって生育不良、花数の減少、葉の矮小、黄変・褐変などの症状となります。 とは言っても与え過ぎるのもよくありません。 土壌中の肥料分が多過ぎると、植物は根から水や肥料分を吸収できなくなります。 植物の細胞膜には、濃度の低い方の液体から濃度の高い方の液体へと水を通す働き(浸透圧)があるため、土壌中の水分の濃度は、細胞内の液体より低くないといけません。 ですから、肥料を与え過ぎると根腐れや一見病気のような症状を現す肥料焼けを起こしたり、他の成分の吸収を抑制するなどして逆に生育が悪くなる場合があります。 現在市販されている化成肥料などには、成分の多い高度化成肥料が少なくないため肥料の与えすぎに注意します。

○不足すると
 ・草丈が伸びない
 ・花の数が少ない
 ・葉が黄色や褐色になる

○過剰になると
 ・草丈が伸びても弱々しい
 ・肥料焼けを起こす
 ・徒長、軟弱化し病害虫にかかりやすくなる
 ・花や実がつきにくい

 等の症状が現れます。

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