Elemental World  / 新女王戴冠、ひとときの宴


 戦線をかろうじて維持したファレーンは、浮遊島近辺のみではあるが大平原の一部を領有化する事に成功し、新たな前線基地の構築を始める。
 フレイドの激しい攻勢を受けたウィンディーンは、大損害を受け本国へと敗走。これにより、フレイドはドレイグ山脈一帯を完全に支配化に置き、ウィンディーンはタラス高原からの完全撤退を余儀なくされた。
 ウィンディーンの女王アイナ・ウィンディーンは、国内で起こった退位要求を抑える事が出来ず、若干17歳の第一王女クリスに王位を譲り、退位した。ここに第8代女王が誕生する事となる。
 戴冠式の日、首都ウィンディーンは新女王を祝して盛大な祭りが行われ、各国の王も慶賀使節団を派遣して新女王の戴冠を祝した。
 戦に明け暮れる戦士たちも、今日ばかりは、ひとときの宴を楽しむのだった。(EW 第8戦「新女王戴冠、ひとときの宴」課題背景より)


 数カ月の時を、彼女は平穏に過ごしていた。
 なんとか無事に水の都に辿り着いた彼女は、小さく黒い相棒と部屋に隠るように暮していた。
 その間にも、戦闘は絶えず、また新たなる犠牲を生み続けてた。
 悲しい噂、悲惨な話…。彼女の耳は、いつしか外の話を受け付けなくなっていた。

 そんなある日の事だった。
 その日の夜、窓の外の街はやけに騒がしかった。人々が通りに溢れ、夜遅くまで明かりが煌々と付いていた。
 彼女の住まう宿から一望出来るウィンディーンの王城も、いつになく華やかな光に包まれている…。

 ぱああーん。突然鳴り響いた雷鳴の様な音に、彼女はおびえ、頭を抱えて目をつぶった。
 そして、おそるおそる開かれた彼女の瞳が見たものは、彼女が今だかつて見た事の無い、空に咲き乱れる光の華だった。
 「これは、夢なのかしら…。」
 次々に鳴り響く爆音、その音におびえながらも、いつしか彼女は光の華に魅了されていた。
 「新女王、ばんざーい。」
 人々は、口々に新しい女王に祝いの言葉を投げかけていた。