◆ 魔女っ子大作戦(嘘) ◆
「ライトノベルだとロボットものとか変身ヒーローものとかいうのはそれなりの数があるよな?」
「うんうん」
「だけど、同じようにアニメや何かの定番ネタであっても魔女っ子ものというのは意外に少ないんじゃないか?」
「『ばいおれんす☆まじかる』とか『撲殺天使ドクロちゃん』とか、無いわけではないけど」
「いろいろ理由はあるだろうけど、まずひとつにはファンタジー移植しても意味がないってのはあるな。ファンタジー世界でロボットものとか、ファンタジー世界でコンバットスーツというのは料理しがいがあるけれど、ファンタジー世界で魔女っ子というのはかなり無意味」
「逆パターンはありうるかも知れん。魔法が当たり前の世界に、機械文明の世の中から天才発明家の少女がやってきて……っての。さじ加減が難しいが」
「実はアニメにおける魔女っ子ものそのものが思ったより拡張性がない。『魔法の国からやってくるサリーパターン』と『普通の女の子が魔法を授かるアッコパターン』の二大潮流だけで『ミンキーモモ』や『どれみ』がちょっと新しい要素を付け加えたくらいだ」
「変身ヒーローや巨大ロボットものは一度に複数の製作会社が参入して大量の作品が作られた結果、いかにして前作や他作品と変えるかという理由でさまざまなバリエーションが生まれたが、魔女っ子は基本的には常時一作品だからなぁ」
「『仮面ライダー』や『戦隊シリーズ』なんて同じ枠の中で、よくあれだけ変化つけたよな」
「じゃあ、アレか。13人の魔女っ子が競争して最後に生き残った奴が女王さまになるとか、今度の魔女っ子のステッキは企業の製品だとか」
「そうすると変身ヒーローもののロジックを魔女っ子に移植すると、それだけで独自のバリエーションができる事になるな。例えばアマゾンから来た野生児の魔女っ子とか」
「ひょっとして、それはただの『ペルシャ』じゃないのか?」
「では『Xライダーな魔女っ子』だな。主人公の女の子が瀕死の重傷を負ったため、お父さんが黒魔術で娘を魔女っ子として甦らせる」
「で、親父本人も儀式のために命を落として、黒猫か何かに魂を封じて使い魔になるんだな」
「『おとうさん、あたし人間よね? 魔女なんかじゃないわよね?』『違う。お前はもう人間ではない。魔女っ子だ。魔女っ子である事に耐え、それを誇りに思う女になれ』」
「あまつさえ父親が『私が使い魔として再生したのは間違いだった。お前はひとりで生きていかねばならん』つーて二話でいきなり自爆する、と」
「空を飛ぶ魔女っ子とか、惑星改造用魔女っ子ってのは今ひとつ話が広がらないなぁ。『Black』なんて魔女っ子にしたら普通に『メグちゃん』だし」
「では『変身忍者嵐な魔女っ子』というのはどうだろうか?」
「『嵐』自体、時代劇という事を別にすると割とプレーンな変身ヒーローものだと思うが」
「だから、オーソドックスな魔女っ子なんだけど舞台は江戸時代。下町人情ものっぽく。で、魔女である事がバレたらバテレンキリシタンの妖術使いという事で死罪に」
「……だったら天狗とかキツネから魔法を授かるようにすりゃいいだろ」
「ならば『原始少年リュウな魔女っ子』でどうだ? 江戸時代なんて甘い。一気に原始時代!」
「科学文明が常識になってない世界で魔女っ子やってどうすんだよ。単なる部族のシャーマンか?」
「『快傑ズバットな魔女っ子』というのもあるな。旅ものの魔女っ子」
「そういや古くは『さすらいの太陽』から最近は『ナージャ』まで、少女アニメで旅ものってのは定番のひとつだが魔女っ子の旅ものってのはないな。かろうじて『ルンルン』くらいか」
「敵討ちってのは辛気くさくなりすぎるから、盗まれたアイテムを探し求める旅とか」
「で、アダルトタッチで日本一のプロフェッショナルに変身して、行った先々で勝負すると」
「石森繋がりで、変身ヒーローものじゃないが『サイボーグ009な魔女っ子』はいけそうな気がする」
「それぞれ異なる魔法を使う9人の魔女っ子がチームを組むわけか」
「そうそう。それで、それぞれ各国の民族衣装をアレンジしたコスチュームを着てる。これはよさげ」
「すると敵として『建物だと思ったらそれ自体が魔女っ子』やつが」
「段々わけがわかんなくなってきたな」
「もう変身ヒーローでも何でもないが『HOTELな魔女っ子』もあるな」
「姉さん、事件ですの奴か? 想像もつかんが」
「だから一話完結の連作スタイルで、何か悩みを抱えている主人公が道に迷うと目の前に謎の小さなホテルが現れるわけだ。そこは従業員がみんなかわいい魔女っ子の魔女っ子ホテルで、そこで不思議な一夜を過ごす事で主人公の心は癒される。振り返るともうそこにはホテルはない」
「宿屋版の『ココロ図書館』というか、ハッピーエンド型の『笑ウせえるすまん』か。小説じゃやや苦しいがマンガなら充分使えるネタかも」
「いちばん使えそうなネタは『ロボット刑事な魔女っ子』だな」
「魔法の国から悪い犯罪者が人間社会に紛れこんだので、女王の娘が人間社会に魔女っ子刑事として派遣されるわけか」
「そうそう。で、高品格演じるベテラン刑事が無理矢理コンビを組まされ、さらに同居までする羽目に」
「その家には娘が……じゃなくて主人公が女の子だから声が水島裕のステキなお兄さんがいるわけか」
「で、ベテラン刑事は最初ごまかすわけだな。こいつは小学生に見えるがちゃんと警察学校を出た立派な大人なんだとか何とか」
「やはり悪い魔法使いと戦う時は服を脱ぐのか? しかも着やせするタイプ」
「それはまずい。やはり魔法のステッキで普段着から魔女っ子モードに変わるくらいが妥当だろう。しかし、着やせとは別に原典に準拠する事で魔女っ子刑事には萌えポイントがひとつ存在する」
「何だ、そりゃ?」
「彼女の趣味は詩を書く事なのだ! 文学少女系メガネっ子なのかも知れぬ」
オチないまま終わる。
※『ばいおれんす☆まじかる』のタイトルを誤記していたため7月13日付で訂正いたしました。作者の林トモアキ様ほか関係者各位にお詫びいたします。
トップへ戻る