2004年11月16日
MFの改定企画書を仕上げて午前中にメール。実は、昨日の打ちあわせで本決まりになる前に、見切り発車で作業を始めていたのである。いやあ、無駄にならずによかった。
この企画書が正式に会議を通り、ファミ通の方の返答次第では一気に忙しくなるので、その前にちょいとエネルギー補充という事で映画なんぞ。モノは『隠し剣 鬼の爪』。
うーん、出来はいいし、丁寧な仕事なんだけど、プロットがあまりに『たそがれ清兵衛』と同じなんだよな。しかも『清兵衛』の方は最初から最後まで主人公を「家庭人」として一本芯の通った描き方をしているから、不本意な仕事を受ける展開もドラマとしての一貫性があるのだけど、今回はラブストーリーの部分と剣の対決の部分が噛み合っていない。せめて師匠とか、狭間とかとの関係をもっと前から描写しておくべきだと思うのだけど。話が極めて似ている分、前作に比べて劣る点が際立ってしまってるのだよね。
それでも、さすが評価したい点は多い。ハリウッド的セオリーとは異なるけれどわかりやすく、素直な物語。シックな画面で描かれる地方の下級武士の生活。BGMとして効果的な鳥の声などは心に残った。料金分は充分に楽しめたかな。
2004年11月15日
ファミ通文庫の新企画が難航中。前回提出した企画書の反応がいま一つだったので、担当さんと相談の上で以前に出したもののうち芽のありそうなものを修正して朝一番でメール。
こっちとしては今までとは違うどす黒くてエグい奴とかにもチャレンジしたいのだけど、どうもそういうのはウケが悪いらしい。MFの方では『セカシュー』に近い路線を踏襲したいという事なので、作者としてはできればそっちとは傾向を変えたいところ。『不思議な一座』がコケたのでアレとも方向性は違うものにしたいし……。
午後からはMFの担当さんと打ちあわせ。既に出した企画書のうち一本が比較的好評なので、担当さんの意見も容れた上で、キャラの固有名詞などをさらに詳細にした改訂版のプランを提出する事に決まる。
できれば『セカシュー』からあまり間を開けず、来年の早いうちに出せるようにしたいところだが。
2004年11月05日
AM学院でいつもの講義の後、浅草橋でTwin KAPSELの『あの虹を越えてゆけ』という芝居を観る。
Twin KAPSELはその名の通りカプセル兵団と極めて似ていて、しかし同一ではないユニット。具体的にいうと、毎回の演出とほとんどすべての作品の脚本を担当している吉久直志以外のメンバーによる企画との事。
記憶喪失の主人公の周囲に義経と弁慶や、謎のカウボーイ、さらに『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』、さらには戦隊ヒーローものなど馴染みのあるモチーフを配した、不思議なムードでありながストレートで分かりやすい物語。いつものカプセルとは違ってラディカルな身体表現は控えめで、衣装や持ち道具の使い方はオーソドックス。普段のカプセルでやらない分、小道具関係のギャグはかなり飛ばしまくってた印象がある(いきなりライダーマンのロープアームが出てきた時は何事かと思ったよ、あたしゃ)
役者陣で印象が強かったのは、凛としたかっこよさが光ったウシワカの加藤綾子と、いわゆる美人ではないけれど『無敵看板娘』を思わせる魅力的なパワフルさで全体に勢いをつけてくれたアリサ役の大島紘子。もちろん、主演の田中精は相変わらず上手い。ちょっと難を言うと、メインのヒロインが役どころに比べて華がなかった事かな。
アクションのキレの良さや物語の堅実さ、暖かさという点ではカプセルらしさを残しながら、表現の面ではいつもと違う一面を発揮したという事で、いつもとは違うユニットにした甲斐が感じられる公演だった。
この日も8月のカプセル同様に同業者某氏と一緒。いつもの映画鑑賞のメンバーとは別の人なので、ほぼ二か月ぶりの顔合わせでいろいろと話しこむ。最近のお互いの仕事についてとか、後書きを書くのは苦手だとか、楽しい時間を過ごせた。
芝居だと映画と違って鑑賞できる時間も場所も限られるし、正直料金も高めなので、誘える相手はどうしても限定されてしまうのだよね。
2004年10月31日
結局、昨日は風邪で一日寝込んでいたからシネマ秘宝館には出向けなかった。これも例の迷惑電話のせいだ、クソ!
それでも今日の『デビルマンまつり』は逃すわけにはいかない。12年前から作られている、文字通りの「完全実写版デビルマン」を一挙上映という強烈な企画。今回は他の作品もネタで一発勝負というよりは映画としてのクオリティが高いものが多く、存分に楽しめた。いつもはやっつけのアニメに足を引っ張られている感があってひっかかっていた活弁作品も今回は弁士の芸そのものを堪能できたし。
次回の秘宝館は年末の12月30日だそうだが、さすがにこれは参加不可能かなぁ。
体調が万全でない事もあり、鑑賞後は早々に帰宅。MF用の新規企画、唐突にタイトルだけ思いついたので、それを何とか活かす形でネタを膨らませる事にしよう。
2004年10月29日
ファミ通に新規企画書をメール。MFの方も着想の種くらいはつかんだので、これを上手く膨らませれば……と思っていたのだが、急に冷えこんだせいか体調が悪い。明日と明後日は「シネマ秘宝館」があるので早めに治そうと思い、たっぷり睡眠をとろうとしたら、先日も話題にした不動産会社からセールス電話が。しかも、今回は夜の0時過ぎ! 非常識にも程があるというのすらバカらしいくらいの時間だ。また何度切ってもかけてくる。
ウチの電話機は古くてナンバーディスプレイ対応してないから、非通知着信拒否にする事もできない。買い換えるなり、NTTに迷惑電話着信拒否サービスを申しこむなりすればいいのだけど、自分の生活の安全や快適性を守るためにある程度のコストはやむを得ないと頭では理解していても、不愉快で違法な連中のために出費を強いられるというのは率直に言って非常に腹立たしい。何とかああいう連中に法の鉄槌を下す手段はないものだろうか。
風邪も悪化しちゃったよ、ホント。
2004年10月28日
MFの担当さんから電話。先日提出した新規の企画書が差し戻しになる。『世界が終わる場所〜』が好評なので、次もあの路線というかムードを踏襲したいとの事。いやまあ、私はとにかく前作とは路線を変えたいという病気に取り付かれてるもんで、こういう話の振り方をされるのがいちばん苦手なのである。
それでも、拙作が評価されているというのは喜ばしい。何とか新しい企画を考える事にしよう。MFでダメ出しされた企画書もよそに持っていけばいいだけの話だし。
とか考えていると続けざまにファミ通の担当さんからも先日打ちあわせした企画の進捗状況について確認の電話。明日までには出せそうだと伝える。さて、頑張らねば。
2004年10月25日
AM学院の講義の後、エンターブレインの担当さんと打ちあわせというハードスケジュールの一日。担当さんは日をずらしましょうかと提案してくれたのだが、何度も東京まで出かけるよりは、という事で自分からこういう日取りにしてもらった次第。
先日出した原稿に関して、どうも修正するにしても展望が見えないという事で棚上げ(というかボツ)にするという事で合意。まあ、自分でもまるっきり納得できない出来だったのでこれは納得。着想は悪くなかったはずなのだけど、それを実際に小説にする段階での構造上の困難に先に気づかなかったのが敗因であった。
もっとも、それだけで終わってしまっては打ち合わせの意味がない。担当さんと3時間近くに及ぶ激論の末に、ちゃんと新しいアイディアをひとつ捻り出した。後はなるべく早くこれを具体的な企画書にまとめて実働レベルに持っていかなければ。
MFの『世界が終わる場所に君をつれていく』も出た事だし、あまり間を空けずに適度なペースで本を出せるようにしていかなければ。
2004年10月18日
友人知人と映画鑑賞会。今回は悪魔ヒーロー特集、即ち『デビルマン』『ヘルボーイ』のハシゴである。
鑑賞の順序とは逆だけど、まず『ヘルボーイ』。
原作についての知識はないので一本の映画としての素朴な感想になるが、特に優れたポイントのないフツーの映画だった。フツーに手堅いハリウッド風味娯楽作品。
異形の魔物でありながら普通の人間としてのメンタリティしか持っていないヘルボーイというキャラは魅力的。屋上での子供の会話とか、適度なユーモアがあるのも展開のメリハリとして好ましい。周辺のキャラが精神性からして特別な半魚人とか、逆に人間でありながら異常な能力をもてあましてるリズ、気遣う父親、偏見丸出しの上司と適切な配置。そして視点人物が特別に善良なわけでも極端に狭量なわけでもない普通人というあたり、実に手堅い。逆に言えば取り立てて驚く点とか特に褒める点もないっつーたらないのだけど。
最後に現われた邪神が爆弾であっさり吹っ飛ばされるような即物感はちょっと物足りなくもあるが、まあ、標準的な娯楽作としては料金分は楽しめる。少なくとも『ヴァン・ヘルシング』よりは破綻が少なかったかな。
さて、『デビルマン』。事前に「ある意味で『キャシャーン』以上」とか聞いていたので、かなり覚悟はしていた。事前に「我々も怪しいドラッグをキメてゴーゴー踊りまくって理性を吹っ飛ばしてから観にくるべきだった」とか冗談も飛ぶくらい。で、実際に観たら……確かにある意味では『キャシャーン』以上だった。しかし、完全に『キャシャーン』を超えているわけじゃない。むしろ『キャシャーン』を完全に吹っ切るくらいの大駄作だったら爽快とさえ言えるだろう。そうじゃなくて一長一短だから始末に悪いのだ。
私は原作を連載当時に読んでいたけど、原作との比較がどうこうという話じゃなく、とにかく一本の映画としてダメ。以下、具体的な問題点を見ていこう。
※『キャシャーン』と共通の問題点。
・描写がない
やたらとモノローグとナレーション代わりのニュースを多用するだけで、具体的な描写が伴っていないから、何が起きているのか、まるっきり説得力がない。「長大な原作をまとめる」というのはそうやって処理する事じゃないっての。ひたすら手間を省いてダイジェストしてるくせに因果関係は支離滅裂。
例えば、デーモンが世間に認知された時点での大衆のリアクションが描かれていないのに、いきなり学校でのミーコデーモン騒ぎになる。しかもあの時ミーコが学校に現われた動機、私服を着ている理由などまったくない。作り手の都合だけ。
もちろん、これはただの一例。デーモンが恐ろしいとか強いとか邪悪とかいう描写がほとんどないまま、最初から人類の方が悪いという描き方をしているので展開に驚きがなく、全体が単調で薄っぺらい。
・ダイアローグがヘタクソ
恐らく脚本家はいいセリフを言わせてるつもりなのだろう。大爆笑ものの「ハッピーバースデー、デビルマン」だとか。ところが、前後の脈絡も登場人物の感情の流れも無視して「カッコいい(笑)」セリフとか、原作から拾った使いやすいセリフを言わせてるだけ。感情や意思の裏づけのない「名セリフ」はいくら並べても空疎で失笑を誘うだけだ。しかも、そのセリフがかっこ悪いと来た日には。
・ユーモアがない
上記の『ヘルボーイ』の屋上シーンと比較すれば明らかだけど、ひたすらしかめっ面で小難しい事をぶつぶつ言ってるだけ。真面目で深刻なボクってステキというナルシズムだけで、展開のメリハリも、キャラクターの深みもない。どうしてこの手の日本映画ってこうなっちゃうわけ? 昔のアイドル映画の方がまだマシだぞ!
・時間や空間、感情の流れをコントロールできない
典型的なのはジンメンに喰われたクラスメートを探す展開だろう。時間と場所の記述がズタズタ。牧村邸がある住宅街はほぼ無傷なのに、外は瓦礫だらけの廃墟とか。
登場人物の心理もまるっきり一貫性なし。了が最初からデーモン(少なくとも合体している)と知っているのなら明はどうしてその事にもっとつっこまない? 最後の最後で「騙してた」などとほざく? 自分が気絶しそうな状況で了が現われ、敵をシレーヌと呼んだ事について何の疑問も抱かない? 作り手の都合でしか登場人物を動かさないから、抱くべき当然の感情や疑問を持たないまま、ただダラダラと絵が続くだけ。
・葛藤や対立がない
善良な人間は最初から無条件で完璧に善良。否定される対象は最初から矮小な悪として描き、登場人物が悩んだり、価値観をぶつけあって転向をしたりという事がない。了は最初から人間嫌いじゃ明との対立だって起きないだろうに。しかも、美樹は完全な聖女。こういうドラマ不在の話を書く脚本家って何を考えてるんだ?
ちょっと横道に逸れるが、牧村家を襲う暴徒が「見知った近所の人々」ではなく「どこの誰ともわからないブルーカラーっぽい集団」として描かれているところに監督の人間性が垣間見えたと思ってしまうのはさすがに偏見か?
※『キャシャーン』よりはマシな点。
・一部のキャラに艶がある
具体的にいうとミーコとススム。このふたりは演技もこの映画の中ではずばぬけていた。あくまで、この中限定だけど。
ミーコが後に「美しく」なってしまうところなど、監督の見識を疑うようなところも散見するものの、このふたりに関しては一応この映画の収穫と言っていいだろう。何しろ『キャシャーン』の方には魅力的なキャラがひとりもいなかったからなぁ。
・意味はわかる
少なくとも『キャシャーン』のような、何となく難解っぽくすれば偉いだろうという誤解はない。何でもかんでもナレーションとモノローグで説明しちゃうから、わかりやすいと言えばわかりやすいのだ。それがちっとも魅力的ではなく、むしろ別な問題点も生み出しているのだけど。
※『キャシャーン』より酷い点。
・矛盾だらけ
あっちは描写不足で意味不明な事が多いが、こっちは「わかりやすい、明白な矛盾」が山盛りだ。
シレーヌが極めて個人的な感情でデビルマンを襲った後でジンメンが「デーモンはデーモンを殺さない。喰うだけだ」って、シレーヌの行動は? デビルマンの危機をサタンが救ったのならサタンがシレーヌを殺したというのがいちばん自然な判断だと思うのだけど違うの?
中学時代の了がクラスメイトの指を切った時には何も言わなかったの? 俺は悪魔だって言ったの?
牧村家を特捜隊が襲撃した時に豪雨だったのに、雨が止んだ後には路面にも立ち木にも雨の痕跡がないのは何故?
これじゃ「戦闘が終わったら泥まみれのシャツが綺麗になっていた」先週の『ジャスティライザー』より酷いよ。
・不愉快なカメオ出演
これは見た人間全員が同じ感想を抱くだろう。全員がひたすら悪目立ちし、映像の流れを阻害する。小林幸子もKONISIKIも単なる当人にしか見えず、ボブ・サップもニュースキャスターという明らかに似合わない役。しかも日本国内のショッピングモールで延々と流れているニュースなのになぜか英語。永井豪に至ってはどうでもいいキャラなのに無意味に思わせぶりなアップで観客の生理に余計なひっかかりをつけてしまう。こんな中途半端なカメオでどうする? 話題づくりのためのカメオならせめてもっと大物を呼べよ。
・主役がド大根
『キャシャーン』は主人公がちっとも目立たないので、結果としてダメ演技の量が減るという怪我の功名があった。ところが『デビルマン』は学芸会以下の、声の大小強弱以外に表現の幅を持たない奴が延々とモノローグをかますのだ。しかも脚本が必然的な感情や心理の変遷を経ずに、何となく印象的なセリフを言わせてるだけなので、スジの通らない言動を大根が棒読みするのである。まったく救いようがない。
・映像がつまらない。かっこ悪い
ある意味でいちばん致命的なポイントはここ。『キャシャーン』は少なくとも映像はある意味すごかった。一応凝っているが、メリハリなく単調に繰り返すからすぐ飽きがきてつまらなくなったけれど『デビルマン』は地味で単調な学園シーンが長いのだ。しかも学園シーンもどんよりした曇り空ばっかり。後半との対比にもなってない。
アクションも酷い。明とケンカする不良たちがいきなり戦隊キャラみたいなファイティングポーズをとるとか、中学生の自主映画よりも情けない了のガン=カタごっことか、デーモンの能力では空飛んだだけで何故か落ちていた日本刀で敵をぶったぎるミーコとか(基本的に悪魔特捜隊って敵から攻撃を受けても一切反撃しないのな。まあ、五億歩くらい譲って「弱者には傲慢だが反撃してくる連中には無力」という描写だとみなしてやってもいいのだけど、それにしたって明が正体を現した時にぼうっと見ている理由にはならない。要は作り手の都合でしか動いてないわけだ)。
貧弱な肉体にごてごてメイクピースをつけただけのデビルサナギマンとか、どういう意図か黒髪が見えている頭のおかしなバレリーナにしか見えないシレーヌとかもみっともない。CGによる戦闘シーンや漫画風のエフェクトだって目新しいものでも優れたものでもない。空中格闘のシーンの迫力が何年も前の自主製作映画『バトル野郎』にも劣るってどういう事? 何億という制作費は何につかったの?
総評するなら『デビルマン』は原作からバカでもわかる安直なキーワードだけを拾い、何の意図もなく適当に並べただけの駄作。辻褄は合わず、ドラマは希薄どころか皆無。映像は凡庸で退屈。原作とは違ったものにする豪腕もなければ、原作をキレイにまとめる手際もない。
とりあえずシレーヌは出すけれど、何の意味もないキャラクター。ジンメンの「俺は食っただけ」も美樹の生首も、そもそもそれがどういう効果を狙い、どういう流れの中で提示されたシーンなのかも考えていない。真面目に映画を作る気などなしに、無気力なベテランが流れ作業で処理しただけだ。これに比べると『キャシャーン』にはまだ作り手の「意思」が存在していたぞ。
『キャシャーン』は凡庸なダメ映画だが、『デビルマン』はダメ映画として突き抜ける事さえできない「駄作」だ。話のタネとしての価値も低い。『キャシャーン』や『ハットリ君』もダメだったが、今のところこいつが今年のワーストだな。
2004年10月15日
溜まっている本のうち、桜庭一樹さんの『推定少女』を読む。
出来の良さはさておき「主人公は受験を控えた中学三年生、舞台は地方都市。宇宙から謎の物体が落ちてきて、主人公は電波系の不思議な美少女と出会って旅をする」という道具立てが完全に『世界が終わる場所へ君をつれていく』と被ってしまった。もちろんまったくの偶然なのだけど、知らない人が両方読んだら同じネタで競作したとでも邪推するんじゃないだろうか。
ま、これもとりあえず話のタネくらいにはなるかな。
2004年10月13日
8月からずっと難航していたファミ通の新作がようやくアップ。担当さんからも「そろそろ進行状況を報告してください」というメールも来ていたので、何とかこれ以上の迷惑や心配をかけずに済んだというところか。まったく、連日しつこい不動産電話がなければ先週末には何とかなったはずなのに。
ただ、正直自分の目から見ても完成度は低い。まだまだ手を入れるべき点は多く、担当さんの意見を容れていく事になるだろう。どうも最初に着想を得た時はいけそうに感じたのだが、実際に執筆すると書いても書いても面白くなるような気がしない。自分が執筆しているのだから「気がしない」とか生ぬるい事は言わずに「面白くする」と言い切らねばならないのだがなぁ。
もちろんこれでひと段落というわけではなく、自分なりの改稿プランも考えねばならんし、MFの次回作の企画書も進めねばならんし、溜まってる本も読みたいし……。
2004年10月8日
ここ数日、不動産関係の迷惑セールス電話に悩まされている。何しろ、夜の10時台や11時台にさえかかってくるのだ。何度断って切ってもしつこく電話してくる。果ては、フレンドリーな人間を装っているつもりなのか、全然関係ないスポーツの話とかを始める始末。こっちはこの時間でも仕事中だ。そもそも、一度はっきりと断った相手に売りこみ続けるのは特定商取引法で禁止されているのではないか? 向こうの立場からしたって、はっきりと断り、あからさまに敵対的な態度を表明している私にしつこく電話する暇があるのなら、次のターゲットに移った方が効率がいいだろうに。
いくら「将来は実家に帰る」とか「興味ない」とか「迷惑だ」とか「必要ない」と言っても無視。しかもこっちの仕事だとか家族構成だとか生活習慣だとかを聞き出そうとする。とうとう腹に据えかねて「自由業で長期のローンがそもそも組めない身分です」と言ったらいきなり口調がヤクザもどきになって「……ンだよ。だったら最初からそう言えよ。そしたらこっちだって何度も電話かけなかったんだよ!」。
あのなぁ、こっちが頼んだわけじゃない。いくら断っても真夜中に一方的に電話してきたのはそっちだろうが。で、そのセリフを聞いてから最初に向こうが名乗った会社名と名前を確認したら「本当の名前、喋ったと思ってんのかよ。バーカ」。信じられない事に、これで切った後でまた何度も電話してきた(繰り返すが、夜の11時過ぎ)。こっちもとうとう最後には受話器を外して放置するしか打つ手がなくなった。時間が時間だから、ベルを放置するのも近所迷惑になっちゃうし。
こうなると売込みが目的じゃなくて相手を不快にしたいだけとしか思えないよ、P社のTさん。私がこれから先、大ベストセラーを飛ばしてぽんぽん土地やマンションを買うようになっても、御社とだけは絶対に契約しない(これは獲らぬタヌキの皮算用というのも空しい話だが)。
もし、今目の前に神か悪魔が現われて、お前の願いを何でもひとつだけ叶えてやろうと持ちかけたら、私は世界の恒久的平和でも素晴らしい小説を書く能力でもなく、この手の電話セールスの撲滅とか、しつこい電話営業をやってる人間が一生直らない痒みに苦しめられるとか、そっちを選択してしまいそうだ。
これから原稿を書こうという時にこの手の電話がかかってくると、精神状態が乱れて仕事にならんのだよ、ホント。
付記:後日、同じ会社の別な人間からセールス電話がかかってきた。そっちははっきり断ったら一度で引き下がったが、明確に拒絶し、しかも不快にした相手に電話かけても無駄だというのがわからないのか? 頼むからブラックリストに入れてくれよ。こういう会社ってのはデータベースの共有とか管理とかいう概念がないのか?? そんな非効率的かつ無駄が多いやり方で、下手なセールスマンに闇雲に電話かけさせたって人件費や電話代がかかるだけで成績なんかちっとも上がらないだろうに。
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