日本風景街道・覚書(080421)

 4月2日(水)に日本橋・三越劇場で「日本風景街道,地域再生へ新たな鼓動 歴史・文化・環境からの地域再生―日本風景街道に響く新たな鼓動」というシンポジウムを聴講しました。随分時間が経ってしまいましたが,メモからドカドカと覚書。

◆地域おこしの3つのポイント

 (1)住んでよし訪れてよし (2)地域主役・行政支援 (3)交流

 地域おこしの話を聞くと,組織や仕事(仕掛け)のつくり方の勉強にもなります。(1)所属してよし異動で来てよし(2)現場主役・管理部門支援(3)部門間交流活発…といった読み替えができます。“ほうれんそう 求める上司が 秘密主義”なんて川柳まで思い出したりして…。

◆第1部 :「日本風景街道」地域からの報告
○「やまなみハイウェイの環境再生」溝口薫平氏(由布院玉の湯会長)

 全国まちづくり人の「神」のような伝説の人。何よりもこの人の話を聞きたかった。由布院は何の取り柄もない地域だったが,環境(これは実はイナカという“自前の価値”なんですが)を重視して必死に取り組んできたという話。これまでは各地域がそれぞれで活動していたが,「やまなみハイウェイ」を生かし,連携していくとのこと。

○「古道を掘り起こす東北の動き」後藤靖子氏(山形県副知事)
 東北には自覚大師(円仁)が開いた寺が多い。山寺,中尊寺,瑞巌寺など。奥の細道で芭蕉は156日中43日を山形で過ごした。山形には出羽三山(羽黒山,月山,湯殿山)があり,多くの行者などが来た。古い道がたくさんあり,それらの伝説などを掘り起こして地域づくりに生かしている(ここでも自分たちの持っているものを再確認して生かそうとしています)。後藤さんの詳しいキャリアはよくわかりませんでしたが,話しぶりからは,いかにも“賢い・デキる!”という感じがいたしました。

○「水と緑の回廊−御堂筋・中之島」成松孝氏(NPO法人長堀21世紀計画の会理事長)
 
道路からまちを活性化させる。大阪は水のまち(こういう根っこのキメがあれば自分を見失わないんですね。地域のアイデンティティ)。道に水を加え,さらに緑の回廊も考える(足場をしっかり固めてから事業展開。普通はこうです)。大阪は4団体が連携してまちづくりに取り組んでいる。

○「渥美半島 菜の花と潮騒のエコロード」渡辺澄子氏(田原市エコエネ推進室長)
 
田原市エコロードを推進中。田原市は人口6.6万人,2.1千世帯。東西30kg。渥美半島先端のまち。3町合併したところでいろいろな障害もあったが根気よく調整して「基本構想」をまとめた(これが大事。共通理解=信頼ができれば,その後の展開は早い。ここをいい加減にしていると,相互不信やら毎度同じような調整で消耗戦が続く)。渥美半島ナノハナロマン街道とか。さらに環伊勢湾地域の交流を図る。

○「五街道から風景街道へ−―甦る日本橋」 細田安兵衛氏(名橋「日本橋」保存会副会長)
 江戸と京都を結ぶ東海道を主線として,中山道,甲州道,日光道,奥州街道の五つを「五街道」と言う。日本橋は関東大震災,東京大空襲でも大丈夫だった。3/9-10の焼夷弾の跡が結構残っている。夏休み最初の日曜日に橋を洗うイベントあり。メリルリンチ日本証券に勤める外国人も参加するとのこと。この「日本橋洗いの日」を日本全国の有名な橋(新潟・万代橋,岩国・錦帯橋,京都・三条大橋,長崎・眼鏡橋など)を洗う日にしたい。日本橋については,日銀がいろいろ協力してくれてありがたい(名橋「日本橋」保存会の封筒を見ると「三越業務推進部気付」となっているので,三越も十分協力している模様)。江戸っ子はスポンサーはきらい。いかにも助力してまっせ的宣伝は性に合わない。ひっそりパトロンならオッケー(“全面企業広告都バス”なんてぇのは…???)。日本橋は街路樹はやめた。花壇にした(外に出て見てみたら確かにそうだった。これもこれで見識ですね)。

◆第2部 : 意見交換「日本風景街道 各ルートの報告を聞いて」
<パネリスト>   
 中村良夫氏(東京工業大学名誉教授)
 後藤靖子氏(山形県副知事)
 細田安兵衛氏(名橋「日本橋」保存会副会長)
 溝口薫平氏(由布院玉の湯会長)
<モデレーター>
 森野美徳JTM客員研究員(都市ジャーナリスト)

※いろいろな話があったが,私には特に印象に残る話は多くなかった。森野さんという方は,しゃべりはあまりお得意ではないようだったが,知識はかなり豊富な感じがした。また中村先生は皆からかなり尊敬されていた。私はまちづくりに関しては,結構人を知っているつもりだったが,存じ上げませんでした。行政学とか地方自治の人でなく,もともと技術畑ご出身の方。

※中村先生の3つのご感想など:風景街道に参加している地域・活動は,(1)多様性がありかつ奥行きがある。地域の多様性:東京・大阪の大都市,山岳信仰の出羽三山,熊野古道といったものもある。(2)出会い―交流がある。(3)観光地としても魅力的。観光は国家戦略にもなってきている。ソフトパワー。シンガポールの話など。それと最後に風景街道は道州制とも結びついていくかもしれないとのお話あり。


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