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北海道B型肝炎訴訟最高裁判決(最判平18.6.16)/患者側全面勝訴(060617)
2006年6月16日に画期的な最高裁判所の判決が出ました。訴訟に関わった皆様,本当にお疲れさまでした。おめでとうございます。私も「ついに国の失敗が全面的に認められた」(北海道B型肝炎訴訟について(2000.4.2))と気分がすっきりいたしました。下は本日6月17日の読売新聞朝刊と日本経済新聞の1面の一部です。
さて。この判決は最高裁判所のものなので,単に「肝炎患者にとっては」というレベルの話ではありません。国家の賠償ということを考える上で,この判決の影響は相当に大きいものと思われます(と,判断できるから読売も日経も1面で取り上げたのでしょう)。
ただ,C型肝炎患者の数も含めますと肝炎患者だけでも300〜400万人もの「潜在原告」が想定でき,しかも「予防接種の注射器の使い回しが感染の原因」とされる病気はウイルス性肝炎に限られないことを考えると,私は,今回の判決は確かに画期的(この判決を最高裁判所から引き出した皆様には,重ねて心から敬意と感謝の気持ちを表明します)ではありますが,今後,広く援用することは現実的ではないし,困難であると考えます。当然,財政的制約があるからです。
私たちは,松下圭一先生のお言葉を拝借すれば「政府といえども絶対・無謬ではない」ことをきちんと認識したうえで,今回のような事件があったときに,では,どうするかと考えるしかありません。この判決によって,ようやく「では,どうするか」と考える段階への門戸が開かれたということだと思います。この「政府の失敗」が裁判所によって認定され,政府が「では,どうするか」と考えざるをえないようになったことの意義は大きいです。原告の皆さんの頑張りがなかったら,多くの方々が「泣き寝入り」するしかなかったのですから。
それにしても,対策を講じなければならないと考える前提である「失敗でした」と政府が認めるまで17年もかかってしまったのは遺憾です。これは多くの人の「保身」がもたらした「二次的人災」でしょう。責任を認めないで逃げ抜けた厚生官僚や自治体の医療保健行政関係者,医師,看護士などの医療関係者が多々いた(る)こと,その間に失われた社会的利益のことを思うと眩暈がします。が,一方,この歳になると,それを恥じらいなく指弾する厚顔にもなりきれない。「保身」は本能ですものねえ。誰にでもあります。
そんなことを念頭に置いて,より社会的被害を最小に留める,政府(地方政府を含む)と住民の関係を,私たちはすったもんだしつつ取り繕っていくしかないのでしょう。クールにね。おかげさまで,今回,少なくともウイルス性肝炎については,話し合うテーブルが確保されました。
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