『絵と文・南伸坊』南伸坊,『道化の民俗学』山口昌男(020306)
 オークションで買った南伸坊さんの本と山口昌男先生の本を交互に読んでます。南伸坊さんのほうはこれで一服(実は『南伸坊の顔遊び』というソフトがあるのですが,こちらはいつ遊ぶかわかりません)。山口先生のほうはあと2冊残っています。

  

■『絵と文・南伸坊』(南伸坊/廣済堂出版/定価1,100円)
 この本は1984年9月が初版。私が読んだ本は同年10月に出た3刷です。
 定価1,100円という表示が懐かしく,そういえば消費税っていつだっけかな,とちょいとサイト検索。すぐわかりました。消費税は1989年4月1日からだったのですね。最近の本は「定価:本体1,800円+税」なんて表示がしてありまして,これならいつ消費税率が上下してもカバーなど刷り直す必要がないわけなんですね。税込の代金は書店の店員さんがその時の税率に合わせて徴収してくださる,ト。んなことはともかく…。これまでに読んだ伸坊さんの本の中で,文章は最も退屈だった,ト,残念ながらそう思います。あまりにも読者ウケを狙いすぎた文章になってまして,それが伸坊さんらしくありません。凝りすぎた細かい言い回しが鼻についてしまいます。もしかすると先日読んだ『モンガイカンの美術館』が非常によかったので,今回の私の採点基準が辛くなってしまったのかもしれませんが…。ただ,この本には伸坊さんのイラストがふんだんに,思う存分やりたい放題に入ってまして,こちらだけでも十分楽しめます。伸坊ファンで「読んでない,見てない」というコトだと,ちょっとマズイと思われます。

■『道化の民俗学』(山口昌男/筑摩叢書/定価1,800円)
 1985年2月の初版本。四六判350ページ。この本に収められた大半の文章の初出は1969年。山口先生は1931年生まれですので,37〜38歳頃書かれた文章です。随分力の入った記述があります。いま読まれたら先生は恥ずかしいかもしれませんが,私は若手の方の「婆娑羅ぶり」とか,いまのNHK大河ドラマ調で言うと「歌舞く」(かぶく/字合ってますかね?)って感じの文章は大好きです。しかし,昔から山口先生はど〜っと入れ込んじゃう方なんですね。ホントによく勉強されている方で,この頃書かれたものを見ても,エライ物知りな人だなあ〜と感心してしまいます。先生はいつも段ボール箱を持ち歩いておられ,その中は資料で一杯という伝説を聞いたことがありますが,ホントだろうと思います。先生は論文の構成がお上手で,中心と周縁というか,いろいろ回り道してどおおっと「どこまで行っちゃうんだあ〜」という感じで文章が大展開するのですが,きちんと最後は中心に着地してくれます。個別の文章は言い回しがむずかしいので,残念ながら読みやすくはないのですが,「ほう〜」とか「ふ〜ん」という感じで読んでいるとさほど苦になりません。先生の書かれたものを読んで,知的水準の高い方はきっと大きなショックを受けるのでしょうが,私はただ先生が連れていってくれるところの景色を見ては感心するという,ご隠居と熊さん八さん関係のようでした。(^_^;) 本文中にいろいろな図版があり,これを眺めるだけでもかなり楽しかったです。キーワード:道化,アルレッキーノ,ヘルメス,悪魔,祝祭空間,豊饒霊,シャーマン,ジョーク,王権と道化,文化英雄,エシュ,エロス,トリックスター,クリシュナ,ヘーラクレース,地母神,両性具有。何となくこれで内容は想像していただけるでしょうか?


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