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『生きる意味』上田紀行(091003)
『かけがえのない人間』のほうが後から出たのに,そちらを先に読んでしまった…。
■『生きる意味』(上田紀行/岩波新書/本体:740円)
本書は2005年1月20日第1刷。私の手元にあるのは2007年6月5日の第13刷。すごいですねえ〜。これだけのタイトルの本で文章を「持たせる」ことができる力量なんですねえ,上田先生は。ちょっと引用。
文化人類学を専攻する私は世界を旅することが多いが、この地球上には、日本のような物質的な豊かさを享受していなくても毎日幸せを実感しながら生きている人たちがたくさんいる。(10ページ)
本書はこうした事実をまず挙げておいて,その後,構造改革やグローバリズムを批判していきます。この部分は,私はちょっと異議ありなのですが,たとえば,
「構造改革」後の社会は、「競争」と「評価」が軸になる社会である。会社においても私たちは常に評価され、評価が悪ければリストラされても文句は言えない。(90ページ)
というように,日本の社会は物質的には豊かになったのだけれども,なんとも人々を不安にさせるようなものになっていることを指摘されています。その確認した後で,
いま私たちの社会に求められていること、それは「ひとりひとりが自分自身の『生きる意味』の創造者となる」ような社会作りである。(132ページ)
おお。これこそまさにチチ松村さんが言う,茶人の生き方(『それゆけ茶人』)であります。そうなんすなあ。いい加減,経済成長至上主義という強迫観念から企業も家庭も抜けだしたほうがいいですよね。欲望は果てしないから,常時不満足みたいになってしまいますものねえ。
さらに「生きる意味」に関する先生のお話は続きます。これは良書ですねえ。内容も濃く,読み応え十分です。
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