『娘に語る祖国』つかこうへい(091003)

 この本の広告を見たとき,読みたいなと思いました。が,お金がなかったんでしょう,そのままになってしまいました。

■『娘に語る祖国』(つかこうへい/光文社/本体:952円)

 本書は1990年10月に第1刷発行。私の手元にあるのは1996年の第19刷です。すごいロングセラーなんですね。何と19年経って,BOOK-OFFで購入。

 つかさんは在日韓国人二世。差別的なことを言ってくる日本人に…

 「バカ野郎、オレたちだって好きで来たわけじゃねえぞ」(中略)と対抗し,また
 韓国に帰ったところで言葉もわからないし、お金を稼ぐこともできないだろう
(33ページ)というのも現実。

 先日,不法滞在していたフィリピン人の家族のことが問題になりました。子どもは日本で生まれ育って,日本語しか話せない…。在日二世以降,同様の人たちも少なくないことでしょう。ふ〜。

 つかさんが韓国に行って空港の税関を通るときの話。

 「お前は韓国人のくせに、なんで祖国の言葉がしゃべれないんだ」(中略)
 「あんたは母国の言葉をしゃべれなくて、恥ずかしくないのか」
(中略)
 「だから、おまえら在日韓国人はダメなんだ」
(中略)
  パパは、涙をいっぱいためた目で、
 「これが遠路はるばる来た同胞を迎える態度か。生まれた場所がたまたま日本だったというだけのオレらに、何の罪があるんだ」
(84〜86ページ)

 娘さんに語るというスタイルでしんみりくるところもあれば,悪のりをしているようなところも多々あり,読者はつかワールドにどっぷりとはまります。興奮しまくった後,最後には泣かされる…といういつものパターン。でも,これが心地いい。


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