『オレゴンの旅』ラスカル=文,ルイ・ジョイス=絵,山田兼士=訳(090904)

 歳のせいか,このところ超早起き。3時ぐらいに目が覚めたりして。 で,同じような人は少なくないらしく,NHK-FMでは「ラジオ深夜便」とか明け方には明らかに若くない人を対象とした番組をやっています。その中で最近,いつだったかは忘れましたが,落合恵子さんが紹介されていたのが本書。うとうとしながら聴いていたのでよく覚えていないのですが,これは読まなきゃイカンと強く思ったことだけ記憶に残って,その日の昼にAmazonで購入。

■『オレゴンの旅』(ラスカル=文,ルイ・ジョス=絵,山田兼士=訳/セーラー出版/本体:1,500円)

 ぼくの赤い髪は風になびいて、
 ぼくは突っ切って行く、ヴァン・ゴッホの風景の中を…

 と,書かれたページの絵(カラスが飛び立つかも?)を,何と左右反転して表紙にしています(上)。これはアリなのか? と思いますが,まあ,ルイ・ジョスさんはオッケーしたんでしょうねえ。普通はありえないと思いますねえ。カンディンスキーだったか,抽象画の作家が逆さに置いてあった自分の絵を見て,「これもいいねえ」と言ったという話を聞いたか読んだこともありますが…。

 話はピッツバーグあたり(合衆国の東側)でサーカスを飛びだして(合衆国の西側。東からはロッキー山脈越えの)オレゴンを目指す,オレゴンという名の熊とピエロの物語。

…こんなシーンがあります。

 夜明けに、ぼくらはヒッチハイクをして、スパイクという人に乗せてもらいました。(中略)
 スパイクがぼくにたずねました。「なんであんた、赤い鼻つけておしろいなんかぬってるんだね? 舞台の上でもないのにさ。」
 「顔にくっついてとれないんだ。小人やってるのも楽じゃないんだよ…」
 「じゃあね、世界一でかい国で黒人やってるのは、楽だと思うかい?」

 ぼくたちふたりは、よく似ています… ぼくは何も言えませんでした。

 ペルソナ(仮面),パーソン(人間)…なんて言葉がいきなり頭の中でグルグルしました。美しいラストシーンでもいろいろ考えさせられます。答えは出せませんが…。

 本書は1995年11月第1刷発行。こんな古い本を何で落合恵子さんは紹介されたのかなあ? と思いますねえ。それと,本書の原題は「LE VOYAGE D'OREGON」で,もともとはフランスの絵本だというのにはちと驚きました。


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