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『娘たちへ 母から娘に伝える人生に大切な80の知恵』福島みずほ(090808)
福島みずほさんの著書を読むのは,2007年11月に出た,雨宮処凛さんとの共著の『ワーキングプアの反撃』以来。ほぼ2年ぶり。
■『娘たちへ 母から娘に伝える人生に大切な80の知恵』(福島みずほ/岩崎書店/本体:1,000円)
たまたまなんでしょうが,衆院選直前のこの時期に,福島みずほ社民党党首の随分可愛らしいデザインの本が出ました。「政権交代」だの「マニフェスト」(何だっけ…政権公約か。ついこの間までは選挙公約とか言ってたのにね)だの「国民本位」だのという,眉間にシワを寄せて(拳を振り上げて?)語る「高レベル」なことばかりじゃなくて,本書にあるような生活に密着した身近な事柄について,政治家(特に政党党首)がどう考えているのかを知ることもかなり大事だなあと思ったことでした。想定される大きな課題への政党ごとの対応はマニフェストに書いてあるけれど,個々の議員については,小さな課題や想定外の事態に遭遇したときに信頼できる政治家なのかどうかはなかなかわかりませんものね。
本書では,社民党党首・弁護士・大学講師としての福島みずほさんは直接的にはほとんど顔を出していません。カバーのデザインどおり,母親がキッチンのテーブルで娘に話すような,また,おばさんが喫茶店で親戚の娘さんと話をしているような感じの文章が収められています。肩に力の入っていない自然体の文章。多分,楽しんで,リラックスしてご執筆になられたのでしょう。ちょっと本書から引用。
子どもにとって本当に辛いのは、「世間」や「赤の他人」に批判をされたり、理解をされないことではない。身近な人、たとえば、親に理解をされなかったり、批判をされたり、反対をされることだ。(34ページ)
んだんだでございます。ホント。この「子ども」を「若い社員」,親を「上司」に置き換えると,企業の管理職の常識にもなります。たったこれだけのことが家庭と社会に浸透していれば,世代を積み重ねていっても,少なくとも下から上への敬意は確保できます。「お年寄りを大切に」なんてスローガンを掲げる必要なんて生じないはずなんですよね。こういうのが「国の美しさ」の一要素だと思いますねえ。将来世代を大事にする世の中(政治もその一要素ですが)であれば,年金問題も公的セクターの大借金問題も,ここまでひどいことにならなかったんじゃないですかね? 今さらそんなことを言っても仕方ないですが,そんな次第なので,現状の延長線上にはいいことはないだろうとは予想できますよね。
もう1本。
社会は複雑で、いろんな問題がある。
自分が動いたぐらいで、なにが変わるわけでもないと思うかもしれない。しかし、自分が動いたって変わらないとすべての人が思っていたら、結局、なにも変わらない。
(中略)
もう少し、社会に対して貢献する、という気持ちがあったらいい、と思う。(145ページ)
若い人たちには,「“ウチら”なんてのはとても狭い社会なんだぜ」と言いたい。狭い社会に閉じこもって選挙にも行かないでいると,“ウチら”の外でどんどん進む高齢化社会の中で,若者は下手をすると「搾取される一方のマイノリティー」ってな感じになっちまうぞと警告したい。そして,“ウチら”だけじゃないもっと広い世界で貢献し,認められる(その社会の一員となる)ことを考えてもらいたい。本書には,凹み気味の人にも前向きの人にも有用な「愛情と勇気と知恵」(「おわりに」より)が満載。上の引用文でも「社会」を「会社」や「学校」に置き換えて読んでもいいですね。お母さんはいいことを言うんだ。やっぱり。今後,わが家では,大学1年生の娘に読ませます。男性の私にはわからない,さらなる効用がきっとあるでしょう。(^_^)
※2009年衆院選間近という発行時期が時期だけに,こういう一般の人の感覚を持った方たちをもっと国会で増やさないと,と,どうしても思ってしまいます。
※そうそう。この本,サイズが『政治家を疑え』(高瀬淳一)と同じ新書変形判とでもいうのでしょうか。天地は新書サイズですが,左右が10ミリぐらい大きいです。流行ってるサイズなんですかねえ???
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