『おやじ国憲法でいこう!』しりあがり寿・祖父江慎(090620)

 どうだろう,このタイトルは…と,思いましたなあ,この本を見たときは。帯の「若いって、ダメじゃん。」はいいと思いますけど,イカンながら「憲法=形骸化した古い決まり」というのが一般的なイメージなんじゃないですかねえ。9条を知ってれば上々だったりして…。

■『おやじ国憲法でいこう!』(しりあがり寿・祖父江慎/理論社/本体:1,200円)

 「臓器移植法改定A案の本質とは何か 「脳死=人の死」から「尊厳死」へ」(小松美彦『世界』2009.8)。ちょっと番外の覚書。臓器移植の問題は実にムズカシイ。このムズカシイ問題をどう考えるか。とりあえず「やっぱり,ちょっと待ってくれ」というのがおおかたの国民の意識だと思います。しかし,国会では(法制定に次いで)またまた近々(来週?)改定の結論が出そうな勢い。医療費削減とあわよくば臓器移植ビジネスでの景気浮揚(内需拡大!?)までこっそり見込まれている模様でヤバイことこの上ありません。私は「臓器移植ビジネス」に加え「姥捨て子殺しDV殺人」などまで誘発しかねない気がします(一方,「脳死刑」とかできたらメチャクチャ怖いので,犯罪抑止効果がありそうだ,なんて思ったりもして)。小松美彦先生の懸命の警告が,世に広まらないのが実にもどかしい。キモの部分の引用はできませんが,本論文の文末を読むと,心底ゾッと来ます。でも,本当は先生はもっとおっしゃりたいことがたくさんあったという感じ。調子や分量を抑えて,この文章になったということでしょう。

 「幸せな状態」というのは、この世には、ない。
  世の中にはただ、「幸せな瞬間」ばかりがあるのである。
(112ページ)

 状態は常態と読み替えてもよさそう。長女は,こういう本を買って,こういう文章を読んだんですなあ。結構,結構。どう消化したかはわかりませんが,幸せは長続きしないとか,幸せはどこにでもあるが,それを瞬間的につかめるかどうかには,修行がいる…とか,考えたんでしょうかねえ? いい勉強だ。

 よく錬られた文章です。しりあがり寿さんと祖父江慎さんが,どこを執筆されたのかわかりませんので,おそらく,いちおうお二人で(あるいは片方が)原案を執筆した後に,議論や文章のやりとりをして修正を重ねられたものなのでしょう。Amazonのレビューを見ると,支持不支持が入り乱れておりますが,私は好意的なほうに加わりたい。ちょっとシャレをきかせて真面目なことを考えるってのがまあ,いまのスタイル。前髪垂らして,暗い部屋で紫煙の中,ウイスキーかなんか飲みつつ…なんてのも,大先生にお説教していただくのも,ど〜も違うなあ〜って感じなんですね。

 照れ隠し的な変化球の本書もムズカシそうだなあ…という方には,小中学生向けでガツンとストレートな『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)がオススメです。

    


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