『流れる星は生きている』藤原てい(090606)

 本年2月19日の日本経済新聞夕刊一面の「あすへの話題」というコラムにおいて,画家の安野光雅さんが「流れる小さな星」と題した文章で,本書を紹介されていました

■『流れる星は生きている』(藤原てい/中公文庫/本体:621円)

 速攻でAmazonで購入。生まれて1か月の赤ん坊を背中にしょって,6歳の長男と3歳の次男(これは冒頭13ページの記述によっています。318〜319ページでは,当時長男5歳,次男2歳となっています。こういう齟齬がそのままになっているってどういうことなんでしょうねえ? 不思議…)を連れて,ソ連が参戦した昭和20年8月9日に満州の首都・新京を出て,艱難辛苦の末,約1年後(21年8月26日)に釜山に至り,21年9月中旬(博多上陸が9月12日)に故郷・諏訪に戻るまでの引揚げの記録。まさに死の淵を何度も転げ落ちそうになりながら,時には乞食のようなこともし,嘘もついて母子4人,生き延びてきたことが,驚くべき鮮明さで語られています。次男は,あの『国家の品格』を書かれた数学者の藤原正彦さんです。妻子と一緒に帰れなかった夫は,新田次郎。

 こんな文章があります。

 私は最後の時が来たらこの紐で子供たちを殺し自分も死のうと考えていた。(中略)どうせ死ぬなら死ぬところまで行って死ねばよい。私は勇気を出して立ち上がった。(203ページ)

 アル中のアタクシのなんと弱っちょろいことか…。

 安野さんによると,本書はかつて大ベストセラーになったそうです。日本人の必読図書のうちの一つですねえ。これも。わが家では,まずはツマ行き。


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