『ダイエット・セラピー』アレン・カー(090525)

 読むべくして読んだ本というところ。アレン・カーさんの本を読むのは,『禁煙セラピー』『禁酒セラピー』と来て,本書で3冊目。

■『ダイエット・セラピー』(アレン・カー/阪本章子・訳/KKロングセラーズ/本体:905円)

 このKKロングセラーズの,アレン・カーさんのシリーズでは,『女性のための禁煙セラピー』というのがありますが,男の私としてはこの3冊目で打ち止め。禁煙・禁酒・ダイエットと,アレン・カーさんの課題は私と同じ。であるにも関わらず,アレンは(おそらく)大金持ちで,アタクシがビンボな一読者であるのは,禁煙こそ『禁煙セラピー』を読んだ2007年11月から継続しているものの,禁酒はできず,ダイエットは現状うまく行かず,短期的には成功することがあっても「リバウンド王・桜木花道」状態ということを繰り返している…なんてなところに根本原因があると思われます。んなことはともかく。

 で,本書では,Easyweigh(Easy=簡単とweigh=体重を計るの合成語)ということが何度も言われます。これは,Easy way(=やさしい方法)と同じ発音。んなこともどうでもいいことで,われわれ読者としては,「ムズカシイことは考えず,理想の体重を維持するというのはやさしい」と思って本書に書いてあることを“実行”できる(あるいはしてもいいと思える)かどうかが問題です。

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 アレン・カーさんのセラピーは,毎度実にシンプル。(1)現状を理解する,(2)無理をしないでできる対応策について理解する,(3)実行する…これだけ。

 特にすごいのは(2)でして,この『ダイエット・セラピー』でいうと,「食べるのを我慢してしまうと,食べられなかった不満がたまって,結局どこかで反作用のように食べ過ぎてしまう。だから我慢とか自制などせずに,理解したことを“ごくごく普通に当たり前のこととして(喜びを感じつつ…なんてことも強調されます)”実行するようにしましょう」という話になります。

 タバコと酒だと,大金を払ってせっせと毒を摂取して,最後は肺がんとか胃がん,アル中になって高額な医療費を払った上,あの世行きとか,身の破滅になるって,大バカじゃん…という話で,実にわかりやすいんですが,「デブ問題」となるとなかなか,ね。

 本書で,いい例えが出てきます。一晩で10kg太ったら,誰だって大慌てで病院に行ってお医者さんに診てもらうはず。そして「大した問題ではありません。ちょっと食生活を変えるだけで治ります」と言われれば,大いに安心・反省して,お医者さんの言いつけを守るでしょう…と。

 ね。確かにそうなんですよね。糖尿病とか心筋梗塞とかになる前の「ただのデブ」のうちに,お金もあまりかけないで「リスク回避」しておきましょう…というお話。

 アレックス・カーさんの話は,近頃流行っている「行動経済学」で言うところの,「アノマリー」(例外)の先取りのようで面白いです。「危険回避」とか「時間選好」とか,今日的な経済学上のテーマについて,その人間行動の不合理性を指摘・理解して,より合理的に個々人のミクロな行動を変化させようとするんですねえ。経済学の側から言うと「行動経済学的認知行動療法」なんてな感じでしょうか? 心理学側から言うと…。ま,アレックス・カーさんにしてみれば(小泉さんの「マンキューだかサンキューだか知らないが」みたいに)私は,みんなに幸せになってもらいたいだけで,経済学だの心理学だの医学などなんてことに興味はありませんとおっしゃることでしょうが…。


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