『圓生全集 第一巻』三遊亭円生・飯島友治・東大落語会(090502)

 CD『圓生百席』をひととおり聴いた後,落語についてもう少しイロイロ勉強したいのはよいとして,次はどうするかなと,ちと考えました。『圓生百席』に入っていない噺の圓生さんのCDを探すか,別の人のCDを聞くか…などなど。で,結局,今度は本で『圓生全集』を読んでみよう,ということにしました。地元の練馬区の図書館の蔵書を検索。全9巻揃っていました。やったね!パチパチパチ! まあ,『圓生百席』に次いで,このお勉強もかなりの時間を要するのがミエミエであります。

■『圓生全集 第一巻』(三遊亭円生・飯島友治・東大落語会/青蛙房/定価:2,800円)

 本書の初版の発行は昭和42年。私の手元にあるのは昭和55年発行の第五版で,右下の写真の奥付の著作権の表示は「山崎はな・飯島友治・東大落語会」となっております。圓生さんの本名は山崎松尾で,昭和54に亡くなられたため著作権表示はおかみさんの「はな」さんのお名前になっているんですね。初版から第四版までは圓生さんのお名前だったことでしょう。というわけで,本記事のタイトルでは円生さんのお名前とさせていただきます。さて,この右下の写真の奥付で,さらに“おお〜”と思うのは,「三遊亭圓生」名の検印とナンバリングが,カエルが描かれた用紙(多分,青蛙房の用紙でしょうねえ)の上に押されているんですね。検印ってやつですねえ,これ。そうそう,青蛙房ってのもなかなか読めませんよね。「せいあぼう」です。現在もあります。

 本書はB6判・約700ページのハードカバー。活版印刷でございます。元々は第一巻でも上(338ページ)と下(368ページ)の二分冊だったようですが,本書はそれが一緒になって,大きく「第一巻上」と「第一巻下」の2部構成になっております。上下それぞれ,冒頭はモノクロの写真,次いで円生さんの噺(これ話したままの言葉。業界でいう“速記”というやつでしょう。多分),それから各噺についての対談や輪講でウンチク等を深め,最後は風俗語や風俗の解説という実に凝ったツクリ。文化人類学や民俗学にも興味があるワタクシとしましては,誠にうれしい企画であります。

◆演者:三遊亭圓生
◆編集構成責任者・解説:飯島友治
◆編集委員:山本進・馬場浩一・吉田章一
◆撮影:篠山紀信(今から見ると「発行当時はこれで十分だったんですよね?」と確認したくなってしまうデキであります。『圓生百席』でバリッと撮れてよかったですねとお慶び申し上げますでございます)

 図書館の本はカバーがはがされているのが,残念ですねえ。どんなカバーだったのか見てみたいものです。それと,多分,皆さんの略歴などはカバーに書いてあったんでしょうかねえ? 本体だけ見ると,円生さんと篠山紀信さん以外の方はどういう方なんだか全然わかりません。

 本書で扱われているのは以下の噺。

【上】
 洒落小町/なめる/淀五郎/掛取万歳/紀州/一人酒盛/紙入/子別れ(上・中・下)

【下】
 小言幸兵衛/付き馬/鹿政談/庖丁/稲川/蛙茶番/紫檀楼古木/錦の袈裟/蕎麦の殿様/梅若礼三郎

※覚書:「稲川」というタイトルには覚えがありませんでしたが,「千両幟(のぼり)」と同じ噺(うろ覚えですが)のような気がしました。

 なるほど。落語は読んでも面白い。とはいえやっぱり,上のうちでは特に「掛取万歳」「蛙茶番」はぜひライブで見てみたかったものです。


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