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CD『圓生百席』三遊亭円生・覚書5(090417)
2月の頭ぐらいから聞き始めた三遊亭圓生さんの落語。CD『圓生百席』のことを知って,練馬・中野・新宿・板橋・豊島区の図書館から借りまくって聴き,このたびついに全巻聴講を完了いたしました。やったね!パチパチパチ!
■CD『圓生百席』三遊亭円生・覚書5(090417)
このCDは2枚組1セットで税込み3,568円ですので,58セット全部だと3,568×58=20万6,944円ということになります。いや〜メチャメチャ得をした気分であります。またCD2枚で120分の講義として,これを58コマも消化したわけでして,講義料約20万円分の「落語基礎講座」を修了した気分でもあります。うれしい! 今にして思うと,最初に聴いたのが「三十石」「鰍沢」「三年目」「妾馬」だったというのがすごい。全部名作で圓生さんの魅力が存分に堪能できる噺でした。

このCDのジャケットの写真撮影は篠山紀信さん。下の牡丹燈籠のジャケットは違いますが,ほとんどは上の写真のようにスタジオで撮影されたもののようでした。圓生さんは少なくとも録音と写真撮影で高座以外のところでお仕事をされたわけですね。お疲れさまです。本当に立派な仕事を残してくれてありがたい。
あ,そうそう。このCDには圓生さんの「芸談」というものも収録されており,なかなか面白い内容。ただし,収録は圓生さんのご自宅とかでされた模様で,音は最悪。電話がかかってきたり,時計は鐘を鳴らす,パトカーだかのサイレンの音まで入っています。それと,解説書があるんですが,これが誤植だらけ。この2点はまあ,ご愛嬌。

今回,このシリーズを聴いてきて印象的だったのは,江戸弁の発音の問題。本に書いてあるように「漢字読み」ではよくない場合が少なくないということ。たとえば「大概」は「たいがい」でなく「てーげー」なわけであります。「教わる」は「おすわる」と発音するとか…。昔のことを昔の言葉で語るということの価値もあるんですね。だからこうしたことを圓生さんは「直接,師匠から習った」と言い,速記本だけから再現したものについては「だれからも教わっておりません」とおっしゃいます。文化の伝承ってのは,こういうものなんでしょうなあ〜と唸ってしまいましたねえ。アタクシは。活字にしておけば安心なんてことはないわけなんですね。一方,口伝だけだとどういう文字だかわからなくなってしまいますので,音声を含む映像と本が最低必要で,匂いとか空気をどう伝えていくか,これはまたもっと大きな課題でございますねえ。
さて。というわけで,改めてラインナップは以下(赤字は最後に聴いた組合せ)。残念ながらどういう噺だかわからなくなってしまったものも当然ありますが,おいおいまた反復学習で記憶を固定していこうと思います。今回は本当にいい勉強になりました。文化の香りのない情けない言い方ですが,人間社会のケース・スタディをたくさんすることができるんですね,落語って。将軍家や裁判所から廓・あの世といった社会,老若男女,身分もいろいろで善人も悪人もいるナマナマしい人間関係などにつき考えられるんですね〜。ものによってはやたら可笑しくね。(06)おかふいなんてのは,梅毒で鼻が落ちちゃった人などが出てきたりして,下手にやられたら悲惨で聴けない噺になっちまうでしょうが,圓生さんがやるてぇと笑えるんですねえ〜。すごいです。(11)がまの油・蛙茶番,(14)紺屋高雄・後家殺し,(17)子別れ(上・中・下)なんてのもよろしゅうございますねえ。キリがない…。
落語を聴いたことのない方は,何でもいいですから,下のうちから3セット,聴いてみることをオススメします。必ずハマルと思います。
(01)一文惜しみ・居残り佐平次
(02)浮世床・鶉衣(うずらごろも)
(03)鰻のたいこ・浮世風呂・永代橋
(04)江戸の夢・近江八景・阿武松(おうのまつ)
(05)大山詣り・おさん茂兵衛
(06)おかふい・お祭佐七・お化長屋
(07)帯久・お藤松五郎
(08)おみき徳利・お若伊之助
(09)掛取万才・鰍沢(かじかざわ)
(10)火事息子・刀屋・紙入れ
(11)がまの油・蛙茶番
(12)雁風呂・岸柳島・紀州・肝潰し
(13)九段目・汲みたて
(14)紺屋(こうや)高雄・後家殺し
(15)小言幸兵衛・心のともしび
(16)五人廻し・小判一両
(17)子別れ(上・中・下)
(18)小間物屋政談・盃の殿様
(19)佐々木政談・三軒長屋
(20)真田小僧・三年目・三十石
(21)三人旅・紫檀楼古木
(22)鹿政談・芝居風呂・質屋庫
(23)品川心中(上・下)・死神
(24)樟脳玉・洒落小町・城木屋
(25)酢豆腐・水神・仙台高尾
(26)千両幟(のぼり)・蕎麦の殿様・大名房五郎
(27)代脈・田能久・茶の湯
(28)付き馬・テレスコ・遠山政談
(29)唐茄子屋・豊竹屋(とよたけや)・夏の医者
(30)中村仲蔵・長崎の赤飯
(31)なめる・廿四孝
(32)錦の袈裟・猫怪談・鼠穴
(33)猫定・寝床
(34)猫忠・花筏(はないかだ)・能狂言
(35)派手彦・花見の仇討・引越しの夢
(36)左甚五郎・一つ穴
(37)一人酒盛・百年目
(38)文違い・不幸者・骨違い
(39)文七元結(もっとい)・へっつい幽霊
(40)包丁・ミイラ取り
(41)妾馬(めかけんま)・無学者・百川(ももかわ)
(42)紋三郎稲荷・夢金・彌次郎
(43)山崎屋・湯屋番
(44)吉住万蔵(上・下)
(45)淀五郎・らくだ
(46)牡丹燈籠(一・二)
(47)牡丹燈籠(三・四)
(48)乳房榎(前・後)
(49)髪結新三(上・下)
(50)梅若禮三郎
(51)松葉屋瀬川(上・下)
(52)双蝶々(ふたつちょうちょう)(上・下)
(53)ちきり伊勢屋
(54)札所の霊験(前・後)
(55)真景累ケ淵(しんけいかさねがぶち)(一・二)
(56)真景累ケ淵(三・四)
(57)真景累ケ淵(五・六)
(58)真景累ケ淵(七・八)
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