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『スピーディーに何度も繰り返す! 速読受験術』椋木修三(090131)
知識をつけることの重要性とかモノの考え方などについて,私は,最近では,高瀬淳一先生の『できる大人はこう考える』,和田秀樹さんの『趣味・教養を「武器」に変える 和田秀樹の“最終最強”知的生産術』 (毎日新聞社),『世界一やさしい問題解決の授業』(渡辺健介/ダイヤモンド社)
などを拝読してきました。こういう「方法論」的な話は従来,あまり興味はなかったんですが,最近はかなり好きになってきました。
■『スピーディーに何度も繰り返す! 速読受験術』(椋木修三/PHP研究所/本体:1,200円)
包丁一本さらしに巻いて魚も肉も野菜も調理しまっせというのは格好いいけれど,普通の人なら,ジャガイモの皮むきは皮むき用の道具,果物の皮をむくときは果物ナイフ,肉や魚を調理するときは大きめの包丁…ってなことになってますよね? 多分。それと同じように,どんな本を読むときにも,同じ読み方ってことはないでしょう…ってな話なんですね。この本で何度か垣間見える「方法論の根底にある考え方」は。で,本書では,受験に役立つ速読のレッスンをしていきましょう,ということになっております。
いくつか覚えておきたいことをメモしました。
〈たら夢〉を書き出して貼っておく。(18ページ)
→これは「速読」に限らず,目標を設定していつも確認しましょうということ。本書に限らずよく語られる話。でも,「このハードルを越えたら○○をしよう」というのを〈たら夢〉と呼ぶのは,面白い造語ですよね。
ふだんやってないこと,できないことを本番でやろうとしても,それはできません。(31ページ)
→スポーツと同じで,速読したかったら,普段から意識的に速読をしようという話。まったくごもっともであります。でも,肝心なときに,書類などを「早く読む」と意識して読めば誰でも普段よりは「速読」できるという話も出てきます。これも,われわれはよく体験します。逆に,時間が限られた試験などでは落ち着こうとして,いつもよりゆっくり文章を読んでしまうので解答時間が足りなくなってしまうということもありそうです。模擬試験などで「早く読む」ことを意識して問題を解くクセをつけるだけでも相当違うでしょうねえ。
分速1,000字が受験勉強には最適(34ページ)
→問題文の内容を十分に理解しながら速読する目安はこれぐらいとのこと。
不完全を完全にやるということをくりかえす(64ページ)
→たとえば教科書を最初から熟読しないで(わからないところがあるとつっかかるし,挫折しかねないので),目次からパラパラひととおり眺めることから始めて,速読で何度も読んでいく方法の効用が紹介されています。「わからなくても先にすすむ」,「屋根にカワラを1枚ウ枚ていねいに置いていくカワラ屋さん式でなく,何度も上塗りをしていくペンキ屋さん式が有効」という話も出てきます。
そーなんす。たいていの仕事も,このイメージのほうがいいと私は思います。まず最初に「ひととおり眺めること」が特に大事。大きな枠,予算制約だの期限だのマンパワー,考えられるトラブルやリスクだのをほとんど考慮しないで,いきなり目の前にあるできる仕事に飛びついてしまう人って少なくないんですね。海図を持たないで船出する冒険野郎。後は何とかなるだろう…と。まあ,たいていのことは何とかなるんですが,にっちもさっちも行かない状態になったり,どうでもよくなったりほっぽり出しちゃうのは,こういうタイプの人なんですね。たいていの冒険野郎の最期は遭難とか事故死。最初に「ひととおり眺め」て,リスクを承知していれば,打つ手は用意できるんですね。そういうことを考えられない人とは,ビジネスにおいては極力お付き合いしたくない(アタクシの会社の多数派…。泣)。共倒れはご免であります。
もとに戻って…。受験勉強とか短時間で分厚いレポートを読まなきゃいけないなんてときは,まずは全体の広い範囲を俯瞰して大まかな体系・構造・構成や分量,難易度などを体感しながら,わかるところからどんどん頭に入れていくというのが有効ですよね。
チリツモ学習法(75ページ)
→最も極端な速読として「ただページをめくるだけ」という方法が紹介されています。1ページ1秒でめくっていくとして,200ページは200秒=約3分半なんて計算も出てきます。これをすることのいいところは,わからないままめくっただけでも,次に見るときは初見じゃないということなんですね。「何か少し知ってる感」があるのとないのでは,その後の頭への入り方が違う…と。確かに,そういう気がしますよねえ〜。こうした短時間でできることを継続するのが,チリも積もれば山となる学習法=チリツモ学習法。これまた可愛いネーミングであります。チリツモ倦怠とかチリツモ貯金とかチリツモメタボとか応用したくなります。
本書ではこの後,縦横書きの文章を3文字ブロック,5文字ブロック,7文字ブロックで読む練習法などが紹介されます。こういう訓練をしながら学習していけば,それをしないで学習しているときと,たとえば教科書や問題集を何度読むか(これを「何度回した」とか「回転数」などと言います)が随分違ってくるでしょう。この回転数が記憶の量に比例するであろうことは容易に想像できますよね。あ〜,おもしかった,と。
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