『ナースな言葉 こっそり教える看護の極意』宮子あずさ(090126)

 『ナース がん病棟の記録』『看護婦だからできること PARTI〜III』『看護婦が見つめた人間が病むということ』と来た,ナース・シリーズはこれで一段落。

■『ナースな言葉 こっそり教える看護の極意』(宮子あずさ/集英社文庫/本体:457円)

 シビアな現場で働く,宮子さんの文章からは得るモノ多し。いいこともわるいことも可笑しいことも悲しいことも…。

 強い衝動性、過剰な自意識、存在証明に対する絶対的な乾き……。こう書いただけで、若いってたいへんなことですよねえ。私も二十代の前半頃までは、手首こそ切らないけれども、そうとう不安定でした。それを思うと、みんながんばって生き延びて、早くおばさんになれよぉ、って思いますねえ。(86ページ)

 父は、こもっていた自室で酔って転び、腰椎圧迫骨折から肺炎を併発して亡くなりました。「黄疸で黄色くなって衰弱した父を、家に引き取って最期まで見てあげる」予定だった私としては、本当にずっこけたくなるような最期でした。でも、受傷の状況といい、あっけない経過といい、思えばあれこそが父らしさの真髄だったのかと今は思っています。(109-110ページ)

 こんな文章を宮子さんは,さらっとわれわれに残してくれます。お茶でも飲みながら,「人生イロイロですねえ〜」「そうですねえ〜」なんて話している気分。生に対する肯定感に満たされつつね。


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