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『看護婦だからできること PARTI〜III』宮子あずさ(090125)
私は困ったとき,苦しいときは,遠藤周作先生か童門冬二先生の本を読みます。それでこれまでたいてい救われてきたのですが,近頃どうも間に合わない。生々しい人の生死に直面することが多くなってきたとき,アタシにはどうやら,母なるもの=マリアが必要になった模様。
■『看護婦だからできること PARTI〜III』(宮子あずさ/リヨン社/本体:I・II…1,456円。III…1,400円)
このシリーズのどこでもいいから,義務教育の教科書にぜひ取り入れてほしい。
「摘便がうまい人は病棟の“ゴールドフィンガー”の称号が与えられる」(PARTI-107ページ)
摘便というのは,肛門から指をつっこんで便をほじくり出すこと。私はジョージ・ゲーリーとかジョージ・ナンベンとかいう芸名を考えつくぐらい,シモがヘロヘロなんですが,お通じがよくない方のことは本などで読んでおり,その苦しみは観念的にはわかっているつもり。恥ずかしいけど摘便してもらったら生き返るだろうなあと思います。これは医師や検査技師の仕事でなく,まさに,看護とか介護の世界の仕事。喉につまった餅をかき出すのと同様,こういうこともあるんだと改めて認識させていただきました。
「弱い人間は,人を励ます側にまわったほうが生きやすい」(PARTI-208ページ)
人は悲しみが多いほど,人にはやさしくできるのだから〜と歌いたくなりますねえ。私もそんなふうに思っており,これまで失敗ばかりしてきたから,子どもや後輩にはかなりやさしいオヤジでいられる気がします。それにしても端的に,こう言いきる宮子あずささんはすごい。まさに『だから、あなたも生きぬいて』なんですねえ。
PARTIIIから宮子さんは看護師長。「こいつらの人件費を全部オレにくれ! もっとマシなチームを組むからよ」と思う日々の始まりであります。でも宮子さんはこういうことを一言も言わない。賢明。
「思うようにならない現実をなんとかしようと,一緒に悩み,一緒に困ること。そして,結果が出なければ,一緒にとほほと嘆くこと」(PART3-207ページ)
そうな。ここまでしてくれる看護師さんって凄いわ。アタシもこのところ,本当に自分の無力さや馬鹿に耐えられない感じなんですが,この文章に,ずいぶん救われました。アタシは「とほほと嘆く」のは得意なんだ。
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