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『愛される理由』二谷友里恵(090123)
昨年12月24日クリスマスイブの夜に,飯島愛さんが亡くなったという報道がありました。会ったことはもちろんないんですが,テレビで見たり,本を読んだりしてきた人の死は,それなりにコタエますよね。私は菜摘ひかるさん,ナンシー関さんのことも思い出しました。
飯島愛さんの『PLATONIC
SEX』を読んだとき,ミーハーな私は,“ヤバイぞー”と思ったのでした。愛されて育った(と本人が感じることが大事)子供には,いい悪いはともかくとして,根っこみたいなものがある。菜摘さん,ナンシーさんにはそれがなかった気がします。そして飯島さんもなんだか似てるなあと思ったのでした。変な表現ですが,目の底に“寂寞感”みたいなものを感じさせる人っていますよね。短期的な対応だけで頑張って生きている人たちの「一輪挿し感」みたいなもの。自己肯定感,生きる意志の弱さ。
■『愛される理由』(二谷友里恵/朝日新聞社/本体:971円)
二谷友里恵さんには「一輪挿し感」みたいなものはまったくありません。本書の文章はとてもいいです。真面目に一生懸命書いたんだなと思えるし,この人が賢いことがよくわかる。親である二谷英明さん,白川由美さんが素晴らしい方だからこういう明るい前向きな娘さんが育ったんだろうなと思います。親を批判する文章もありますが,その言葉の裏や行間に,温かな配慮が感じられるってのが,まさに「育ちのよさ」の証明であります。
愛される理由…愛された人は愛し方を知っている。愛し方を知っている人は,誰かをうまく愛し,結果的に誰かから愛される。
…ってなところでしょうか。
私が,長女が生まれて以降思ったこと。愛されたいというリターンを求める“恋愛”なんて実は大したことがない(まあ,でもそれがないとその後もないのが面白いところ)。それよりも一方的に愛する存在がいてくれるということ,それこそがありがたいんですね。「お前が俺のことをどう思ってもいい。俺はただお前の役に立ちたいんだ」という気持ちですねえ。今でもそうですが,この長女について,世界中で誰よりも私がお前を愛していると思います。その後,長男が生まれ,このうれしさも格別。ホモじゃないけど,やっぱり世界中で誰よりも私がお前を愛しているんだぜと思う。ホモじゃないけどホモ的要素などもみんなコミ。息子の小さな唇と何回もチュしたことは私のとても大事な身体的心的思い出。こんな風に思ってきたもので,さらに二女が生まれるというとき,私は実は,自分の愛情ストックがどうなるのか心配でした。最初の子が可愛いのは普通そうですよね。オヤジとして男の子が生まれてうれしいのも,まあ普通ですよね。で,次はどうなるんだろう? ということです。
二女が生まれたときにわかったこと。愛情って無限。極道な私の心の中に少しだけある小さな“善意の泉”に,長女長男のときと同じように,ドブドブ愛情水(酒?)が流れ込んできたのでございますねえ。二女が生まれたとき,長女5歳,長男4歳。この2人がとても喜び,今でもそのまんま。長女と長男が二女をとても大事にしてくれていることが本当にうれしい。二女の名前を決めるとき,カアチャンと長女,長男と一緒に考えました。で,全員賛成で二女の名前を決めました。もしかしたら生意気にも,長女,長男も二女について,世界中で誰よりも私がお前を愛していると思っているかもしれません。長女と長男の関係,それとこの2人の二女との関わりを見ていると,本当にわが子たちながら心が温かくなります。いつの間にか,私とツマがいつかあっちに行っても,この3人はやっていけるなあ〜と思えるところまできました。私とツマは残念ながら頭はよくない。でも,お互い育ちはいいんです。私とカアチャンは,
自分が誰からも愛されていないなんて,生まれてから死ぬまで思わない
ことはもちろんとして,何より,
家族友人など,一方的に愛する対象が多い
んですな。ありがたいことです。
あ,そうそう。本書はちゃんとした作品。「読み物」として,普通に成り立っております。こういう結婚・出産も,世の中にはあると,学べます。ずっと読みたいと思ってきたので,読めてよかった。活版印刷。本文の凸凹が懐かしい感じ。
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