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『らも 中島らもとの三十五年』中島美代子(080723)
『心が雨漏りする日には』で,いったんひと区切りにした中島らも研究でありますが,本書の存在を知ってしまったら読まずにはいられませんでした。言うまでもなく,著者は中島らもさんの奥様です。本書には,著者のプロフィールをまとめたものがありません。変なの。
■『らも 中島らもとの三十五年』(中島美代子/集英社/本体:1,400円)
左はカバーの写真。真ん中と右はカバーをはがした本の表紙の表裏。表背裏につながる1枚の写真なんですが,背はスキャンできませんでした。何ともまあ,2人とも若い。そりゃそうですよねえ。私の長女長男の年頃。お二人が22歳の頃の写真だそうです。
お二人はらもさん18歳,美代子さん19歳(奥さんのほうが1学年上)のときに知り合って,らもさん22歳,美代子さん23歳のときに結婚。両家ともに資産があり,当時の『同棲時代』とか『神田川』なんてのとは違う感じ。でも上の写真を見ると,髪型が当時のものなんでしょうねえ。昔,こういう年上の人たちがいたなあ〜と私は思います。らもさんは私より6歳年上。
らもさんは,長髪,シンナー,酒,ドラッグなどなど。何というかメチャクチャな若いときがあり,いったん「髪を切って」(『いちご白書をもう一度』みたいですねえ。「もう,若くないさ〜」ってアレですねえ)就職。その後,退職して,コピーライター全盛時代の寵児となってブレイク。一気にらもさんも美代子さんも,だらしない性など,マトモじゃない世界へ。胸が苦しくなるような物語。親は2人ともイッちゃってたのに,らもさんと美代子さんの2人のお子様が壊れなかったのが不思議。やっぱり子どもは「育つもの」なんですねえ〜。
本書を読んで,私は,らもさんのお兄さんが,今どうされているのか心配になりました。離婚されて父母と同居。父母が亡くなって,らもさんもなくなって,お兄さん,どうされてるんですの? と思わずにはいられない。美代子さんのお幸せももちろん願っておりますが。
本書は興味深くズンズン読めます。でも,著者プロフィールがないことに加え,いくつかまだ集英社には不満があります。終章から引用。
十九歳で出会って,五十三歳で別れるまで,私たちは三十四年一緒にいたんだね。(199ページ)
でも,本書の書名は「中島らもとの三十五年」になってるんですね〜。
表4の帯(写真では見えません)からもちょっと引用。
二〇〇四年七月二十六日、
泥酔して階段から転落、
五十二歳で急逝した
中島らも。
作家、ミュージシャン、役者、
多彩な顔を持つ天才と
半生をともに生きた
ベスト・パートナーが語る、
不世出の異才のすべて。
本書は「不世出の異才のすべて」といった内容ではありません。美代子さんが,らもさんとの出会いから死別までを,改めて(知っている範囲で)振り返られたという内容です。らもさんが,わかぎゑふさんに仕切られていた頃のことについて,美代子さんは,
この頃のらもがどんなふうに暮らし,どんなふうに仕事をしていたのか,私はよく知らない。(161ページ)
と書いておられます。こういう文章があることがわかっていないで,帯には「異才のすべて」なんて入れたのでしょうか???
何だかな〜。美代子さんが「恥をしのんで」根性を出して書かれたことに対して,すんごい失礼だよなあ〜と思います。集英社の「多少いい加減なことをしても売れればいいのよ」的なところがジッツに気に入りません。写真と文章がいいので,なおさら残念!!
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