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『我らの不快な隣人』米本和広(080721)
『カルトの子』のその後。膨大な取材と文献チェックの成果。労作です。
■『我らの不快な隣人 統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇』(米本和広/情報センター出版局/本体:1,600円)
プロローグより。
「子どもへの愛」なるものをつぶさに観察すれば,愛とは言いながら,親としての自分の欲求を満たしたいという気持ちが心のどこかに潜んでいることに気づくはずだ。(9ページ)
親と子の相克は,どんな家庭にもある。
子どもの価値観や欲求がすべて善などとは決して思わない。だが,それを無視して子どもをある鋳型に嵌め込む行為は,スイスの精神分析家,アリス・ミラーによれば「魂の殺人」でもあるのだ。
魂を殺された子どもは精神疾患にかかり,ときには親殺しに走る。(10〜11ページ)
カルトといわれる宗教団体を,親による拉致監禁・強制説得を経て脱会させられ,精神を病んでしまった女性のその後の話,そうした拉致監禁に関わった人たちの話などが大きな柱。
“一般人には関係ない話だな”と思えるかというと,プロローグにあるように,われわれは子どもを「緩やかに拉致監禁」していたり,逆に何やかやと理由をつけて子どもと向き合うことを怠っているかもしれないと,ゾッとしてきます。
つい最近の,秋葉原の事件(犯人は25歳男性),14歳男子のバスジャック,そして父親を刺殺した15歳の少女。こういうことがサラッとすぐ挙げられるほど,若い人たちが病んでいる…。こういうことは,すでに“隣人”あるいはわれわれ自身の物語になっているんですね。ふうぅ〜。
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