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『今夜、すべてのバーで』中島らも(080713)
恥ずかしながら私,『酒とつまみ』(創刊号)のインタビュー(『酔客万来 集団的押し掛けインタビュー』)を読むまで,中島らもさんには,ぜーんぜん興味がありませんでした。なぜか,私の周囲のだれも教えてくれなかったのです。多分,あまりにも“常識”だったからでしょう。私たちの世代の酒飲みで,中島らもを知らないヤツがいるわけがないってなところでしょうか。
■『今夜、すべてのバーで』(中島らも/講談社文庫/本体:485円)
中島らもさんは,この小説で吉川英治文学新人賞を受賞。アル中の物語。アルコールがらみのお話だけに,肝臓についてもところどころで触れられています。私は読んでいて,何だか肝臓が痛くなってくるようなところもありました。たとえば,「連続飲酒」「渇酒症」「アディクト(中毒,依存症/addict)」「ナイトキャップ」「ウイークエンド・ドリンカー」といった専門用語が飛び交うあたり(50〜54ページ)。ちょっと引用。
平日はもちろん夜になったら飲む。
そして休みの日は陽のあるうちから飲み始める。あるいは朝から一日中飲んでいる。休みが明けた月曜日には,ひどい二日酔いの状態で這うように出社する。これがウイークエンド・ドリンカーの症状だ。彼らは一様に週末を待ち焦がれ,月曜日を憎んでいる。
この憎むべき月曜日の朝に,ひどい二日酔いを鎮めるために迎え酒を一杯ひっかけて出ていくようになれば,連続飲酒までもう一歩だ。(51〜52ページ)
[参考:2007年12月に作った拙作川柳]
マズイだろ 朝イチビールが メチャ旨い
小説からこういう基礎知識の部分を引っ張ってくるのもナンですが,56〜57ページには,『酒乱になる人、ならない人』で学んだ,「久里浜式アルコール依存症スクリーニング・テスト」も出てきます。
小説としてよくできているから,賞ももらえたのでしょうが,酒飲みでかつ,かつて肝臓を傷めた私には,普通のエンターテイメントのようには読めませんでした。自分の体験ともかなりダブりますし…。あ,それは,ヨッパライの症状のところもそうなんですが。
私と似たような方(アルコール性肝炎の方とか,ウイルス性肝炎で酒をやめられない方とか)に特にオススメです。
本書では,巻末に山田風太郎さんと中島らもさんの,妙に味のある対談が掲載されています。山田さんはご自身を「アル中ハイマー」と称しておられるそうです。“これ,いただき!”と思いました。(^_^)
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