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『編集狂時代』松田哲夫(080531)
松田哲夫さんの『これを読まずして編集を語ることなかれ』を拝読してから5年も経ってました。この本を発見したときは,即買い。
■『編集狂時代』(松田哲夫/本の雑誌社/本体:2,330円)
チャップリンの「殺人狂時代」をもじったんですかね。松田哲夫さんの自伝的な書き下ろし。実に楽しい読書でございました。松田さんは1947年10月生まれの団塊世代。私より11歳年上(私は1958年10月生まれ)。
1978年7月の筑摩書房倒産の頃の話は身につまされました。
・7月は給料なし,8月からは賃金50パーセント・カット(253ページ)
おそろしか〜。それと,分野(レベルも)は違うけどいちおう同じ企画屋として,
・食器洗いは(中略)企画などを練り上げていく上に役に立つこともある。(中略)洗い物をして,ボーッとしていると,カラッポになった頭のなかに何やら浮かんでくることがある。ほとんどの場合は,とるにたらないことばかりなのだが,まれに,それまで考えていた企画の隘路を突破する,思わぬバイパスの発見だったりすることがある。(270ページ)
ってのはわかりますねえ。私はこれに,アイロンかけと庭いじり,散歩を加えたい。
私の好きな,水木しげるさん,赤瀬川原平さん,南伸坊さん,鎌田慧さん,天野祐吉さんの話なども出てきて面白かった。路上観察学も含めてこうして見てみると,私は随分筑摩書房さんの本(最近は特にちくま文庫)を読んでおり,松田さんの本を読んでいて妙にしっくりきてしまうのは,実は,松田さんやお仲間の皆さんの文化に若い頃から触れさせてもらってた(育てていただいたとも言えるのかもしれません)おかげなんじゃないかと気がつきました。その面白がりのコツについて,子どもたちに伝えられたと近頃確信できているのが私の大きな喜びであります。
なお,本書に収められた「ある老人」と「二等兵先生と『文学の森』」という文章は絶品!
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