『人は見た目が9割』竹内一郎(080531)

 強〜い外形コンプレックス(チビデブハゲ)の裏返しで「人は見かけじゃねえんだよ」と自分に言い聞かせて育ってきた私としては,許し難いタイトル。「どんなことが書いてあるのか,読んでやろうじゃんかよ」と,BOOK-OFFで,100円で買ってやったのでございます。喧嘩腰。

■『人は見た目が9割』(竹内一郎/新潮新書/本体:680円)

 著者の竹内一郎さんは1956年生まれ。横浜国大卒。九大で比較社会文化で博士号を取得されたインテリ(博士=インテリだろうというだけですが/「比較社会文化」については,九州大学比較社会文化学府のサイトを覗いてみましたが,何でもアリの学問みたいでよくわかりませんでした。学際・国際)。劇作・マンガ原作・舞台演出・俳優教育をされている方。ペンネームは「さいふうめい」(「財布埋めい!」と変換したくなるのは私がビンボだからか? やはり…)。

「はじめに」からちょっと引用。

・「バーバル・コミュニケーション(言葉による伝達)」より「ノンバーバル・コミュニケーション(言葉以外の伝達)」の方が,伝達力が高いのだ(10ページ)
→知ってらい。んなこたあ。

・人間が伝達する情報の中で話す言葉の内容そのものが占める比率は,7%に過ぎない。(中略)我々は言葉では,7%の情報しか,受け取っていないのである。(10ページ)
→あれ。こんなに少ないンだっけ。

・日本では「コミュニケーション教育」は基本的に,国語という教科が負う部分が大きい。言語は伝達の手段だから,(中略)しかし「言語以外の伝達」にももっと目を向けるべきである。何故なら,7%より93%の方が大きいからである。(13ページ)
→ごもっとも。でも,たとえば,赤3つ,黄色2つ,青2つ,緑2つ,白1つで合計10個ってな内訳だったらどうよ〜と言いたくなりますよねえ。言語以外の項目はかなり細かいかも…ってことですが,しかし,経験上,そうでもないよなあという気がします。

 さらに「はじめに」から引用。

・見栄えと言葉,我々はどちらを信じればよいのか――。マルチ商法や新興宗教などで,(中略)逮捕されて,マスコミに顔が出てくる。その人のインチキ臭さは,顔や風体に如実に表れている。だがどの事件の場合でも,弁舌がたくみだったからつい信じてしまった,と被害者はいうのである。私は言葉より見栄えの方が,よりその人の本質を表していると考えている。(14ページ)
→これもねえ…。だって,言葉にもだまされるけど,たとえば皇族の親戚を装ったりするゴージャスな見栄えにも,だまされる人はだまされるし,われわれサラリーマンでも「ここ一番」ってときは,「お手伝いさせていただければ…」とへりくだりつつ,これで会社が儲かっているように見せる(会社を信頼してもらう)ために,一番いいスーツを着て,靴も磨いて行きますがなって話でございます。しかし,ここまで読んで,う〜,でもまあ,もっと「ノンバーバル・コミュニケーション」について勉強しておくにこしたことはなさそうだゾ,と思ってしまう。
→ここで私は,この竹内一郎さんが,劇作家であり演出家であることを思い出しました。はは。「はじめに」を読んだだけで,すっかりもう,気持ちよ〜く竹内ワールドに引きずりこまれてるわけでございますねえ。喧嘩腰で行っても相手にすぐ丸め込まれる。勝海舟を殺しに行った坂本龍馬もきっと私と同じB型だったと確信的に思いますねえ〜。

 本書では演劇や漫画での「ノンバーバル」な表現の常識のようなものも多数紹介されていて興味深い。1つだけ。

 男は嘘をついた時,目をそらす。やましい気持ちが目に表れる。
 ところが女が嘘をついた時は,相手をじっと見つめて取り繕おうとする。
 つまり女がじっと見つめた時は本来怪しいのだが,これはいまだに「世の一般法則」にはなっていない。(中略)仕方なく,演出家は,女がやましい時も「目を外す」演技をつけることになる。
(57ページ)
→私はまず嘘はつきません。やましいことは,そのかけらすら口にしないことにしております。もちろん目はハナッから合わせません。女がじっと見つめるのはアヤシイ。これは経験的にわかります。ツマは私と同様の作戦のようで,こういうことはしません(超巧妙なのか?)が,部下で明らかに嘘の理由で休むときや自信がない提案などをするとき,じっと目を見てくる女性がこれまでに何人かいました。

 とても楽しく勉強になる読書でした。どうもありがとうございました。竹内一郎様。

 本書を,バンドをやっていて心理学部に所属している息子に「読まない?」と見せたところ「読んだ」と言いました。これは初めての一致だったかも。というわけで本書は,高校3年生の娘行き。


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