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『靖国』坪内祐三(080423)
『置き去り−サハリン残留日本女性たちの六十年−』,『[画文集]シベリア抑留1450日』に次いで,長い間ツン読になっていた本書を手に取りました。今話題の映画『靖国』に合わせたわけではありません。たまたまタイミングが一致。坪内さんのご著書を拝読したのは,2004年12月の『ストリートワイズ』以来。久しぶり。坪内さんの文章は,雑誌などでちょくちょく目にしますので,全然そんな気はしませんでしたが…。
■『靖国』(坪内祐三/新潮文庫/本体:590円)
本書は…名著だと思います。靖国神社というと,第二次大戦のA級戦犯を含む,英霊たちを祀ったところで,公式参拝や政教分離なんてことで話題になるところというのがボヤ〜っとした一般的な印象でしょうか。ちょっと引用。
靖国神社の起源は,幕末の尊皇攘夷運動の中で斃(たお)れた志士たちの例を弔慰する目的で作られた招魂墳墓,招魂場にある。(37〜38ページ)
靖国神社の歴史はそんなに古いものではないんですね。おおざっぱに言って,明治維新の頃が起源。驚いたことに明治4年〜31年には靖国神社(招魂社)で競馬が行われたとのこと。かつての靖国神社(招魂社)は「洋風(モダン)でハイカラな場所」(78ページ)だったそうです。今で言うと,六本木ヒルズみたいなものでしょうか。サーカスや相撲なども来た,開かれた場所だったんですね。
映画『靖国』については存じませんが,本書によって,靖国神社について,近現代史それも幅広い文化史的観点から学べたのはありがたかった。おいしい読書でした。どうもありがとうございました。坪内祐三様。
ふう。そう遠くない将来,靖国神社(2001.10.6)にまた行かなきゃなと思ったことでした。
なお,靖国問題にご興味のある方は,『頭を冷やすための靖国論』(三土修平)も大変勉強になりますのでご参照いただくとよろしいと存じます。
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