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『できる大人はこう考える』高瀬淳一(080205)
高瀬淳一先生の本を拝読したのは,2006年12月の『「不利益分配」社会―個人と政治の新しい関係』(ちくま新書)以来。今回もちくま新書ですが,先生のご専門の情報政治学とか国際政治分野でなく一般教養的な内容です。専門分野の最先端の細かいところを追求するのも大事ですが,こういう啓蒙的お仕事ももちろん大事ですよね。
■『できる大人はこう考える』(高瀬淳一/ちくま新書/本体:680円)
わたしは,社会的妥当性をふまえた判断や振る舞いができる「賢い常識人」=「できる大人」を社会に多く送りだしたい(011ページ)
…と高瀬先生は最初のほうで宣言され,以下,本書では
第1章 「定義」の使い手になる!
第2章 「程度」の使い手になる!
第3章 「視点」の使い手になる!
第4章 「分類」の使い手になる!
第5章 「総括」の使い手になる!
という5本の柱が立って,それぞれの章の冒頭には「この章のねらい」が明示され,章の中の記事にもそれぞれ「トレーニング」がついているという親切設計であります。高瀬先生の書かれる本は,いつも骨組み・構成がしっかりしていますが,本書の設計もバッチリです。担当の編集の方も優秀なのでしょう。多分。
さて,特に本書で私の印象に残っているのは,“社会的妥当性をふまえた判断や振る舞い”のうちの“振る舞い”に高瀬先生が頻繁に触れられていること。
「構造と機能に着目する」(024ページ)とか「定義は比較で確認する」(028ページ)といった「おとな」のものの考え方のワザだけでなく,いわゆるKY(空気を読め)は当然として,「戦略的言い換え」のすすめ(045ページ)ですとか「一定の留保を忘れない」(062ページ)など,表現上の注意点・態度等についても細かく指導してくれています。これは勉強になります。こういう内容を,ここまでキレイに体系立てて,かつ新書でコンパクトにまとめる力量とセンスには驚くばかりです。今回もありがとうございました。高瀬先生,お疲れさまでした。
先生は,今はアメリカ大統領選モードでしょうか。それと2008年は洞爺湖サミット関連でご多忙になりそうですね。益々のご活躍をお祈りいたします。どうぞお身体にはお気をつけくださいね。私と先生は同い年なので,間もなく50歳でしょうし…。(^_^;)
あ,そうそう。それと,高瀬先生は『日本の論点2008』(文藝春秋)でも,選挙についてわかりやすく鋭い文章を書いておられます。「有権者の矜持」という“キメ”のセリフにはシビレました。
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