『石田三成』童門冬二(080202)

 『人生の歩き方はすべて旅から学んだ』『器量人の研究』に続いて,これも童門冬二先生の新刊(2007年12月発行)。1996年9月に成美堂出版より単行本として出版された後,1999年4月に成美文庫。それに次いでの文庫での刊行。

■『石田三成』(童門冬二/人物文庫・学陽書房/本体:840円)

 私の印象では,石田三成という人は,あまり人気がないように思います。関ヶ原の戦いで家康に敗れて処刑された「負け組」で,しかもその負け方がよくない。豊臣秀頼を背負っていなかったというのが最悪。何でそうなってしまったかというと,要は仲間に嫌われてて応援してもらえなかったという感じなんですよねえ。

 石田三成さんはドラマなどでも,学園ドラマで言うとイヤ〜な教頭先生の役回り,スポ根ドラマで言うと根性や友情よりパソコンでデータ重視で戦おうとする役というところで,伝統的日本人の感性で言うと,ちと「鼻もちならない系」のよう。

 でも,童門先生は,石田三成のことをお好きなようで,「あとがきにかえて」で,次のように書いておられます。

 およそ,社会的秩序も,道徳も,良心もなかった動乱の戦国時代において,石田三成は泥沼に咲いた一輪の良心の花である。(347ページ)

 本書を拝読して,私は,“なるほどこういうようにも見えるんだね〜”と思ったことでした。先生がここで紹介してくださったように見れば,それはそれで,“石田君,男らしいじゃないか!”と感じるんですね。例によって,童門先生の眼差しが温かい,なんてことも私は味わっちゃったりもしましたが…。(^_^;)

 ところで,この本の緑の帯のコピーはどんなもんでしょうねえ。石田三成よりさらに有名じゃない直江兼続の名前を出されてもなあ〜,と,思いますけどね〜。ちなみに童門ファンには通じます。童門先生には,『北の王国』(文庫本では『直江兼続』)という名作があるのです。

   
  


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