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『「二十四の瞳」からのメッセージ』澤宮優(080120)
日本経済新聞で,この本の存在を知ってしまったんですなあ〜。『二十四の瞳』は,子どもの頃から母が好きな作品だと知っており,私も赤い表紙の文庫本で読んだ記憶があります。さらに,この本の著者が『巨人軍最強の捕手』を書かれた,あの澤宮優さんとなれば,私にはちと我慢できませんでした。国士無双十三面待ちとか九面待ちの九蓮宝燈をテンパッたときのよう。私には危険牌を止められない。(^_^;)
■『「二十四の瞳」からのメッセージ』(澤宮優/洋泉社/本体:1,700円)
澤宮さんが取り上げているのは,小説ではなく,木下恵介監督・高峰秀子主演の,映画『二十四の瞳』。この映画に出演した子役たちのほとんどは素人で,映画が終わった後もお互いを役名で呼び,お付き合いが続いているそうです。本書では,高峰秀子さんが撮影後の子どもたちに送った手紙なども出てきますが,いつからか高峰さんは距離を置くようになられた模様で,近年については,登場シーンはありません。また,本書を執筆するに当たって,澤宮さんは当然,高峰さんへのインタビューをしたかったことと存じますが,実現できていません。これがかなり残念。何か事情があったとしか思えない。
私は,映画は,多分テレビで見たのだと思います。出生した男の子が失明して帰ってきて,丸いサングラスをかけて出てきたのが怖かった。私の記憶では田村亮さんのように思っていたのですが,田村高廣さんだったようです。
高校2年生の二女に私は,「受験で余裕がなくなる前に『サウンド・オブ・ミュージック』を観ておきなさい」と言っているのですが,こちらが先ですね,というわけで,いつでも家に置いておくべく,現在,ヤフオクで購入(送料込みで780円)したビデオの到着待ちでございます。本書を読むと,改めてこの,映画『二十四の瞳』を確認しなくては,という気になります。本書で紹介されている,映画の1シーン。厭戦的なことを生徒たちに言った大石先生に校長が指導するシーン。
校長「もう あんたはなんにも云わん方がえゝ 見ざる 聞かざる 云はざる 教師はたゞお国にご奉公の出来るようなそう云う国民に育てあげるのが義務です」(136ページ)
今でもこんなことを考えている人たちが少なくないのでしょう。教育基本法はああいう形で改正されたままだし,国旗国歌法を根拠とする「君が代・日の丸」の強制(国民が嫌がっていることは,正月に国旗を掲揚しなくなった家が多くなっていることを見てもわかるってぇもんです。国民とか消費者の声を聞くとか言うだけじゃなく「よく見ろよ」と,政治家の皆さんには申し上げたい。特に福田ソーリィと石原シンタロー君)が健在なところを見ると…。滅入るなあ〜。
澤宮さんには申し訳ないですが,ルポルタージュのデキとしては,散漫な感じがしてあまりよくないと,私は思います。しかし,取り上げた素材は鋭い。澤宮さんがおっしゃるとおり,私たちは「二十四の瞳」からのメッセージを,もう1回きちんと聞いたほうがいいということについて,異議なしであります。
今年に入ってから『我が八十年の波瀾万丈』,『残留者』,『一銭五厘たちの横丁』などを読んできました。安倍晋三さんが総理の座から去って,何となく“軍国モード”でなくなったかのような雰囲気が漂っているようですがそんなことはありません。ちょっと声が小さくなったり,アクションが小振りになっただけです。そんな次第で,平和についての思いを,マメに確認していないと何とな〜く流されちゃいそうで怖い。「自衛隊恒久派兵」とかじゅーぶんヤバイ話です。『本当に憲法改正まで行くつもりですか?』など,やさしく軽い本でも読んでいただいて,多くの方々,特に子どもたちに,このあたり,敏感になってもらいたい。
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