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『夜間中学校の青春』見城慶和=文,小林チヒロ=写真(080119)
2007年12月28日の日本経済新聞夕刊で「増える外国人・不登校の生徒 夜間中学 高まる存在感」という記事を読みました。“へええ〜,夜間中学なんてのがあるんだあ〜”と思って,ちょっとネット検索していて当たったのが本書。
※私の理科と社会の知識は“小卒レベル”すらアヤシイので,どこかでこっそり何とか取り返せないものかと,いつも狙っているのです。(^_^;)
■『夜間中学校の青春』(見城慶和=文,小林チヒロ=写真/大月書店/本体:2,000円)
本書はいちおう,メインは,主として荒川区立第九中学校夜間学級の様子を,小林チヒロさんというアマチュア・カメラマンが16年にもわたって撮影した写真で,その写真集に,教員になってから定年までの42年間,ほぼずっと中学校夜間学級に関わってきた見城慶和先生が文章を「添えた」という体裁です。でも,「添えた」文章にもかなり迫力があり,文と写真の素晴らしい作品となっています。
夜間中学校は,2001年9月現在,8都府県に35校,生徒数は約3,200人(11ページ)だそうです。
現在,夜間中学校については,さまざま方面からの「締めつけ・圧力」があるそうですが,しかし,わが国では,義務教育未修了者が170万人を超えると推定され,年々激増し続ける不登校児道生徒もおり,さらに引き揚げ・帰国者および在日韓国・朝鮮人などへの戦争責任問題などを考慮すると,夜間中学校は多くの人たちの教育保障の場として存続しつづけなければならない教育の最前線であるとのこと。
本書に掲載されている生徒さんの写真を見ると,本当に年齢も国籍もいろいろです。それぞれの「青春」なんだと,素直に思えます。文化祭でチマチョゴリを着て出番を待っているオバサン,通学に使っている「都電の無料パス」(高齢ということです)を見せているオバサンの明るい顔…。それに加えて,文章で,荒川区立第九中学校夜間学級で響く「千江子の鐘」の話,「算数」がわかるようになった33歳の息子を持つ生徒の,喜びの声などを読むことができます。この方は「数字はわかるが,数字の横に書いてあるばつとか+とかの記号の意味がわからない」というところからスタートしたそうです。字が書けないので手紙を出したことがなかったという方の話も出てきます。外国人でも同じような方はたくさんいらっしゃるでしょう。「中学」というよりは「小学校」あるいは「幼稚園」レベルからの教育が必要な場面が多いことと拝察いたします。「夜間中学」は大変だ。
なお,私自身のことを考えても,超お安く,幼稚園からの一貫した「理科教育」を「中学3年分」までやり直しをさせていただけるのなら参加したい。また,外国語について,アメリカンスクールや中国・朝鮮・韓国の方の幼稚園から入るとかできたらいいのになあ〜。小さい子たちの教育の場にオヤジを混ぜるわけにはいかないですかね〜,やっぱり。給食の時間だけとか…,ダメかなあ???
若い子に関してちょっと引用。この文章にはビックリ。
(登校拒否だった子も夜間中学では)どの子も,半年から一年もすると,入学してきたころとは別人のようにたくましく成長し,若者らしい輝きを取り戻します。夜間中学校にきて挫折する子はめったにいないのです。(131ページ)
見城先生のような経験豊かなプロの教員が,しっかり生徒さんと向き合える「時間」や「場」を持てれば,「挫折する子はめったにいない」ということも可能になるんですね。素晴らしい。見城先生はこんなことも書かれています。
ゆとりある教育,手塩にかけて一人ひとりを大事に育む学校を,日本中のすべての子どもたちのものにしてやりたいと願わないではいられません。(136ページ)
そして…,
ひたむきに学びを求める人たちと,ともに学びあえた幸せを感謝せずにはいられません。(143ページ)
と,まもなく定年ということに触れつつおっしゃっています。
本書は,見城先生など教える側の「青春」の記録でもあるのですねえ。そういえば先生方もいい表情で写ってます。
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