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『残留者』横谷博之(080105)
城北肝友会・山高定三会長の『我が八十年の波瀾万丈』に続けて,終戦後中国に3年間残留された方の,これも自伝。
■『残留者- 一つの青春 -』(横谷博之/新風舎/本体:1,300円)
横谷(よこや)さんは1920年函館生まれ。1940年満鉄入社,41年1月入営,44年6月満期除隊復職。45年から中華民国交通部に留用,48年帰国。本書は1997年9月初版第1刷発行。四六判・112ページ。
終戦の約1週間前にソ連が参戦。撤退するときの記述。横谷さんは測量隊員。
組の詰所は整然としていて,机の下にトランシットとレベル(水準器)がキチンと置いてあった。馬鹿正直な奴。これを露助(ソ連兵,ロシア語のルースキーを訛ったもの)なんかに渡すもんかとレンズを割った。涙がこぼれた。(17ページ)
その後の「生きるため」のご苦労に驚きます。
「戦後の混乱」などとよく言いますけれども,その実際は,それぞれ体験された方でないとわからないよなあと,つくづく思います。2007年12月の日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」は森光子さんの連載でした。その最終回(12月31日/いい文章でした!)で,森さんは以下のように書かれています。
私たちの年代は戦争で青春が真っ暗になった。戦争を知る人は,幸せの根底にあるのは平和だともっと大きな声で言うべきだといつも思っている。平和でなければ,誰も幸せになれないのだから。
この『残留者』と巡り会ったのも何かのご縁なのでしょう。書棚にしっかりしまい,機会があれば若い人たちに読んでもらうことといたします。
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