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『なぜ消防署で住宅ローンがバカ売れするのか?』杉浦昌孝(071208)
「『なぜ消防署で住宅ローンがバカ売れするのか?』って本,ご存知ですか〜?」
「知りません」
「土井英司さんが絶賛してたんですけど〜」
「ドイエイジさんも知りません」
「えええ〜? アマゾンの元カリスマバイヤーで,超有名人ですよ〜」
…なんて会話を会社でいたしました。私のパートはもちろん赤字の部分。私のいる部門は「企画開発部門」なので,ある程度「時代の流れ」なり流行を知っていなくてはいけないのですが,経験上,あまりそうした情報に振り回され過ぎてもいけないことはわかっており,だれかに「えええ〜?」なんていわれてから知っても大抵はどうということはありません。お友だちになってコラボレーションするとかってなら,話は別ですが…。なるほど確かに土井英司さんという方は,お若いのにすごそうです。さっそくメルマガ登録。
■ 『なぜ消防署で住宅ローンがバカ売れするのか?』(杉浦昌孝/ダイヤモンド社
/本体:1,429円)
さてさて。本書はその,土井英司さんが絶賛し,「その影響で爆発的に売れた」といわれているもの。著者の杉浦昌孝さんは京都大学法学部卒。高等マーチャント戦術研究室主宰。私が読んだのは2007年10月18日第1刷。大変おもしろかった。ちょいと覚書。
◆帯(表)
右へならえで買ってくれる職域集団をねらえ!
新規顧客で900億円超の売上をあげた驚異の実績
30万カ所のお役所系集団に990万枚のDMを送って判明した裏技をこっそり教えます
◆帯(裏)
群れに投網を投げて,一網打尽にする!
これがお役所営業の基本だ!
第1章 消防署でバカ売れするには理由がある
第2章 お役所は巨大な眠れるマーケット――ターゲットの見つけ方
第3章 未開封の封筒にお客が殺到する――効果的なDMの送り方
第4章 チラシが正規の回覧物になる――お役所に溶け込む秘策
第5章 今まで気づかなかった強みを見せる――集団内を魅了する商品に変える法
第6章 お役所系はピンクに反応する――口コミを呼ぶ特殊チラシのつくり方
第7章 ラクラク茶話会でお客が次々やってくる
本書で公開されているのは「蜘蛛の子ばらまき型DM」という手法。通常こういう「企業秘密」みたいなことは明らかにはしないわけですが,杉浦昌孝さんは「もう,公開しても大丈夫。追いつかれない」と自信がおありなんですね。例によって,本文からいくつか抜粋。
この手法は頭で考えたものではない。(中略)エリートとして活躍していた私が転落し,みじめな窓際生活を乗り越えてきた中から編み出し実証した「血と汗と涙のど根性」手法なのだ。(プロローグ/3ページ)
多くの現象を集約し,それらの現象をうまく説明できる「仮説」を立てて,どんどん玉を打って「実験」してみるのだ。そして,玉を打つだけでなく,あほ丸出しで見込み客に聞きまくる。私はこの過程を「試行錯誤,実験過程」と呼んでいる。そのうち,うまくいくものが何件か必ず出てくる。(中略)この「実験」の結果,反応を厳密に検証し,うまくいった数件に共通するものがないかをよく分析してみる。この分析結果に基づき,また最初の「仮説」に修正を加え,「修正仮説」とする。そして,再び,この「修正仮説」に基づいて実験をする。この繰り返しを続けていくわけだ。(中略)逆にいえば,数多くの失敗があってはじめて「法則」は発見できるのだ。(中略)私はこの過程をマーケティングの真髄だと考えている。(25〜27ページ)
同感でございます。企画屋には「現場での試行錯誤の経験」が何より大事なのですが,わが社では,その経験をしないまま何となくエラくなっちまった人たちが,若いヤツらの企画を潰しまくり,彼らに試行錯誤する機会を与えないでおいて,「いい企画が出ない」なんて平気で言いよります。これでは将来がないことはわかっているのですが,私もエラそ〜に「批評する側」に回るべく,こっそりと身の処し方を研究中。(^_^;) 何たって楽チン。もちろん,一方で,いつでも戦闘モードに入れるネタはそれなりにキープ。「タモリ作戦」。
杉浦昌孝さんは現在,
お役所に限らず,実際に存在するリアルなさまざまなコミュニティ,群れ,集団,職域に対して,多岐に渡る業種の種々の商品・サービスで,口コミマーケティングを行うコンサルタントとして,今でも汗水たらたらで試行錯誤の実験を繰り返している。
のだそうです。素晴らしい。組みたい。その他,いくつか覚えておきたいこと。
◆自らコミュニティの郵便箱へポスティングせよ
◆安心感を与えるために,自分自身を演出する
◆二流営業マンのつくったチラシは,よくても二流
いい読書でした。特に「読んだだけじゃ,ダメ」と思えるところが素晴らしい。ありがとうございました。杉浦昌孝様,土井英司様。
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