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『企業ドメインの戦略論 構想の大きな会社とは』榊原清則(071117)
実は私の上司がこの「ドメイン教」の信者で困っております。何で困るかというと,そもそもドメインの設定を行うという決断力がないくせに,つまりとっちらかし系の議論しかできないのに,ドメインは何かという話が好きなんですな。おかげで人事異動から10か月も経っているのに役員直属のわが部門は「寝たまんま」でございます。適当に付き合っていればいいので楽ではありますが,さすがに私も少し飽きて来ました。(笑)…とか言いつつ,ドメイン・ネタをまた仕入れたりしてるわけでありますが…。(笑2) ざっと覚書。ちょっとメモった赤字を見ると脱力しますが,まあいちおう(何かのときに戦う用=君らこんなことしてきたじゃんメモとして)残しておきます。
■『企業ドメインの戦略論 構想の大きな会社とは』(榊原清則/中公新書/本体660円)
◆松下やキヤノンなどは,ただの「プラグ・ソケット屋」「カメラ屋」というだけでは表現できない「何らかの大きな構想」が経営者や社員の間に存在していたので,所期の成功に満足してとどまることがなかった。そのような構想や「絵」の大きさは,松下やキヤノンの場合には,単に経営者の内面的・心理的イメージにとどまらず,会社全体の日常的な活動の内容や領域の広がりにも投影されていたに違いない。
→私の会社では,費用削減なんてことばかり10年以上やってきて「縮み思考」が浸透。その間,社員のスキルはどんどん陳腐化。
◆ドメインという言葉のなかには,活動の成果がすでに市場に現れているのはもちろん,活動の成果が外側にはみえず,その点でまだ潜在的な状態にとどまっているものもまた含まれている。成果ではなく活動の範囲が,ドメインの意味である。将来の事業化をにらんだ研究活動は,その企業のドメインに含まれ,それは俗に「含み」が多いなどという。
→研究開発はここ10年ぐらい停止。したがって「含み」なし。頭の中は空っぽ。
◆企業経営に「含み」をつくるのは研究開発だけではない。カシオは事務機ディーラーに依存した販売体制をとっていたが,文具卸のチャネルを開拓,カシオミニはこの文具卸のチャネルがフルに生きて大ヒットした。先行的チャネル構築がヒットにつながり,カシオは事務機メーカーから消費財メーカーに脱皮した。
→かつて私が制作した商品が新販路に流れたことあり。今は従来のチャネルのみ。
【ドメインを定義するするということは以下のような質問に答えること】
○われわれは今どのような事業を行っており,今後どのような事業を行おうとしているのか
○わが社はいかなる企業であり,いかなる企業になろうとしているのか
○わが社はどのような企業であるべきか。また,どのような企業になるべきか
◆経済全体のパイが拡大しているときには,「自然の勢い」や「流れ」重視でよかったが,既存のパイの奪い合いが激しくなる成熟期には,まずどのような領域を自社の存在領域として構想するかという戦略決定の第一歩が改めて重要になっている。現代は,成長の方向性についての主体的展望をもって,意識的・選択的に事業(製品)構成の定義と組み替えをすることが不可欠。
◆成果についての見通しが不確かな「探索的」な性格の研究開発も従来以上に必要。先行的な流通チャネルの構築が必要な場合もある。意識的なドメインの定義が決定的に重要。
→100%成功する事業だけをやろうと寝ぼけたことをいうシロウト多数。口だけで戦って,ノーリスクであと10年逃げ切りたし。
◆「そもそも世の中には成長産業といったものは存在しない」(セオドア・レビット)。そのように見える産業には,実は成長の機会を自ら創り,適切に資源を配分して成果をあげている個々の企業が存在するだけなのである。成長が危うくなったり,スローダウンしたり,あるいは完全にストップしたりする原因は,市場が成熟したからというより個々の企業のマネジメントが失敗したからなのである。それゆえ,わが社の事業はどういうものなのか,これからどこへ向かおうとしているのか,これからどこへ向かうべきなのか,こういった問いかけに対して経営者ははっきりと答えることができなければならない。自分の環境を自分でつくる責任が経営者にはある。いずれにせよ,これからどこへ行こうとしているのかがわからない人には道は開けない。
→「もうけたい」だけで,わが社がどうあるべきか,経営陣はビビって決められずコンサルに丸投げしてます。うちは。
◆ドメインの内容も重要だが,ある一定のドメインに執着しそれを墨守したことが失敗の原因となることもある。ひとたびドメインを定義すると,それがしばしばフェティシズムの原因となり,変化を積極的に阻止する傾向を生む。ドメインが機能するためには,それを時間とともに変えていく必要がある。
○ゼロックス:複写機の会社→未来のオフィス(総合的情報システムメーカーを志向・挫折)→ドキュメント管理(オフィスシステムの中の文書管理関連商品に特化)
○NEC:「ベター・プロダクト,ベター・サービス」→5C→4C→C&T→C&C
◆ドメイン・コンセンサス…経営者や管理者が主観的に定義するドメインは,組織のメンバーや外部の人々によって広く支持されたときに,初めてドメインとして機能するようになる。
◆企業が成果をあげる場合,その成果はつねに顧客やユーザーあるいは社会とその企業の合作である。安売りを誇るスーパーが急に高級専門店を開設してもうまくいかない。
◆組織が社会的にうまく機能するためには,ドメインそのものの定義だけでなく,ドメイン・コンセンサスの確保が決定的に重要である。
◆ドメイン・コンセンサスがとれていれば,組織は案外たやすく機能していく。
◆ドメインの3つの次元(いずれにもある程度の広がりがない企業は長期に存続することは難しい)
空間の広がり(狭い・広い)
時間の広がり(静的・動的)
意味の広がり(特殊・一般/「ビジネスには大義名分がなければいけない」飯田亮・セコム会長)
◆ドメインの意味領域…作り手の思うような固定的なものではない。
使い捨てカイロ…冬だけでなく夏にも売れる。神経痛やリウマチにいいので
長距離フェリー…無人トラックの輸送に使われる
ファミレス…父・母・子それぞれ別の価値を感ずる
洗濯機…「静かな」洗濯機が売れたということ
レーサーミニ四駆…メーカーの予想以上に小中学生に流行。ユーザーとメーカーで相互増殖的に市場を拡大
◆停泊点(商品コンセプトの落としどころ)とスキーマ(フレームとか知の集積といった意味)
写ルンです…「安いカメラ」でなく「レンズ付きフィルム」
シャープの「電子手帳」…「ポケットコンピュータ」でなく「手帳」
カップヌードル…「カップに入ったインスタントラーメン」でなく「まったく新し
いスタイルの食品」
◆一般に組織には過剰な秩序が生み出される傾向があり,個人の側にも自由から逃走する欲求がある。人間は組織的文脈のもとでは容易に自分を抑制し,「良い子」になってしまいがちである。一人一人が高次の利己主義を追求しながら,なおかつ組織全体が何らかの統一性をもって動いていく,そういう組織がすぐれた組織。
→わが社は総務部門から細かい決まりたくさん発令。それと「良い子」いっぱい。
◆シンクロニゼーション…同期化,同調。
キヤノン…打倒ライカ→右手にカメラ,左手に事務機→総合映像情報産業
2つめまでは社内に浸透,社員間にやる気がシンクロ。活力を生んだ。が,3つ目は浸透していない。
◆企業にはレーゾン・デートル(存在理由)がある。
ダイエー…「よい品をどんどん安く」を超えるドメイン(コンセプト)ができないでいる。
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